塾から「お腹が痛い」の電話…その日に作る、受験生の“ミニお助けポーチ”
「お母さま、少しお腹が痛いようで……」
塾から、わが子の名前が表示された電話がかかってくる。
それだけで、胸がぎゅっと縮みます。
大きな病気だったらどうしよう。迎えに行くべき? 授業は休ませる? 何を持って行けばいい?
中学受験の時期は、長時間の勉強や緊張、睡眠不足、気温差などが重なり、子どもが突然「気持ち悪い」「頭が痛い」「お腹が痛い」と訴えることがあります。
そして、こうした体調不良は、なぜか保護者がすぐに迎えに行けないタイミングで起こりがちです。
9月9日は「救急の日」。
この機会に、塾での急な体調不良に備える「受験生のミニお助けポーチ」を作ってみませんか?👜
なぜ、受験生にミニお助けポーチが必要なのか
塾に持たせるものというと、テキスト、ノート、筆箱、飲み物、軽食……。学習に必要なものが中心になりがちです。
でも、受験生の塾通いは、学校よりも長時間になることがあります。
夕方から夜まで過ごし、帰宅は21時を過ぎる。模試の日は、朝から夕方まで会場にいる。夏期講習や正月特訓では、いつもと違う環境で一日を過ごすこともあります。
そんなときに、
・急にお腹が痛くなった
・汗をかいた後に冷えてしまった
・靴ずれや小さな擦り傷ができた
・鼻血が出た
・気分が悪くなった
・雨で靴下や服がぬれた
ということは、決して珍しくありません。
もちろん、ポーチがあれば病気を治せるわけではありません。
ただ、「少し休む」「汚れを拭く」「濡れたものを替える」「保護者に状況を伝える」といった、最初の対応ができるだけで、子どもの不安は大きく変わります。
受験生のミニお助けポーチに入れるもの
大切なのは、たくさん詰め込むことではありません。
子ども自身が中身を把握できて、必要なときに自分で取り出せる量にすることです。
1.衛生用品
・ポケットティッシュ
・ウェットティッシュ
・ハンカチ、または小さめのタオル
・マスクの予備
・ビニール袋、チャック付き袋
ビニール袋は、汚れたものや濡れたものを入れるために使えます。
特に、腹痛や吐き気があるときは、汚れた衣類を入れる袋があるだけでも安心です。
2.体調不良時に役立つもの
・使い捨てカイロ
・冷却シート
・経口補水液や飲み物
・小さめのゼリー飲料
・予備の下着
・替えの靴下
ただし、飲み物や食べ物は、体調によって合わない場合もあります。
腹痛や吐き気があるときに無理に食べさせる必要はありません。塾の先生にも「体調が悪いときは無理に飲食させず、保護者へ連絡してください」と共有しておくと安心です。
また、薬については注意が必要です。
市販薬を持たせる場合は、子どもが自己判断で飲まないよう、保護者と塾でルールを決めておきましょう。処方薬がある場合も、薬の名前や服用方法を明確にして、塾の対応可否を事前に確認しておくことが大切です。
3.連絡・身元確認に関するもの
・保護者の電話番号を書いたメモ
・緊急連絡先
・健康保険証やマイナ保険証に関する確認
・アレルギーや持病のメモ
スマートフォンを持たせている場合でも、電池切れや通信トラブルは起こります。
小さなメモに、
「母:090-XXXX-XXXX」
「父:080-XXXX-XXXX」
「かかりつけ:〇〇小児科」
「アレルギー:〇〇」
などを書いておくと、本人が困ったときにも、周囲の大人が対応しやすくなります。
「お腹が痛い」と言われたら、まず確認すること
子どもから「お腹が痛い」と連絡があったとき、すぐに病名を考えなくても大丈夫です。
まずは、次のことを確認します。
「いつから痛いの?」
「どのあたりが痛いの?」
「痛みは強くなっている?」
「吐いていない?」
「熱はある?」
「歩ける? 話せる?」
痛みの場所や強さ、発熱・嘔吐の有無を聞くだけでも、塾の先生や医療機関に状況を伝えやすくなります。
顔色が悪い、意識がぼんやりしている、激しい痛みが続く、何度も吐いている、血便がある、呼吸が苦しそうなど、緊急性が高いと感じる場合は、迷わず119番へ連絡します。
受診や救急車を呼ぶべきか迷うときは、子どもの医療電話相談「#8000」を利用できます。厚生労働省によると、#8000は、休日や夜間に子どもが急に病気になったとき、対処方法や受診先について小児科医師・看護師に相談できる窓口です。
詳しくは、厚生労働省「子どもの症状は♯8000」を確認しておくと安心です。https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/8000.html
地域によっては、救急車を呼ぶか迷ったときに「#7119」を利用できる場合もあります。
ポーチより大切な「塾との共有」
ミニお助けポーチを作っても、子どもが限界まで我慢してしまえば活用できません。
そこで、家庭で次のような約束をしておきます。
「お腹が痛いときは、先生に言っていい」
「授業中でも、気持ち悪いときは我慢しない」
「薬は勝手に飲まない」
「困ったらポーチを使っていい」
「体調が悪い日は、勉強より体を優先する」
さらに、塾にも、
・持病やアレルギー
・服薬の有無
・緊急連絡先
・体調不良時の迎えの基準
・子どもを一人で帰宅させるかどうか
を伝えておきましょう。
塾からの電話は、保護者にとって突然です。
でも、連絡が来たときに確認することや、持たせるものが決まっていれば、慌て方は少し変わります。
受験生を守るのは、特別な救急グッズではない
受験生の体調管理というと、睡眠時間、食事、手洗い、生活リズムに目が向きます。
もちろん、それらは大切です。
でも、どれだけ気をつけていても、体調不良が起こる日はあります。
だからこそ、必要なのは「体調を崩さない準備」だけではなく、「崩したときに安心して助けを求められる準備」です。
今日の帰宅後、子どもと一緒に小さなポーチを作ってみてください。
「これがあれば大丈夫」と思えるものを、自分で選ばせるのもおすすめです。
救急の日は、救急車を呼ぶ場面を想像する日ではなく、もしものときに落ち着いて動けるよう、家族で準備を見直す日。
塾のバッグの片隅にある小さなポーチが、受験生の安心をそっと支えてくれるかもしれません。🌿
