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えっ、AIエージェントって、そっち?〜最先端を期待して現場入りしたらAIの「え」の字もない石器時代だった話〜


「難しい専門用語や堅苦しい解説に疲れた人へ」
「現場で起きた、笑うしかないバズワードの悲喜劇をまとめました」

「AIエージェント導入・活用支援案件」。

営業担当から届いたメールにその文字を見た瞬間、私の胸は高鳴っていました。

「ついに来たか。自律型AIが勝手に考えて、複雑な業務を全自動でサクサク終わらせてくれる近未来のプロジェクト。その最前線に飛び込めるんだ!」

営業担当も「これからはAIエージェントの時代ですよね!」とノリノリ。 意気揚々とPCを開き、初日のキックオフミーティングに参加した私を待っていたのは、誰も予想していなかった「言葉の罠」と「壮大なすれ違い」でした。

1. 現場で知った「2つのAIエージェント」

初日の画面共有で、業務マニュアルを見せてもらった瞬間に私の思考は完全にフリーズしました。

  • 条件に合いそうな人のリスト(Excel)を目視で探す

  • メールの文面を手作業でコピペする

  • 1件ずつ手動で送信ボタンを押す

……あれ? 全自動で動く最先端AIのシステム画面はどこ……?

思わず担当者に確認してみました。

私「あの……案件にあった『AIエージェント』の仕組みって、具体的にどこで動かす想定なんでしょうか?」

すると担当者は、不思議そうな顔をして首をかしげました。

担当者「えっ? ……システム? いや、『AI業界向けの人材紹介(エージェント)業務』のことですけど……それ、そんなに大事ですか?

私「………………。」

言葉が出ませんでした。 相手も嘘をついていない。「AIエージェント」の話をちゃんとしている。

ただ、相手は「人材紹介(エージェント)業務」の話をしていて、私は「自律型AIシステム」の話をしていただけなのです。

2. なぜ誰も止められなかったのか?

後から冷静に振り返って、一番恐ろしかったのは「関わった全員がノリノリで勘違いしていた」という事実です。

  • クライアント: 「AI業界の人材紹介(エージェント)を手伝ってほしい」

  • 営業担当: 「AIエージェントの案件ですね!最先端のトレンドですね!」(※よく分かってないが響きで納得)

  • : 「AIエージェント(全自動AIシステム)の構築ですね!任せてください!」

全員が「AIエージェント」という同じ言葉を使い、全員が「うんうん、それね!」と笑顔で頷き合い、誰ひとりとして疑うことなく契約書までハンコが押されてしまったのです。

誰も悪くない。誰も嘘をついていない。 ただ、バズワードという名の霧の中で、全員が綺麗にすれ違っていただけでした。

心の中で「そっち(人材紹介)のエージェントかい!!!」と盛大に叫びましたが、引き受けてしまった以上、仕事は仕事。 「せめて自分の手作業だけでも、PCに入っているAIに手伝ってもらって爆速で終わらせよう」と気を取り直しました。

3. タスクバーの救世主……?

「手作業が前提なら、PCのAIツールを使って自動化マクロをサクッと作ればいいだけ」

そう思いながら画面下のタスクバーを見ると、Windows標準のCopilotアイコンが鎮座していました。「よし、手伝ってもらおう」とアイコンをクリック。

私「このExcelの整理を自動化したいから、プログラムを作って」 Copilot「申し訳ありません、その操作やプログラム生成は実行できません」

私「……え? なんで簡単なマクロすら組めないの?」
Copilot「はい、私は Copilot Basic です」

……Basic?

4. 知ってしまった残酷な真実

らちが明かないので、手元のスマホからGeminiさん「Copilot Basicって何者?」と聞いてみました。

返ってきた回答を見て、私は二度目の絶望を味わうことになります。

  • Officeソフトとの連携? できません。

  • 複雑な自動化プログラムの作成? できません。

  • 便利な拡張機能? 一切使えません。

企業向けセキュリティの名のもとに、徹底的に機能を制限された「超・安全第一(お飾り)エディション」。それがBasicの正体でした。

「最先端AI」の看板を掲げた現場で、手元に配備されていたのはまさかの竹槍。

「えーーーっ!? ここは石器時代なんですか……!?」

5. バズワードに踊らされる現場のリアル

「AI推進」「DX改革」「AIエージェント」――。 世間にはキラキラした横文字が並びますが、一歩現場に足を踏み入れれば、手作業の山と機能を封じられたツールたち。

今回の現場で学んだ教訓は2つです。

  1. 案件名の「AI」は、使う道具ではなく「扱う商品」かもしれないと疑え

  2. 「全員が納得した顔」をしていても、言葉の定義は1ミリも合っていないことがある

もし皆さんの職場で「AIエージェントを導入するぞ!」という号令が鳴り響いたら、まずは確認してください。

それは「自動で働くAI」ですか? それとも「人間が手作業でやるエージェント」ですか……?


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