【ショート&楽曲】 星降る国境線
―― short story ――
淡く、ふんわりとした黄色い筋が通っていた。
そのそばを歩く。
どこまで続いているのか、行く先は霞んで見えない。
振り返ると、
どこまでも続く真っ青な海の上に、
ふわふわとした白い綿のようなものが点々と浮かんでいた。
首を少し傾げた後、また、黄色い筋を辿って歩き始める。
ときどき反対側に足を踏み入れようとしたが、
見えないものに押し返された。
仕方なく、まっすぐに進む。
やがて、筋の向こうに街が見えてきた。
もう、なくなったはずの街。
あの日、跡形もなく崩れた街だった。
こなごなに。
その方角から、一人の男性がこちらに歩いてくる。
遠くからでも、誰なのか分かった。
彼は黄色い筋の手前まで来ると、足を止めた。
私も立ち止まる。
——また、ここで会おう。
交わした約束が、胸の奥によみがえった。
「来てくれて、ありがとう」
その時、天からふわりと雪が降ってきた。
よく見ると、星だった。
黄色い光が、いくつも、いくつも降りてくる。
天から視線を彼に戻すと、彼の目に涙が浮かび、唇が震えていた。
伸ばされた手は、
壁のように立ち上がった黄色い光に阻まれ、こちらへ届かない。
頬を伝った雫が、足元へ落ちた。
私も手を伸ばそうとして、気づく。
もう彼を抱きしめていた。
黄色い星になって。
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