【教員の基本】通知表所見で大切なのは、「うまく書くこと」ではない
学校の働き方や教え方は、
都道府県や市町村、学校ごとに大きく異なります。
このシリーズで書いていることも、
あなたの学校では
「それはできない」
「そんなやり方は聞いたことがない」
と感じる部分があるかもしれません。
それで構いません。
この【基本シリーズ】は、
唯一の正解や、全国共通のやり方を示すものではありません。
多くの現場で比較的通用しやすい
考え方や、仕事の組み立て方、
教員としての土台になる視点をまとめています。
今の自分のやり方・学校のやり方と比べてみて、
「これは同じだな」
「ここは違うな」
「ここはなくなったな」
「名前ちゃうな」
「うちの学校では、こう言い換えたら使えそうだな」
そんなふうに、
自分の当たり前を見直す材料として
読んでもらえたら十分です。
すべてを真似する必要はありません。
取り入れるのは、
使えるところだけで大丈夫です。
このシリーズが、
あなたの現場で事故を減らし、
考える負担を少し軽くする
土台になれば幸いです。
通知表所見は、一年間の子どもの成長を並べる文章ではありません。
「学校として、この子をどう見ているか」
それを言葉にする文章です。
成績が数値による評価なら、
所見は、言葉による価値付けです。
所見がしんどくなる「3つの呪縛」
所見を書く時、
自分で自分を苦しめてしまうことがあります。
例えば、
・全員を「特別」に書こうとする。
・「うまい文章」や「きれいな言い回し」を考える
・保護者が100%納得する文章を書こうとする。
でも、
これらをすべて満たす必要はありません。
所見は文学作品ではなく、学校としての見取りを伝える、誠実な業務文章です。
【基本①】構造は「一点集中」で書く
あれもこれも書こうとすると、
結局、何も伝わりません。
その期間で、
一番伝えたい成長を一つだけ選びます。
「今、この子の軸はここだ。」
それが伝われば十分です。
① 行動の事実
「〜する姿が見られました。」
② そこから見える力(価値付け)
「〜する力が育っています。」
③ 次への視点
「今後も〜する姿を期待しています。」
この型を決めておくだけで、
文章に迷う時間は大きく減ります。
【基本②】課題は「評価」ではなく「支援」を書く
課題を誤魔化す必要はありません。
ただし、書き方にはプロとしての節度があります。
「〜できません。」
ではなく、
「〜に取り組んでいます。」
「〜を意識しながら活動しています。」
というように、
学校として、その子の成長をどう支えているか。
その姿勢を書くことが大切です。
詳しい課題や家庭へのお願いは、懇談や電話など、
直接話せる場で丁寧に伝えます。
所見で伝えるのは、
学校としての見取りと支援の方向性です。
【基本③】完璧な文章より、誠実な文章
通知表所見は、
その場で終わる文章ではありません。
・次の担任へ
・次の懇談へ
・次の支援へ
子どもの成長をつないでいくための、
大切な記録です。
だからこそ、
・強く言い切りすぎない
・決めつけすぎない
少しだけ余白を残す。
その余白が、次に関わる先生や保護者が、
新しい視点で子どもを見るきっかけになります。
所見で全員を100%満足させることはできません。
それでも大切なのは、
「学校として、この子を誠実に見つめています。」
その思いが、
文章の行間から伝わることです。
所見は、自分を削って書くものではありません。
目の前の子どもの「これから」を、
学校という立場から応援するための文章です。
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