制作メモ14 「Burn Through」 が生まれるまで。

はじめに
まとまった休暇が取れたので、しばらく遠ざかっていた音楽制作を始めています。これまでもSUNO AIを使い、いくつかの楽曲を作ってきた中で今回は、これまでとは少し違うものを作ってみたいと思いました。
ただ明るいだけではない、ただ激しいだけでもない、速さだけで疾走感を作るのでもない。
聴いているうちに、胸の奥にある何かが少しずつ動き始める。
そして曲が終わる頃には「もう少し、前へ行ってみたい」そんな気持ちになれる曲。
今回制作した楽曲「Burn Through」はその様なところから始まりました。
胸の奥で、何かが叫んでいる
今回も、最初に考えたのはメロディではなく言葉です。
何かを始めたい。
今いる場所から、もう少し先へ行きたい。
そう思っていても、毎日は何事もなかったように過ぎていきます。
忙しいから。
今じゃないから。
仕方がないから。
理由はいくらでも見つかります。
そして、胸の奥から聞こえてくる小さな声にも、いつの間にか気づかないふりができるようになる。
そこから、最初の言葉が生まれました。
胸の奥で 何かが叫んでた
気づかないふり 上手くなってる
笑っていれば 今日も過ぎるから
大きな叫びではありません。
最初は、ほんの微かな感覚です。
けれど、消えない。
だけど消えない微かな感覚が
眠れない夜に呼び続けた
「ここじゃない」「まだ行ける」
ここから少しずつ「Burn Through」という曲の輪郭が見え始めました。
「怖くない」とは、書きたくなかった
歌詞を書きながら、一つ決めていたことがあります。
「もう怖くない」とは、書かないことでした。
何かを変えようと決めたからといって、不安がなくなるわけではありません。迷わなくなるわけでもありません。
ですから、
怖くないなんて嘘になるけど
鼓動が速度を上げてゆく
としました。
怖くてもいい、迷っていてもいい。
それでも、胸の奥にあるものを無視するのをやめた瞬間から、人は少しずつ動き始める。
今回描きたかったのは、最初から強い人ではありません。
成功を手にした人でもありません。
胸の奥にあった声を無視することをやめ、前へ進み始める人
そのようなメッセージを意識しました。
Burn Through Lyrics
今回は、完成した歌詞を一枚の歌詞カードにまとめました。
この歌詞の中には、日本語だけではなく、いくつかの英語の言葉も入れています。
それぞれに意味がありますが、それを今ここですべて説明してしまうよりも、この先、どこへ向かっていくのか。
まずは言葉そのものから、何かを感じていただければ嬉しく思います。

言葉に音をつける
歌詞を書き上げ、いつもの様に鼻歌まじりで楽曲の雰囲気や構成を考えつつSUNO AIに指示を送りながら作り込んでいます。
まだ楽曲のすべては完成していませんが、始めにサビの部分が浮かんできましたので、である程度形にして短い映像にまとめました。
いつものキャラクター(ジャケットに描いた人物)に、この曲を実際に歌わせてみて感触を確かめたい。
そんな発想から、Hedraを使ってリップシンク映像を制作しています。
Burn through!
風を切り裂いて世界へ飛び込め!
Faster!
追いつけないくらい遠くへ!
No turning back!
涙も迷いもこの身体を走る鼓動に変えて。
映像の尺は約30秒。Burn Through が最初に走り出す瞬間です。
音はある程度チューニングしたのでヘッドフォンでのご視聴を推奨します。
Burn Through ― First Chorus Teaser
「Burn Through」というキーワード
この言葉をタイトルにしました。
Burn through という英語には本来いくつかの意味があります。
ただ、今回の曲では辞書に書かれた意味をそのまま使っているわけではありません。
私の中では、
「振り切って、その先へ突き抜ける」
そんな感覚を持たせています。
過去をなかったことにするのではない。
迷いを捨てるのでもない。
涙も、悔しさも、立ち止まっていた時間も。
全部そこにある。
それでも、前へ。
だから、
No turning back.
なのだと思っています。
AIを使えば、簡単に曲が作れる?
SUNO AIを使えば、驚くほど短い時間で「楽曲」は出来上がります。
歌詞を与え、曲調を指定し生成する。
しばらく待てば、ヴォーカルまで入った楽曲が返ってきます。
少し前なら考えられなかったことです。
では、AIを使えば思い描いた曲も簡単に作れるのか。
今回、改めて制作してみて、その答えは以前から感じている様に「少し違う」という感覚でした。
最初に生成された曲を聴いて、感じたことがあります。
「それなりに格好いい」曲が出来てしまうのですがよく聴いてみると。
・速すぎる
・ロックが強すぎる
・低音が重い
・疾走してほしいのに、なぜか走っているように感じない
整っているし、それらしく聴こえる。でも、どこかで聴いたような気がするし違和感を覚える・・・
プロンプトを見直し、設定を変えてみる。
そして、このような作業を納得のいくまで延々と続けていきます。
生成する。→ 聴く。→ 違う。→もう一度変える。→ 生成する。 → また聴く。 → それでも違う。
「違う」というところから、制作が始まる
AIが出してきたものに「いいですね」と言って終わることは簡単です。
でも「違う」と言った瞬間から、別の作業が始まります。
・何が違うのか
・なぜ違うと感じるのか
・速さなのか
・音なのか
・歌い方なのか
・言葉なのか
・それとも、自分でもまだ言葉にできていない何かなのか
「Burn Through」は、ここから何度も調整することになりました。
・テンポを変える
・ロック感を削る
・低音を抑える
・Styles(曲調を指定するプロンプト)を書き直す
・歌詞の言葉を一つ変える
そして、また聴く。
AIを使った音楽制作でありながら、やっていることは意外なほど地道でした。その試行錯誤については、次回もう少し詳しく書いてみようと思います。
次回:「違う。これじゃない」 ― SUNO AIと共に「Burn Through」を作る
テンポが速ければ疾走感が生まれるわけではない。
ロックを強くすれば力強くなるわけでもない。
そしてAIが「完成した曲」を返してきても、それが自分の作りたかった曲とは限らない。
次回は、SUNO AIのStylesやテンポ、アレンジをどのように変えながら「Burn Through」へ近づけていったのか。
実際の試行錯誤を振り返ります。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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