「TPO」はただのファッション販促用語。マナー講師が教えない石津謙介の「FOP」と、黒いリクルートスーツの闇
気温35度、湿度80%。日本の夏ぅ!
世間がクールビズだのハンディファンだのと軟弱な暑さ対策に勤しむ中、俺はジャケットを羽織る。そして、半パンは絶対にはかない。
それが俺のスタイルだ。
汗だく? 当たり前だ。
だが、俺の毛穴から噴き出しているのはただの汗じゃない。
譲れない美学という名の「熱いパトス」だ。
そんな俺を見て、何十年と同じ質問を投げかけてくる輩がいる。
「え、暑くないの?(訳:頭おかしいの?)」
暑いに決まってんだろ!!
日本の夏をナメるな。だがな、俺は気温ごときに魂までは売り渡さない。
すると奴らは、決まってこの呪文を唱えだす。
「TPOを考えなよ(笑)」
もう耳にタコだ。吸盤の跡がつくレベルだ。
さらに奴らは、ここぞとばかりに正義の鉄槌を振りかざす。
「一緒にいる人の身にもなってよ。暑苦しい格好をしたあなたを見る人の気持ち、考えたことある?見ているだけで暑くなってくるんだけど?」
はっ、笑わせるな。
俺の格好を見て「うわぁ…」と引いたんだろ?お前のテンションが氷点下まで下がったんだから、体感温度も下がってちょうどいいじゃねーか!
俺は歩くクーラーだ。感謝しろ。
……とはいえ、あまりにもうるさいこの「TPO」という名のハエども。ただ追い払うだけじゃつまらない。
せっかくなので、TPO厨の気分を今日は最高にぶち上げてやるよ。
このリングの上でな。
「カーン!」(ゴングの音)
まず俺は言いたい。
お前ら「TPO、TPO」と言うけど適当すぎるんだよ。
どれだけTPOのことを知っているんだ?
ぐぐってやろう。wikipediaに書いてあるな。
TPOという概念は、1960年代に日本のファッションデザイナー石津謙介によって提唱された。当時、日本は高度経済成長期を迎え、人々の生活は豊かになっていた。それに伴い、ファッションも多様化し、フォーマルとカジュアルの二種類に分けられるという考え方が一般的になっていた。
しかし、石津謙介は、時間、場所、場合によって服装を変えるべきだと主張した。彼の主張は、当時の日本のファッション界に大きな影響を与え、TPOは日本のファッション文化に欠かせない概念となった
情弱なお前らはこれを信じているんだろ?
原典に当たれよ!石津謙介の本を読めよ!
『できる男の服装戦略』にハッキリ書いてあるから。
TPOは1961年に生まれ「洋服を着る機会を増やす」販売促進のコピーだと。正確に言うと「日本メンズファッション協会(MFU)」のキャンペーンにすぎない。
それが功を奏して10年で背広2.6着⇒5.5着と数字が躍進。他業界もこの販促方法をパクって一般化していった。
次に、石津謙介が主張したのは「FOP」だ。トラッドという伝統の着方を分類した。フォーマル、オフィシャル、プライベートだ。

これが土台となり、男性ファッションはフォーマル、ビジネス(オフィシャル)、カジュアル(プライベート)の3区分で語られるようになったわけ。
この「TPO」と「FOP」の両輪が揃ってこその服装術だ。
お前ら、「FOP」どこいったの?(笑)
お前らの口から聞いたことがないぞ。むしろ、今はドレスとカジュアルって2分法になってんじゃねーか!
お前らが拝んでるのはTPOという教典じゃなくて、ただのTPOというチラシなんだよ!しかも半分破れてるやつな!(笑)
そもそもな。
俺がジャケットを一年中着て、誰かが怪我をするのか? 迷惑をかけるのか?「私が不快だからやめろ」を「みんなの迷惑」にすり替えるな。
それはマナーじゃない、ただの「お気持ちヤクザ」だ!
石津謙介にまた登場してもらおう。
俺の家には彼の本が何冊もあるからな。
「遺言:シングルとダブルのブレザー。その着回し術を会得すべし」
石津謙介の本には「ネイビーのブレザーを着回せ」とだいたい書いてある。
これはTPO別に「何を着るか」ではなく、どの「文脈で着るか」ということだぞ?
TPO別にバラエティー豊かな服を揃えることがTPOじゃないからな?1つのアイテムを「TPO」と「FOP」別に着回すことが石津謙介だからな?トラッドという伝統をズラしながら服装を構築していくんだぞ?
むしろ、一年中ジャケット着ている俺の方が正しいまであるだろ。石津謙介の思想を纏っているだろ。
それに引き換え、お前らの夏場のその恰好は何だ?
半袖ワイシャツを着用し、ネクタイを外しただけの、首元がだらしなく開いた死んだ魚のようなクールビズ。
それはTPO警察やマナー講師どもに都合よく思想を歪められた成れの果てだ。石津謙介が草葉の陰で泣いてるぞ。
「正しい、正しくない」の論争をするなら、もっと根深い闇がここにある。
冠婚葬祭&就活スーツの矛盾。

就職氷河期による「没個性化」への逃避、紳士服量販店の「冠婚葬祭にも使える」セールストーク、「細身の黒=モードでお洒落」という流行(ディオールオム)等の影響で。
2000年代前半にガラパゴス的な「リクルート=黒」という独自ルールが爆誕した。
これだけスーツのキャラ付けが行われているにも関わらず、就活生は、この右上の「定型」のさらに狭い「黒」の檻に閉じ込められたわけだ。
TPOが大事と言いながら、就活生全員に黒い喪服(リクルートスーツ)を着せる国ニッポン!
おかしいだろ!
スーツは昼はグレー、夜はネイビー、カントリーが茶色というTPOが一応はあるんだぞ?業界ごとにスーツの着方も特徴あるよな。
TPO警察どこいったんだよ!おまわりさーん、ここです!
冠婚葬祭もそうだな。海外の葬儀は白や紺もあるだろ。日本はなぜか黒一色だ。そして、ネクタイだけ変えて結婚式にも参列。
これには識者や出羽守が長年文句を垂れている。改善の気配なし。『黒は日本の常識、世界の非常識』という本も出ているくらいだ。
日本という国は、フォーマルウェアのTPO別の着方がわかっていない。
第2次高市内閣の辛口ファッションチェックのコメントがこれな。
「男性閣僚については、最も格式が高い「モーニングスーツ」の着こなしに個人差が表れた」
もっとも格式が高い昼間の男性礼装は「燕尾服(テールコート)」であり、モーニングスーツは昼の準礼装(ディレクターズスーツと並ぶ)という位置づけ。
「ポケットチーフが数ミリしか出ておらず、あと1、2センチ引き出せば120点だった」
「白いハンカチーフを見せるということは、人生という戦場で白旗を揚げるようなことなのだ」 とハーディ・エイミスが言っているように、5~10mm程度見せるのが最もクラシック。 英国式の伝統的フォーマルでは、「控えめ」が基本だ。
ファッションライター(専門家)でこれだからな?
ほとんどのやつがわかっていない。スーツの百科事典なんて読む、もの好きは少ない。
だからブラックスーツでゴリ押し。
それでいいだろ!効率的だろ!って思うよな?
俺も思う。俺はジャケットで一年中ごり押すからな(笑)
でも、カジュアルシーンでのTPOは異様にこうるさい国ニッポン!
「平服でお越しください(スマートカジュアル)」
これ、難しすぎるだろ!
ジーンズはダメだがチノパンはいい。
襟があればポロシャツでもいい。
ジーンズもチノパンもワーク・ミリタリー由来の作業パンツじゃねーか!誰が線引き決めるんだよ。
そのポロシャツも乳首が透けてたら文句言うんだろ?そして、「ポロシャツの素材が~、下着を~、ジャケットを羽織り~」と講釈が続く。
そうなることはわかっているんだぞ(笑)
俺は言いたい。
そんなカジュアルより、冠婚葬祭でのTPOの方がよほど重要じゃないか?
マナー警察やTPO警察はそっちをなんとかしろよな。通年ジャケットおじさんの俺のことなんてどうでもいいだろ!
TPO警察は新しい言葉だけは増やすんだよ。
TPPO(Time, Place, Person, Occasion)
TPOS(Time, Place, Occasion, Social/Style/Spirit)
TPO-M(Time, Place, Occasion + Manner)
P-TPO(Personal TPO)
もう一回言うぞ?FOPどこいった?(笑)
なんだよTPPOって! PPFMの親戚か!
アルファベット増やしてインテリぶるな。マナー講師が新しいテキストを売りつけるための商材アップデートに付き合わされるこっちの身にもなれよ。
結局は、TPOなんてものはルールを複雑にしてマナー講師が食い扶持を稼いでいるだけ。
でも、よく考えろよ?
場面ごとに服を変えさせるのは、大量消費・大量廃棄の元凶だろ。
地球環境を守ろうと言いながら、シチュエーションごとに服を用意させ
(デートのTPO別に服装用意って地獄か!)、使い捨てさせるTPO警察こそ、地球の敵だ!
一着の服をどこでも着倒す俺のほうが、よっぽどエシカルでサステナブルなんだよ!名付けて『SDGs(すごく・ダンディで・頑固な・スタイル)』だ! 覚えとけ!
俺は山、海、街、公園、レストラン、会社まで全部ジャケットを着て行くからな。ディテ―ルと素材が変わるだけで基本は一緒だ。いつも同じ服装と思われてるからな。差がわからない、文脈が読めない、お前らが悪い(笑)
だから、よくわからないTPOをかざしてつっかかってくるな。
正直に吐けよ。
TPOって結局「空気読め」だろ?
マナー講師の多くは、メンズクラシックの文法をほとんど読めない。知らない。
だから、TPOという横文字でカモフラージュする。文法ではなく、空気でマウントを取る。お前らはそれに乗っかる。
空気は読むもんじゃない、吸うもんだろ!
「なんとなくダメ」を3文字に圧縮して、文法のフレームワークを変える魔法の呪文。それがTPOの正体だろ。お前らが守ってるのはマナーじゃない、「言語化できない支配構造」なんだよ!
その証拠に。

バレンシアガのズタボロのスニーカー15万円。マルジェラのペンキ塗装のぶっ飛んだジャケット30万円。ギャルソンの皺だらけの縮絨20万円。あれ全部TPO無視の極地だろ!
でも、お前らは言う。
富裕層が着れば「アート」、オシャレな人が着れば「あえて着ている(ハズシ)」、ストリートブランドの社長が着れば「反骨精神」、俺が着れば「常識知らず」。
TPOの正体は“誰が着るか”で意味が変わる相対性理論だ。マナーじゃない、権力の可視化装置なんだよ。
そこはマナーやTPOの観点から根こそぎ撫で斬れよ!
ただの階級フィルターじゃねーか!なまくら刀ふりまわしてんじゃねーぞ!
そして俺は気づいたんだ。
TPOを“守る”も“破る”も、結局は同じ土俵の上。
本当の自由は、土俵の外にある。
…でも、今日も俺はこのリングに上がる。
なぜなら、戦いこそが俺の美学だからだ。
結局のところ、俺たちはどっちもTPOという言葉に憑りつかれた妖怪なんだよ。
お前はマナーを守らせるために。俺は新しい服を買う言い訳にするために。
目的は違えど、石津謙介が仕掛けた「状況に合わせて服を変えろ」という最強のマーケティング術中に、まんまとハマってるわけだ。
おい、そこのマナー講師。リングの下で震えてないで上がってこいよ。俺とお前は敵同士じゃない。同じ「消費社会の奴隷」というタッグパートナーだ。
さあ、一緒に叫ぼうぜ。
「来月の友人の結婚式の二次会(TPO)のために、新しい服が必要だ!!!」
あ!メルカリに“たまたま”エディ・スリマン時代の名作、黒のナロスモ(細いラペルのタキシード)が出品されてる!
ポチッ。
……ああ、やっぱり俺も「TPOをわきまえる大人」だった。
「カンカンカンカン!!」(試合終了)
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