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「男性と120分二人きり?」と言われた日

「マッサージの仕事って、どう思う?」

今の仕事を始める前、私は一度この仕事を辞退した。
理由はいろいろあったけれど、その中でも大きかったのが、夫の反応だった。

私はリラクゼーションの仕事を、そんなふうに見ていなかった。
夫は、「マッサージの仕事ってメンズエステ想像するわ」
そんな反応だった。

私はただ、お客様の身体を楽にしてあげたい。
疲れている人に、少しでも癒やされて帰ってほしい。
それくらいの気持ちだった。

以前は美容師をしていたので、私の中ではむしろ美容師に近い感覚だった。

シャンプーもする。
マッサージもする。
男性のお客様も普通に来る。
だから夫も、きっと理解してくれるだろうと思っていた。

でも、そうじゃなかった。
「職場の人に、ひかの仕事のことを話せない」
そんなことを言われたこともあった。

それを聞いたとき、私はものすごく引っかかった。
もしかして、この仕事を軽蔑されている?
恥ずかしい仕事をしていると思われている?
そんなふうに感じてしまった。

私はそこで、「本当にやりたい仕事」よりも「夫が少しでも安心できる仕事」を選んだ。
女性専門のお店なら、きっと夫も安心するだろう。
そう思って、そちらを選んだ。
でも結局、そこを辞めることになった。

そしてもう一度、今の職場で働くことになったとき。
夫は、
「好きなようにやってみたら?」
と言ってくれた。
嬉しかった。
やっと応援してもらえたような気がした。
だから私は、安心して仕事を始めた。

ところが。
働き始めて数日経った頃のこと。

夫から、
「今日何人来たの?」
と聞かれた。
「そんなに来てないよ。でも今日、120分コースのお客さんがいてさ」
何気なく話した。

すると、夫の顔色が変わった。
「120分?個室で二人きりで?」

「え?」
何のことかわからなかった。

「そんな長いコースだと思ってなかった。30分とかだと思ってた」
急に不機嫌になっていく夫。

いやいや、待って。
個室とはいっても、カーテンで仕切られているだけ。
会話だって普通に周りに聞こえる。

それに私は以前、美容師をしていた。
3時間くらいかかるメニューだってあった。
「美容師だったら3時間とか普通にあったけど?」
「むしろ美容師のほうが、ずっとお客さんと面と向かって話してるから嫌じゃない?」
そう言って、夫を安心させようとした。

リラクゼーションなんて、お客様はほとんどうつぶせで寝ているし。
私は本当に、何もやましいことなんてない。
ただ仕事をしているだけ。
そう伝えたかった。

でも、夫の怒りはおさまらなかった。
しまいには、
「俺が稼いだ金がどうのこうの」
という今までの結婚生活まで否定されたみたいな話にまでなった。

さらに、
「長男で練習してたけど、それも毎日遅くまで二人で練習して、どうかと思うわ」
とまで言われた。
……もう、わけがわからなかった。

私はただ、仕事を覚えたかった。
少しでも上手になりたくて、息子の身体を借りて練習していた。
夫は忙しいからと練習相手にすらなってくれなかった。

なのに。
夫には、私とは違うものに見えていた。
その瞬間、ものすごく悲しくなった。
息子と練習することすら軽蔑を感じているようにも見えた。
そして、嫌になった。

仕事を理解してくれない夫が。
私が一生懸命やっていることを、そんな目で見ている夫が。

何より、一度は「好きなようにやってみたら?」と言ってくれたのに、結局また否定されたように感じたことが、つらかった。
私はただ、仕事を応援してほしかっただけなのに。

夫はそのまま不機嫌になり、家族との会話も避けるように寝室へ行ってしまった。
よりによって、その日は子どもが私の布団で寝ていた。
寝室のセミダブルは空いていたけれど……
私は夫の隣では寝たくなかった。
だから、その日は子どもの部屋で寝ることにした。

すると、それにも腹を立てたらしい。
子ども部屋まで来て、
「隣で寝たらいいだけなんじゃない?」
と言って、怒ってリビングへ行ってしまった。
……いや、寝れるかー!

今あんなこと言われて、隣で普通に寝られるほど、私は器用じゃない😂
私もイライラが止まらなかった。
というより、イライラだけじゃない。
がっかり。
悲しい。
もう、どうでもいい。
いろんな感情が混ざって、何が一番なのか自分でもわからなくなっていた。

そして、仕事のことまで考え始めた。
このまま夫に理解してもらえなかったら、どうなるんだろう。

私は、やっと「これやってみたい」と思える仕事に出会えた。
研修も頑張った。
不安だらけだったけど、やっとデビューした。
そして、やっとオープンしたお店で、今も必死に頑張っている。

それなのに。
「理解してもらえないなら、私はこの仕事を手放すしかないの?」
そんなことまで考えてしまった。

そもそも、私の仕事を取り上げる権利が夫にあるんだろうか。
私が選んだ仕事なのに。
私は何のために、ここまで頑張ってきたんだろう。

不安でいっぱいになりながらも、毎日仕事に行っている私に。
そんな言葉しかかけられない夫って、どうなんだろう。
考えれば考えるほど、腹が立った。
でも、それと同時に、ものすごく悲しかった。

私は散々悩んだ。
仕事を続けるのか。
夫とどう向き合うのか。
このままではよくない。
そう思った。

だから私は、リビングへ行った。
そして夫に、
「疲れとれないから、ちゃんと寝室で寝て」
と伝えた。

その日は、私はそのまま子ども部屋で寝た。
隣で寝る気にはなれなかったけれど、
このままずっと、お互い意地を張っているわけにもいかない。
そんなことを思いながら眠った。

翌朝、夫は私が起きる前に仕事へ行った。
朝は、顔を合わせないまま。
起きてからも、ずっとモヤモヤしていた。

昨日のことを考えても、やっぱりこのままではよくない。
帰ってきてから話そうと思っても、子どもたちもいる。
落ち着いて話せる気がしなかった。


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翌日、私は夫に改めて自分の気持ちを伝えました。
そして返ってきたのは、私がまったく想像していなかった内容でした。

「軽蔑されている」と思っていた私が、その言葉を聞いてどう感じたのか。
実は今回のことは、これまでにも何度か感じていた「仕事を否定される」という気持ちにもつながっていました。

夫婦だからこそ、全部分かり合うのは難しい。
でも、相手の言葉の奥にある気持ちを知ることで、見え方が変わることもある。
ここからは、そんな夫婦のすれ違いと、その後の我が家のことを書いています。

よかったら気になる方だけ覗いていってください☺️


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