アラフィフ|息子の初バイトと、白雪姫が“人だった日”
大学1年生の息子が、5月からバイトを始めた。
バイト禁止の高校だったので、人生初バイトだ。
チェーンのファミレスで、ホールの仕事。
初めての接客。
きっとお客さんに怒られながら、必死に体で覚えていくんだろう。
…と思っていたら。
とてもホワイトで、驚いた。
そのお店は客単価が高めで、年齢層の高いお客様が多く、求められる接客レベルが高いらしい。
さらに最近は、キツいとすぐに辞めてしまう若者も多いから、お客様の前に出す前にしっかり教育する方針なのだとか。
まず、担当の教育係がつく。
息子の担当は、私より少し年上のおばちゃん。
面倒見がよくて、丁寧に教えてくれるらしい。
バイトに行き始めてから最初の数回は、
挨拶の仕方、お茶の出し方、メニューの説明、お皿の下げ方…。
ひとつひとつ研修を受けて帰ってきた。
そして前回、初めて4時間ほど働いた。
「緊張したけど、バタバタであっという間だった。疲れたー。でも楽しかった。…けど、キツい」
と、息子。
今週は教育係のおばちゃんがお休みで、息子もバイトに入れない。
担当とセットでないと、お店には出られないらしい。
こんなバイト、ちょっと信じられない。
自分や娘のバイトでは、こんなに丁寧なところはなかった気がする。
ファミレスで働いたことがないから、私が知らないだけなのだろうか。
ちゃんとした研修やマニュアルがあると、「人を育てよう」という意気込みを感じる。
でもきっと、余裕のあるお店にしかできないことなのだろう。
そういえば私も大学生の頃、しっかり研修を受けたバイトがあった。
ディズニーランドだ。
もうおぼろげな記憶だけれど、何週間か研修所に通い、ディズニーの歴史や接客をみっちり学んだ。
ディズニースマイルの練習。
OJTを受け、テストに合格しないと現場には出られない。
スマホなんてなかった時代。
ロッカーの場所やバス停ごとの行き先、終バスの時間まで、全部暗記した。
ある日、パレードに出ている白雪姫と王子様が、衣装のまま裏でキスしているのを見てしまったことがある。
当たり前だけれど——
あぁ、ちゃんと人なんだ、と思った。
働くということは、こういう「裏側」を知ることなのだと思った。
息子のバイトは、正直あまり稼げない。
早くお金を貯めたい人には向いていないと思う。
でも、息子にはとてもいい環境だ。
お金をいただきながら、接客や社会人としての基本を学ばせてもらえる。
家で「いらっしゃいませ!」と挨拶の練習をしていた。
ハキハキとして、なかなか好青年風ではないか。(←親バカです)
敬語はまだ少し、たどたどしいけれど。
引っ込み思案で、緊張しぃだった息子が、少しずつ社会に出ていく。
お客さまでは知り得なかった、違った目線の世界を知っていく。
あのときの白雪姫のように——
おばちゃん、ご迷惑をおかけしますが——
うちの息子、よろしくお願いします🌿
