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「明日には、夢叶う」

私は割と、「推し」を「推し続ける」タイプの人間である。
幼少期に親が車でかけていて、子守歌のように聞いていたことから好きになった加山雄三は大人になってからもコンサートに足を運び、今も敬愛している。
人生で初めてCDを買いライブに行った安室ちゃんは引退してもなお崇拝し続けているし、中学生の頃から大好きなL'Arc~en~Cielは20年経った今でも大好きで追いかけ続けている。

こんな感じで特定のアーティストの曲をひたすら聴き続けるので、あまり冒険しないし、もうずっと長く新しく好きになったアーティストというものもない。

だけど人生の中で、1番私を支えてくれていた音楽ってなんだろうと考えた時に思い浮かぶのは、高校生の時、そのアルバムだけを聞きまくったMONGOL800『MESSAGE』である。


MONGOL800は1998年にデビューしたロックバンドで、『MESSAGE』は2001年に発売されたインディーズアルバムである。
当時CMソングにもなったりして爆流行りしていたが、その後もあらゆるアーティストにカバーされ続けているため、現在小学生の我が子もよく歌っていて懐かしく嬉しい気持ちになる。


高校生の頃、私は「広場恐怖」と呼ばれる症状に悩まされていた。
身動きが取れない場所が、怖い。
教室に入れない。
電車に乗れない。

当時通っていた学校は遠方で、家から電車で2時間近くかかる。
電車に乗らなければ当然学校には行けないのだけれど、乗っている間中動悸がして、冷汗が出て、立っていられないくらい不安で、何度も途中下車したり、引き返したりしていた。

いつも祈るような気持ちで電車に乗るものの、あらゆる五感が電車の恐怖に呑み込まれてしまう。
そこでいつも、車内では音楽を聴いて、そちらに意識を向けるようにしていた。
(そう、今は亡きMDウォークマンでね!!!)

いろいろ聴いてみたけど、静かなバラードだったりすると、私の意識は電車へ引き戻されてしまう。

そんな中で、一番、音楽に集中できたのが、もんぱちの『MESSAGE』だった。
私は普段あまりこういうパンクロックな感じの曲は聴かないのだけれど、もんぱちのラウドでまっすぐな曲は、私を電車の恐怖から遠ざけてくれていた。

中でも大好きだったのが、13曲目に収録されている『夢叶う』という曲だ。
当時、電車や教室が怖くて、あまり学校にいけなくなり、不登校状態だった私は人生に大きな挫折を感じていた。

そんな私に突き刺さったのが『夢叶う』の歌詞だ。

自分を責めないで 劣等感に怯えないで
あなたには あなただけの大切な意味がある
重ねゆく歴史は思い出 人は日々生まれ変わる
僕等はどこかで間違った 下手くそな生き方を学んだ
人として生きる意味
明日には夢叶う いい風が吹く
人として生きるため 大切な何かを忘れてる
小さな頃描いた夢は 今でも消えず心の奥
夢追う事 忘れたあなたを いつまでも優しく待ってる

MONGOL800   
『夢叶う』

こうしたかった、ああしたかった。
そんな夢が全部消えてしまって、将来も閉ざされた気持ちになり、この先自分はどうなっていくんだろうと不安で仕方なかった。

だけど、「明日には、夢叶う」と力強く歌いかけるもんぱちの声が、
「きっといつか、元に戻れるんだ」と勇気づけてくれた。

「自分は何かを成す!」みたいな思春期ならではの暑苦しい気持ちは崩れかかって、自暴自棄になっていたけど、そんな気持ちをまっすぐに支えてもらっているような気持ちになった。

自分に言い聞かせるようにこの曲を聴きながら、私は当時電車に乗っていた。

『MESSAGE』には、その他にも沖縄から平和や日常の幸せを歌うメッセージのこもった曲がたくさん収録されていて、どの曲も本当に大好きだった。
(『夢叶う』も平和へのメッセージがたくさん詰まった曲である)

そんな辛かった高校時代を支えてくれた恩人のようなもんぱち。
以降追う事はなく、詳しく知っているのはこのアルバムだけなんだけど、今公式で調べてみたら、もんぱちは敬愛する加山雄三に楽曲提供しているし、崇拝する安室ちゃんの『TRY ME~私を信じて~』をカバーしているし、そういえば何年か前に大好きなL'ArcのHYDEさんの開催するフェスにも出演してくれていたし、私の推したちともつながっているじゃない!!!

運命感じる!!!


改めて、もんぱちいろいろ聴いてみたいと思います。


この記事は今日在住のエッセイスト・ライターの江角悠子さんが主宰するオンラインサロン、『京都暮らしの編集室』のnoteチャレンジ企画に参加しています。

この企画では、月替わりのテーマで偏愛を語ります。
今回のテーマは『音楽』(言葉にできない気分を救ってくれる音。いつもそばにあった音楽など)でした。

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