最強のダート馬、ロードアヴニール。 働きアリは考える。今日も考える。あの日の光景を、夢見たあの日を。
競馬には夢がある
ロマンがある
その言葉を、体現して魅せてくれた競走馬がいる。
その名は、ロードアヴニール
父はドゥラメンテ
母はヴィーヴル(母の父ディープインパクト)
超良血馬といわれた馬だ。
私は3年程前に1年位、競馬をやっていた時期がある。
今はほとんどやらなくなってしまったが、その時に出来た推し馬のレースだけは、今でもたまに買っている。
競馬を始めたばかりの頃に、私は忘れられないレースに出会った。
2023年11月11日 京都6R 3歳以上1勝クラス(ダート1800)
これは私の中で、生涯無二の伝説のレースだ。
動画を貼り付けてもいいのだが、こういう動画をnoteに貼り付けて良いものか、規約的によくわからなかった。
この記事を読んでくれている人がいるなら、YouTubeでこのレースの動画を見て頂けないだろうか。(ロードアヴニールと検索すると出てきます、レース名や日付では出てきにくいです。)
ピンクの帽子を被ったジョッキーの乗る10番のゼッケンをつけた馬がロードアヴニールだ。
レース開始24秒、第一コーナーでロードアヴニールの前を走っていた馬が落馬してしまう。
その落馬した馬を避ける為、ロードアヴニールは外に大きく逸れてしまった。
普通ならここまで外に逸れてしまったら、もうレースにまともに復帰する事は出来ない。
会場にいる全員、乗っているジョッキー、解説者も全員が諦めただろう。
私も「これは絶対無理」
こう思ってしまっていた。
だが、ロードアヴニールだけは諦めていなかった。
周りの誰もが諦めても、自分だけは自分の事を諦めない。これを私に教えてくれた。
ロードアヴニール「おいおい、この程度の事で慌てるなよ。レースはまだ始まったばかりだぞ」
私には、こう言っているように見えた。
その絶望的な状況から少しずつ立て直し、画面から切れてしまうような最後尾の最後尾のような位置からもう一度走る。
少しずつ追い上げる
第二コーナーでは、まだ最後尾から相当離されてしまっている。
少しずつ追い上げる
第三コーナーで、ようやく馬群の最後尾になんとか追いつく。
第四コーナーで、最後尾の馬を外からかわす。
ラストの直線、まだ後ろから3番目の位置。
先頭の馬とは10馬身以上離れてしまっている。
普通なら、ここまで走れば十分だろう。
「よく走ったね、今回はついてなかったから次頑張ればいいよ。怪我しないで良かったよ」
普通はこう言われるのだ。
普通は、だ。
だが、この馬はここから伝説といわれる末脚を魅せる。
とんでもない不利を受けながらも、どんどん加速していく。
普通は足が止まるはずなのに、まだまだ加速していく。
絶対届かないと言われる10馬身以上の差を詰めていく。
前を走る馬が5頭、4頭、3頭、どんどん減っていく。
残り1頭、それでもまだ前の馬とは4馬身は離れている。
追い上げる。
まだ加速していく。
・・・
追い抜いてしまった・・・。
最後の馬を追い抜いてしまったのだ。
そしてゴール。
まさに「豪脚一閃」
ゴールラインを超える頃には、ロードアヴニールは後ろにいる2着の馬に一馬身程の差をつけて勝ってしまっていた。
そのレースを画面で見ていた私は、唖然とした。
実況もみんな驚いていた。
私は伝説となるレースを目にしたのだ。
このレースがきっかけで、ロードアヴニールは「令和のオルフェーブル」と言われるようになった。
それからロードアヴニールは私の推し馬になる。
次のレース
豊中特別(2勝クラス) 1着
その次のレース
招福ステークス(3勝クラス) 1着
2勝クラスも3勝クラスも勝った。
私は、必ず馬券を買っていた。
自分の好きな推し馬が勝ってくれるというのは、こうも嬉しいものなのか。
他のレースは当たらなくても、推し馬が勝ってくれれば嬉しい。
それからの3レース
マーキュリーC(JpnⅢ) 3着
大阪スポーツ杯(OP) 3着
みやこステークス(GⅢ) 3着
惜しいレースではあったが、3着が続いた。
だがロードアヴニールの実力は、こんなものではないはずだ。
きっとまたやってくれる。
私は、そう信じて応援し続けた。
そしてデビューから10戦目
2024年12月08日 中山10R 師走ステークス (ダート1800)
私はこの日、推し馬であるロードアヴニールを見に、中山競馬場へ足を運んでいた。
他のレースがあまりにも当たらな過ぎて、競馬を始めて1年位には、競馬をあまりやらなくなってしまっていた。
だが、この推し馬だけは見たかった。
この馬は絶対にすごい馬になる。
いずれ全てのG1のレースを制覇する馬になる。
この日、他のレースは1レースもやらなかったが、ロードアヴニールを観て買う為だけに、私は中山競馬場にいたのだ。
この画像は、私がその日自分のスマホで撮った写真だ。

私「なんかこっち見てくれてる。カメラ目線みたいになってる!」
お気に入りの写真が撮れて、私は喜んでいた。
この写真を撮る為に、競馬場へきたのだ。
私には夢がある。
自分の推し馬がG1のレースを勝って、その馬のグッズを沢山買い、部屋にいっぱい飾る事だ。
ぬいぐるみもいっぱい欲しい。
(基本的に競馬はG1のレースを勝つか、他の事で人気が出ない限りぬいぐるみやグッズはあまり出ない)
この馬なら、いつか私の夢を叶えてくれる。
レースの結果は、無事1着。
圧勝とはいかなかったが、最後刺し切って勝ってくれた。
私はウキウキの気分でメインレースをやらずに中山競馬場を後にした(メインは11R)
次のレースはいつだろう。
ようやくG2かG1のレースに出てくれるのかな。
そんな事を考えながら帰り道についた。
だが、ロードアヴニールのレースはこれが最後になった。
このレースの直後、左足に屈腱炎が見つかる。(治るのが難しいと言われる競走馬の怪我)
3着が続いていたり、力を出し切れないレースが続いていたがこれが原因だったのだろう。
その状態でこれだけの結果を出すという事は、やはりこの馬は怪物だったのだ。
そして1年3か月の長いリハビリが始まる。
私は1年3か月の間、ずっとロードアヴニールの復帰を夢見ながら待っていた。
ロードアヴニール以外のダートの推し馬は1頭も出来なかった。
復帰したらすぐに会いにいこう。
毎日のようにロードアヴニールの状況、復帰の様子を掲示板で見ていた。
治る見込みがなければ、リハビリは受けさせてもらえないはずだ。
絶対に治る。
きっと、また元気に走る姿を見せてくれる。
勝てなくなっても、元気に走ってくれる姿が見れれば、それでいいと思った。
それほど怪我からの完全な復帰は難しいのだ。
強い運動能力があっても、身体がついてこれないのだろう。
この事に、私は勝手に自分を重ねていた。
私は中学校の3年間で、異常に身体能力が伸びた時期があった。
中学一年と二年の時は足は鈍足、部活で卓球をやっていたが地区大会でも2.3回戦負け。レギュラーでもなかった。
だが、なぜか三年になった時に異様に身体能力が伸びたのだ。
鈍足だった私が、体育祭の対抗リレーで1番手を走ったり、卓球の大会で個人優勝するようになった。
自分でもよくわからなかった。
特にトレーニングも何もしていない。
普通に食べて、寝てるだけだ。
何故、こうなっているのか。
これだけ聞けば、自慢話に聞こえるかもしれない。
だが、その後がマズかった。
常に体の何処かを痛めるようになってしまって、全力で動けなくなる事が増えた。あんなに打ち込んでいた部活も辞めてしまい、それ以来全力でスポーツをやった事はない。
全力で動きたい・・・。
この思いはずっと心の中にあった。
ちなみにこの経験が、私が理学療法士を志した理由でもある。(卒業はしていない)この話はいずれ何処かで。
競走馬にとって1年3カ月というのは、あまりにも長い。
種牡馬になる馬は3年4年で現役を引退してしまう馬も多い中、1年以上走れないというのはあまりにも酷だ。
それでもロードアヴニールはリハビリを懸命に頑張った。
私も1年3か月の間ずっと待っていた。
2026年1月ようやくロードアヴニールの復帰レースが決まった。
1月半ばのオープン戦だ。
私は喜びに打ち震えた・・・。
これでようやく全力で応援できる。これからはどこの競馬場でも追いかけて応援しにいこう。
凱旋門を走るならフランスへ、メイダン競馬場ならドバイへ
とても楽しみだった。
ずっと夢見て、我慢してた事がようやくできるのだ。
だが、その夢も儚く散る。
ロードアヴニールの復帰戦、1週間前に反対側の足に屈腱炎が見つかる。
そのままロードアヴニールは、引退する事になった。
このニュースを見た直後、私はしばらく動けなかった。
目を閉じて空を仰いでいた。
この世には神も仏もいないのか。
なぜ1レースも走れずに、反対の足に屈腱炎が出てしまうのか。
何の為のリハビリだったのか。
なぁ・・・神様よ
一生懸命頑張ったヤツに、この仕打ちはあまりにも酷じゃないか
私は悲しくなった。
大事な話がある。
皆様も競走馬の闇というものは、聞いた事があると思う。
競走馬として生まれ、レースで結果を残せなかった馬の末路だ。
これについて、ここでは長々とは書かない。
私が望む事は、ロードアヴニールに何処でもいいから生きていて欲しいという事だけだ。
乗馬でもいい。
観光牧場でも何処でもいい。
ただ生きていて欲しい。
これが私が望む事だ。
観光牧場にいるなら、日本のどこへでも会いに行こう。
乗馬の馬になるなら、乗馬のトレーニングが終わったらすぐに乗りに、会いにいこう。
今度はお金なんか関係ない。
着順も、馬券の組み合わせも関係ない。
ただ、君に会いたいから会いにいく。
何か美味しい物でも持って、君に会いに行くよ。
競走馬を引退しても、君は俺の推し馬なのだから。

私が推しには全力で推したほうが良いよ、と周りの人に言うのは後悔してほしくないからだ。
いつ、最後になるのかわからないのだ。
私はこの写真を撮りに中山競馬場に行けて、最後のレースを直接見れて本当に良かったと思う。
競馬には夢がある。
ロマンがある。
それを私に教えてくれてありがとう。
働きアリは考える。
今日も考える。
最強の競走馬、ロードアヴニールの事を。
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