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インスリンを黙らせたら痩せた!?5段階ファスティングで起きた体の変化

夜、子どもたちを寝かしつけた後、リビングでスマホを見ながら、気づいたらお菓子の袋を開けていました。

「さっき晩ご飯食べたばかりなのに」と自分でツッコミを入れながらも、手は止まりません。

妻に「またお菓子?」と笑われて、返す言葉もありませんでした。

お腹がすいているわけでもないのに、なぜか口が寂しくて何かを食べてしまう。
そんな夜、心当たりのある方は少なくないのではないでしょうか?

実はこの「食べても食べても満たされない」感覚、意志の弱さのせいではなく、体の中のホルモンバランスが関係している可能性があります。

今回は、そのホルモンの仕組みと、それを整えるための「ファスティング」という方法について、無理なく取り入れられる5段階のステップも含めてご紹介します。

この記事で分かること

  • なぜ「食べているのにお腹がすく」という状態が起きるのか

  • 太りやすくなる体の仕組みとインスリンの関係

  • 空腹感を感じにくくなる体の変化とその理由

  • 無理なく始められる5段階のファスティング方法

参考:インスリンと血糖コントロールに関する医学的知見
グレリン(食欲増進ホルモン)に関する研究
ケトーシス・ファットアダプションに関する栄養学的知見


「食べているのに痩せない」の正体

血糖値の急上昇が引き起こすもの

白米、パン、うどん、パスタ、お菓子、ジュース――こうした精製された炭水化物を口にすると、血糖値が急激に上がります。いわゆる「血糖値スパイク」と呼ばれる状態です。血糖値が急上昇すると、すい臓は「インスリン」というホルモンを大量に分泌するよう命令を受けます。

このインスリン、実はとても働き者で、なおかつ倹約家です。食事から摂ったエネルギーを、すぐに使える「血糖」という形と、将来のために蓄えておく「体脂肪」という形の、二つの財布に振り分けようとします。血糖はいわばお財布の中の現金、体脂肪は銀行預金のようなものだとイメージすると分かりやすいかもしれません。

厄介なのは、インスリンが出ている間は、体は脂肪を「貯金」することに忙しくなり、同時に脂肪を「燃やす」ことができないという点です。エネルギーを蓄えることと燃やすことは、同時には行えない仕組みになっているのです。

食べる回数が多いほど太りやすくなる理由

精製された炭水化物を1日に何度も口にしていると、そのたびにインスリンが分泌され、体は脂肪を蓄えることに追われ続けます。私自身、船に乗っていた頃は決まった時間にしっかり食事を摂る生活でしたが、独立してから自分のペースで働くようになると、気づけば小腹がすくたびに何かをつまむ癖がついていました。振り返ると、あれはまさに「インスリンを1日に何度も呼び出す」生活だったのだと思います。

さらに、インスリンが出すぎる状態が続くと、すい臓の負担が増え、血液中の糖がうまく処理しきれなくなっていきます。これが続くと血糖値が高い状態が慢性化し、将来的な生活習慣病のリスクにもつながることが指摘されています。健康な体を維持するためには、インスリンが分泌される「時間」と「量」を意識的にコントロールすることが重要だと言えそうです。

ファスティングは「断食」ではなく「ホルモンを整えること」

ここで登場するのが「ファスティング」という考え方です。ファスティングは日本語で「断食」と訳されることが多いのですが、単に食べないことが目的ではありません。目的は、食事の量や回数を見直すことで、働き詰めだった内臓を休ませ、ホルモンの働きを正常に戻すことにあります。

ホルモンバランスが整うと、代謝が自然に整い、結果として体重の変化につながることがある——という考え方です。つまり、体重減少はファスティングの「目的」ではなく、体が整った結果としての「副産物」に近いというわけです。

期待できる変化として、以下のようなものが挙げられています。

  • 基礎代謝の維持・向上

  • 血糖コントロールのサポート

  • 食後の眠気やだるさの軽減

  • 間食への欲求が落ち着く感覚

  • 生活リズムが整うことによる睡眠の質の変化

もちろん、これらは体質や生活習慣によって個人差があります。「必ずこうなる」というものではなく、あくまで体の仕組みとして期待されている変化として捉えていただければと思います。

なぜ「食べる量」より「食べる時間」が大事なのか

ダイエットというと、つい「何を食べるか」「どれだけ減らすか」に目が向きがちです。もちろんそれも大切ですが、ホルモンの働きという視点で見ると、実は「いつ食べるか」「食べていない時間をどれだけ確保できるか」も同じくらい重要だと分かります。

食べていない時間が長くなるほど、インスリンが落ち着いている時間も長くなります。インスリンが落ち着いている間だけ、体は蓄えた脂肪を取り崩すことができるためです。逆に言えば、朝から晩までひっきりなしに何かを口にしていると、脂肪を取り崩す時間がほとんど確保できないということになります。忙しい毎日の中では、食事の内容を細かく管理するよりも、「食べる時間帯を区切る」ことのほうが、案外続けやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。

空腹を感じにくくなるという意外な変化

ファスティングと聞くと、「お腹がすいて辛そう」というイメージを持つ方が多いと思います。私も最初はそう思っていました。ところが、ファスティングを続けていると、空腹感そのものが徐々に減っていくと言われています。

空腹を生み出すホルモン「グレリン」

空腹感には「グレリン」という食欲を増進させるホルモンが関わっています。厄介なことに、グレリンは長年の食習慣によって「学習」される性質があります。毎日決まった時間に食事をしていると、体はその時間を覚え、時間になると自動的にグレリンを分泌して「お腹すいたよ」と信号を送ってくるのです。

裏を返せば、食事のタイミングを変えていくことで、この「学習された空腹感」を少しずつ手放していくことができるとも言えます。慣れないうちは、決まっていた食事の時間に空腹を感じやすいものですが、これは体がまだ古いリズムを覚えているだけとも考えられます。

体が「脂肪を燃やすモード」に切り替わる

ファスティングを続けると、体はエネルギー源を血糖から体脂肪へと切り替えていきます。この状態は「ケトーシス」と呼ばれ、この状態がおよそ4週間続くと、体が脂肪をエネルギーとして使うことに慣れていく「ファットアダプション」という変化が起きるとされています。

こうなると、炭水化物への依存が減り、少量の食事でも満腹感を得やすくなるとも言われています。もちろん、ここまでの変化には個人差があり、誰もが同じスピードで進むわけではありません。

無理なく始める5段階ファスティング

いきなり長時間の断食に挑戦する必要はありません。自分の生活に合わせて、無理のない範囲から始めることが継続のコツです。以下は、段階的に取り組むための目安です。

  • レベル1:間食を抜く 3食はしっかり食べつつ、おやつやジュースなどの間食をやめる。食事時間はなるべく1時間以内にまとめ、それ以外の時間は水分をしっかり摂る。

  • レベル2:朝食を抜く いわゆる16時間ファスティングに近い形。朝は水やコーヒー、良質な酵素ドリンクなどで過ごし、昼と夜の食事は決まった時間に摂る。

  • レベル3:朝食と昼食を抜く 忙しくてお昼を食べる時間がない日から試すのがおすすめ。最初は毎日ではなく、1〜2日おきに実践する。夕食はしっかり食べてよいが、就寝の2時間前までに済ませる。

  • レベル4:丸1日食事を抜く レベル3に慣れ、夕食の量も自然に減ってきたら挑戦する段階。水分はしっかり摂り、再開する食事は消化に優しいものから始める。

  • レベル5:丸1日の断食を2回続けて行う かなり高度な段階のため、必ずしも目指す必要はない。挑戦する場合は、専門家の指導のもとで慎重に行うことが望ましい。

大切なのは、無理に次のレベルへ進もうとしないことです。今のレベルにまだ余裕がなかったり、十分に効果を感じていたりするなら、そのレベルを維持するだけで十分だと言えます。

実践するときに気をつけたいこと

ファスティングを行ううえで共通して大切なのが、水分補給です。食事を摂らない時間帯も、水やお茶などカロリーのない水分はしっかり摂るようにしましょう。

また、空腹や栄養不足が不安なときは、無理に我慢するのではなく、栄養素を補える飲み物などを時間と回数を決めて取り入れるという選択肢もあります。だらだらと摂取するのではなく、メリハリをつけることがポイントです。

そして何より、体調と相談しながら進めることです。焦って無理をすると、かえってホルモンバランスを崩したり、代謝が落ちてしまったりする可能性も指摘されています。3人の子どもたちの世話をしながら仕事もする生活の中で、私自身も「今日はレベル1で十分」と割り切る日があります。それでいいのだと思います。

また、体調に不安がある方や、持病で通院・服薬中の方は、自己判断で長時間のファスティングを行うのではなく、事前にかかりつけの医師に相談することをおすすめします。特にレベル4以降は、栄養状態や体への負担も大きくなるため、体調の変化に敏感になっておくことが大切です。無理をしてまで続けるものではなく、あくまで「自分の体と対話しながら」取り組むことが、長く続けるための一番のコツだと感じています。

まとめ

「食べているのに痩せない」「お腹がすいていないのに食べてしまう」——そんな悩みの背景には、インスリンをはじめとしたホルモンバランスが関係していることがあります。ファスティングは単なる我慢のダイエットではなく、食事の量や回数を見直すことでホルモンの働きを整え、体本来のリズムを取り戻すためのアプローチです。

いきなり高いレベルを目指す必要はありません。まずは間食をやめることから、自分のペースで少しずつ試してみてはいかがでしょうか。

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