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届かなかった言葉の行き先 〜 「ジュリアン」 プリンセス・プリンセス

「好きだったけれど、うまく思いを伝えられなかったあの人に、このうたを贈る」

ジュリアンの歌詞より

この曲の歌詞に綴られたこの一節

誰もが同じような経験があるかもしれない。このフレーズには、誰もが一度は通り過ぎる「あの時代」の、言葉にならなかった感情がぎゅっと凝縮されている。

若い日の恋はいつも言葉が足りないか、あるいは過剰すぎるかのどちらかであることが常で。伝えたいことは山ほどあるのに、いざ本人を前にすると、喉の奥で言葉が固まってしまう。

結局、何でもない世間話や、下手な冗談でその場を濁してしまった経験は、誰の記憶にも淡い影を落としている。

「うまく伝えられなかった」という後悔は、時間が経つにつれて形を変えていく。当時はただ苦しくて、自分の不器用さを呪ったものだが、大人になった今では、その「言えなかった事実」こそが、若者特有の純粋さの証だったようにも思える。相手を大切に想うあまり、壊してしまうことを恐れて飲み込んだ言葉たち。それらは消えてなくなったわけではなく、心の中に静かに堆積し、今の自分を形作る一部になっている。

音楽は、そんな我々の「行き場を失った想い」を救い上げてくれる装置。

自分が言いたかったけれど言えなかった言葉を、誰かが美しいメロディに乗せて歌ってくれる。その瞬間、あの感情は浄化されるのだろう。

この歌は、かつて伝えられなかった想いを抱えたすべての人への、遅れて届いたラブレターなのかもしれない。


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