【実話】🌸「おたすけ婆さん」の不思議④転換の時。
「申し訳ありませんが、この子はもちません。」
医者の無情な言葉に、
トシの視界は暗転する。。。。
~前話の内容~
昭和十五年二月。トシは子宮筋腫と診断され、手術を受けることになった。しかしその時、彼女のおなかにはすでに二か月目の命が宿っていた。
「申し訳ありませんが、この子はもちません。」
医者の無情な言葉に、トシの視界は暗転する。
——どうか、この子だけは助けてください。
祈るような気持ちで手術に臨んだ。
術後、奇跡的におなかの赤ん坊は順調に育ち、昭和十五年十月、元気な産声を上げた。
「当病院設立以来、初めての奇跡だ!」
医者も驚きを隠せなかった。
その子は三男・和雄と名付けられた。
しかし。。。
喜びも束の間だった。。。
和雄が生まれて二か月後の年の瀬。
義父・林造が和雄を負ぶって、火鉢で暖を取っていたところ、火で着物に引火し、大火傷を負ってしまう。
「うわああっ!」
悲鳴に駆けつけたトシは必死に火を消したが、義父の下半身はひどく焼かれていた。
懸命な看病もむなしく
昭和十六年二月一日、五十九歳で息を引き取る。
しかし、
不思議なことに、
義父に負ぶわれていて
火に最も近くにいた和雄は、
一切の火傷を負うことなく無傷だった。。。
昭和十六年、日本は大東亜戦争へと突入。
食糧不足の中、トシの体調は悪化し、肺結核を患い、みるみるうちに衰弱していった。
病院でも見放され
骨と皮ばかりの姿となったトシは、夫・福造に力なく告げる。
「私はもうこれ以上生きられないから……。後妻をもらってください。そして、二人の子供を可愛がってあげて……。」
しかし、その言葉に、普段は温厚な福造が珍しく声を荒げた。
「肺病で血を吐くのは軽いんだ!そんなことで諦めてどうするんだ!」
そう叫ぶと、彼は、当時飾っていた小さな神棚の前に座り、手を合わせ、声を殺して泣いた。
その姿を見た瞬間、トシの胸に熱いものが込み上げる。
——ここで私が死んでしまったら、この人はどれほど悲しむだろう。
——幼い子供たちは、どうなってしまうのか。
——何とか、生きなければ。
その瞬間
トシの脳裏に六年前の出来事が蘇った。
「あなたの家は天理教を切っているから、切られるようなことになったのですよ。」
通院帰り、道端で突然かけられた婦人の言葉。
——天理教を切っているから。。
なぜか、その言葉が胸に響いた。
——そうだ……どこかに、天理教の神様がいるはず。
——参拝してみよう。

そう決意した時から
不思議とトシの体調は快方へと向かい始めた——。
(つづく。。)
🍀プロフィール
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます🍀
すべて御賽銭として神前に御供えさせていただきます。