土に還ろう【詩】
誰かに優しくしたいと
願うほど
秋の風に
落ち葉がひとつ
またひとつ
どこへ行けば
正しいのか
伸ばした手も
重ねた言葉も
いつの間にか
心だけが
置いていかれた
風は
何度でも吹いた
誰かの景色を
きれいにするために
色を残そうとした
ある日
葉は 葉のまま
力をなくして
地面に落ちた
土は
何も聞かなかった
何も
責めなかった
ただ
冷たい身体を
そのまま受け止めた
ああ
落ちるというのは
終わることでは
なかったのだ
眠ることも
立ち止まることも
土の中では
静かな時間になる
だからもう
誰かのためだけに
色づかなくていい
疲れた心ごと
私が私の土になる
何もできない日も
うまくいかない日も
根を張る場所は
ちゃんとここにある
やがて
土の下で
名前のない季節が動き出す
そのときは
誰かの空ではなく
私の空へ
小さな芽を
ひとつ
出せばいい
