ご褒美の時間
会える時間は、いつもご褒美みたいに感じる。
日曜日の夜、23時半。「今から会いたい」と彼から連絡が来たとき、嬉しさと同時に、現実の重さも一気に押し寄せてきた。明日の朝の準備も、やるべきことも残っていて、すぐに動ける状態ではなかった。
一瞬、「無理してでも行くべきだったかな」と思った。でも同時に、「現実的には難しかった」と冷静に判断している自分もいた。そのどちらも、本当の気持ちだった。
だから、丁寧に伝えた。
会いたかったこと、嬉しかったこと、でも動けなかったこと。見ないふりをせず、そのままの温度で言葉にした。
返ってきた彼の言葉は、意外なほど静かだった。
「怒ってないよ。ただ後悔してるだろうなって思ってた。」
その一言で、張りつめていた気持ちが少しほどけた。
そして続けて、彼はこう言った。
「忙しくてなかなか会えないけど、来週〇日はどう?予定しておいてほしい…」
その言葉は、ただの約束ではなく、ちゃんと次を差し出してくれるものだった。
ただ、その日も予定が重なっていてすぐには会えなかった。「その日は先約があって」と伝えながらも、「会いたいから、何とか調整できないか確認している」と正直に返した。
彼は「終わってからでいいよ」と言った。
無理をさせるのではなく、待つことを前提にしたその言葉に、歩幅を合わせようとする優しさを感じた。
私は「当日は喜んで、バタバタします」と返した。整った形じゃなくてもいい。ただ、その時間をちゃんと迎えに行きたかった。
彼も「待ってるよ」と言ってくれた。
昔の自分なら、きっと我慢していたかもしれない。でも今は違う。自分の生活も、相手への気持ちも、どちらも大事にしたいと思える。そう思わせてくれる相手に出会えたことが、静かに嬉しかった。
短い時間でもいい。完璧じゃなくてもいい。ただ、会えたという事実を一緒に噛みしめられることが、何よりの満足になる。
そうやって、少しずつ関係は続いていく。大げさな言葉ではなく、小さな「嬉しい」と「ありがとう」を重ねながら。
