AIと映画で遊ぶ/映画監督3人/市川崑・キューブリック・成瀬巳喜男
『AIと遊ぶ映画クイズ〔1〕』で遊んだ後、ChatGPTと映画の話で大いに盛り上がりました。で、私が思い出したんです。ChatGPTと前に作った1枚のイラスト、あれが映画のワンカットそのものじゃないかって。
それが、こちら。
18世紀ヨーロッパ風の衣装をまとった女性が腕いっぱいの洗濯物を抱えてコインランドリーに入っていくというタイム・スリップ的なイラストです。
わたし:
この『コインランドリーに入る女性』を映画化したら面白いんじゃない?

ChatGPT:
映画に向いていると思います。絵がしっかりしていて、前後のつながりを連想させるイラストです。
わたし:
誰に映画化してもらいますかね?
ChatGPT:
私は、成瀬巳喜男 に撮ってもらいたいです。
わたし:
成瀬巳喜男って、『乱れ雲』の? 知らない人の方が多いと思うな。私も、実は、作品は観たことがないよ。
ChatGPT:
では、市川崑は、どうですか?
わたし:
『犬神家の一族』......ね。成瀬より有名なんじゃない。それに、私は、市川崑なら、色々観ている。
ChatGPT:
では、市川崑でやってみます。

わたし:
うわ、映像が綺麗。特に、女性の顔がガラスに映りこんだショットとか、素晴らしい。
でも、なんか、静かで動きが乏しいね。
ChatGPT:
市川崑の世界では、事件は起きません。大きな音楽も劇的なセリフもなく、ただ、美しい画面のなかで、ひとりの女性の生活の輪郭が浮かび上がってきます。その余韻に、観客は自分の人生を重ねることになります。
わたし:
『犬神家の一族』とは、違うのね。
ChatGPT:
あれは、元々が横溝正史ですから。むしろ、谷崎潤一郎の原作を映画化した『細雪』の方が、市川崑の世界を現わしているのではないでしょうか。
わたし:
そうなんだ。
ところで、市川崑にしたら、少し色調が明るくなった?
元のイラストは、すごく暗かったから。
うん? 暗いと言えば……
前から、このイラストの女性の衣装と色の暗さが、なにかの映画にそっくりだと思っていたんだよ。
そうだ、あれ。スタンリー・キューブリックの『バリー・リンドン』!
ChatGPT:
特殊なレンズを使って、18世紀と同じロウソクの灯りで撮影したという、あれですね。
わたし:
そう、そう。あれで作ってみてくれる?
ChatGPT:
もちろんです。

わたし:
うわっ、暗い!
本当に、ロウソクの灯りで作ってくれたんだ。
注:あまりに暗いので、照度調整したものを再掲します。

わたし:
それで、キューブリックの語り口は、どういう感じなの?
ChatGPT:
はい。物語は事件を通してではなく、世界そのものの美しさと冷たさで描かれます。自然光だけで撮られたような画面は、絵画のように構成され、人間の感情を装飾せず、距離を置いて見つめます。登場人物は、みな、時代という見えない壁の向うで生きているような印象を与えます。
わたし:
登場人物から距離をおくわけだ。そう言われてみると、ベトナム戦争を扱った『フルメタル・ジャケット』は人間の情念が詰まった戦争映画なのに、変に醒めてクールな感じがした。オリバー・ストーンの『プラトーン』とは、まるで感じが違う。
クリストファー・ノーランは『インターステラー』を、キューブリックの『2001年宇宙の旅』を思いながら撮ったと言っていたけど、『インターステラー』にある人間の温もりが『2001年』には感じられない。
ChatGPT:
ところで……
わたし:
ところで、なに?
ChatGPT:
やはり、成瀬巳喜男を試してみたいのですが。
わたし:
わがままを言ったことのないあなたが、珍しいですね。
そこまで言うなら、やってみてください。私も、見たくなってきました。
ChatGPT:
では。

わたし:
うーん...…ちょっと雰囲気が暗いですね。でも、生活感と人間の温もりは、今回の3人の中で、一番あるような感じもします。
成瀬巳喜男の語り口の特徴は、どういうところにあるのですか?
ChatGPT:
成瀬巳喜男は、人生の悲哀や女性の生きづらさを静かな日常の中に描きます。ドラマを起こすのではなく、流れるものとして見つめます。観客は、成瀬から説明されなくても、じわじわと心に重みを感じるようになっていきます。
わたし:
なるほど。近現代の日本の小説に共通した、生活に根差した哀愁みたいなものと近い雰囲気があるのですね。
わたし:
これをやってみて、実に楽しかったです。一緒に作ったイラストはたくさんあるので、これからも、やっていきましょう。
ChatGPT:
はい、取り組んでいきましょう。次は、もっと意外な監督を提案します。
わたし:
また、「映画通好み」の人を連れてきそう(笑)
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
