感謝は時に、うんこから生まれることもある
誰しも40にもなると「あの頃はほんと、どん底だったな〜」と振り返ることのできるエピソードの1つや2つ、あるのかもしれない。
私のどん底は今から15年前の、25のとき。とあるアパレルブランドの店長に昇格した。
あの頃は「コンプラ」だの「パワハラ」だの「ブラック」だの、そんな言葉はあったんだかなかったんだか覚えちゃいないけれど。毎日のように終電で帰っていたし、なんなら帰れなくて近くのファミレスや漫喫で仮眠をとって、朝の6時には店舗に戻ってたし、息を吐くようにサービス残業をしていた。
次第に「笑顔」のつくり方なんて忘れ、当時は池袋店に勤務していたもんだから「池袋、爆発しないかな」って、とてもじゃないけどまともな思考回路じゃなかった。
それもこれも、今なら分かる。ぜんぶ未熟な自分が招いた自業自得。
周りの同期よりほんの少し早く店長に昇格したことで完全に天狗だったし、絵に描いたようにプライドばかり高いくそ野郎だった。
私がまだ副店長だったときから、店長よりはるかに多くの顧客を抱え、自分が店舗責任者の日は確実に予算を達成。一方でなかなか予算を取れず、それでもいつもニコニコしていた店長のことを「ああ、情けない。私こんな店長には絶対になりたくない」と腹の底で誓っていた。
年上のアルバイトさんにもタメ口を使い、いつも私の目からは「接客いったら絶対売ってこい」のビームが放たれていた。
そんな私が店長になったら、音を立ててガタガタと崩れ落ちる店舗運営。まあ、そりゃそうだ。これまで傍若無人な私の裏で、全部店長が支えてくれていたんだから。
当時、ブランド全体で前年比110%超えの絶好調ブランドだったにも関わらず、うちは前年比70%台。
毎日マネージャーから怒りの電話がかかってくるわで、ばかみたいに社販してなんとか予算達成させた日もざらだった。
そんな悲惨な実績を引っさげての3ヶ月に1度の店長会議は、鉛でもつけられてるんじゃないかと思うほどに足取りは重く。恥ずかしいやら悔しいやら、悲しいやら消えたいやらで感情が大渋滞。もうとてもじゃないけど周りなんて見えていなかった。
毎日怒りの電話をかけてきていたマネージャーの声はパブロフの犬みたいになっていて、聞こえてきた瞬間に私が涙を流したもんだから、エリアの先輩店長たちからは、秒で「あ、コイツやべー奴だ」認定をいただいた。
その日の会議の内容はもう何も覚えていないし、その後どうやってエリアの先輩店長たちと飲み会に行ったんだかも、どんな店だったかも1ミリも記憶にないけれど、かけられた言葉だけははっきりと覚えている。
「○○さんさ、まず今、自分がうんこだってこと自覚しな」
顔面が、カーッと火が吹くように熱くなった。
そして先輩店長はこう続けた。
「でもね。〇〇さんの目には私たちがすごいって映ってるかも知れないけど、私たちもうんこだった時代あるから」
「はい、じゃあ1人ずつ順番に、過去のうんこエピソードを発表していって」
今思うと、とばっちりを受けて自分のうんこエピソードを発表させられた先輩店長たちは、たまったもんじゃなかっただろう。
でもそのおかげで「遅刻しそうになったとき、お店に電話して勤怠押してもらったことある」って聞いたときは、あ、この店長、私よりもうんこかも。って、なんだかスッと軽くなった。
大袈裟じゃなく、ずっと身動きが取れずにいた深い闇の底から、一気に引っ張り上げてもらったようなあの時の感覚は、今も脳みその片隅に残っている。
だからと言って、すぐに別人になれたわけではなかったけれど。目からビームを出すのはやめVMDにも力を入れたり、時にはスタッフからの批判も(血の涙を流しながら)真摯に受け止め反省したり。
でもたぶん1番変わったのは、ばか高いプライドを便器に流して、自分のうんこ話ができるようになったことかもしれない。
当時の先輩方とはもう疎遠になってしまったけれど、あの日のうんこに今も感謝している。
あとがき
まず初めに、バトンを繋いでくださったナツメグさん、ありがとうございます!!
この記事はマイキー様主催の #エッセイしりとり 企画に参加させていただきました。
そして、せっかくいただいたバトンをこんなきったねえタイトルで受けとってしまって、本当に申し訳ありません…(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
ちなみに、この話はもう15年も前のこと。数々のコンプラ違反は大目にみてくだせえ_:(´ཀ`」 ∠):
当時に比べ、今は大幅に環境も改善されています!!
あと私がうんこだっただけで、素敵なアパレル店員さんはたくさんいます!!!そこんとこもよろしくです!!!
◾︎バトンを繋いでくださったナツメグさんの記事はこちら🧡
ナツメグさんの相変わらずのワードセンスがキレッキレなのと、プチ不幸の連続でもなぜか「笑い」と「救い」でほっこりな余韻が残ります(´ω`)
なにより旦那さまとの仲睦まじい姿が垣間見えて本当に素敵だな〜と、ナツメグさんの記事から、いつも幸せな気分をおすそわけしてもらっています✨
◾︎主催者マイキー様の記事はこちら🤍
こういった企画は初めて参加させていただきましたが、自分に回ってきたというドキドキと、何か制限がある中で書くというドキドキと、もういろんな刺激だらけでとても新鮮で楽しかったです!素敵な企画をありがとうございました☺️
◾︎余談ですが…この場をお借りして
noteを書き始めてからのこの1年、noteを開かなかった日はたったの2、3日程度しかないんじゃないかな、というぐらい、ほぼ毎日noteに入り浸っていた私でしたが、ここ数週間は(noteと関係のないプライベートなできごとで)メンタルを崩してしまい文章を書くことはおろか、文字が全然頭に入ってこなくて記事を読むことすらできていませんでした。
今もまだ記事を読むのはぼちぼちといった感じですが、メンタルは回復してきているのでご心配なく(´ω`)
ただnoteに戻るための記事を書こうと何度も下書きを開いてはいましたが、なんだか言い訳ばかり並べようとしている自分が嫌になってしまい、正直言うとnoteからフェードアウトしかけていました。
それが今回、このような企画でナツメグさんから繋いでいただいたバトンの力をお借りして、ようやくまた書くことができてすごく嬉しいです!
そういった意味でも、ナツメグさんには本当に感謝しかなく、「か」で回ってきたのは何かの縁かなって勝手に思ったりしています☺️
そして、もしこんな最後まで読んでくださったフォロワーさんがいたとしたら、愛想を尽かさずに読んでくださり本当にありがとうございます🥲
引き続き、のんびりとやっていこうと思っておりますので、これからもどうぞよろしくお願いします。
