掌編小説「カラーワールド」
「んー……ここは?……」
気がつくと一面真っ白な世界にいた。
「あれ?……何だっけ?
俺確か……」
「あー、いらっしゃい。
入居者さんですね?」
「えっ?誰っ!」
「ん?私?私は女神です。
すごいでしょ?
光栄でしょ?
崇めたいでしょ?」
(なんか主張強いな。)
「いや、別に崇めたくはないけども……
あの、ここどこですか?」
「あー、ここ?
ここはカラーワールドです!」
「カラーワールド?
何かの施設ですか?」
「ううん。
施設じゃないわよ。
カラーワールド。
そうねー。異世界って言えばわかるかな?
あっ……わかるです?」
「あー……敬語苦手なら普通に話してもらっていいですよ。
なんか腹立つし。」
「ほんと?
良かったー、話しづらくてちょっとイライラしてたのよね。
あ、座っていい?
いいわよね?
よいしょっと。」
そう言うと女神は真っ白な地面であぐらをかいた。
「ちょっと、あんたも座りなさいよ。
なに?見下してんの?
それとも谷間見てんの?
拝観料とるわよ?」
「み、見てない見てない!
じゃ、じゃあ、座ります。
よいしょ。」
「で、あんた何しに来たんだっけ?」
「いや、それはこちらが聞きたいのですが。
俺なんでここに居るんですか?」
「あー、そっか。
ここの説明してる途中だったわね。
ここは、カラーワールドです!
ようこそカラーワールドへ!」
「いや、そこはさっきやった!
何?NPC?女神のNPCなの?」
「あ、そうだっけ?
ちょっと待って、メモ読むから。」
女神はスカートのポケットからくしゃくしゃのメモを取り出した。
「えーっと、あー、そっか次はこれ説明するのか。
えー、カラーワールドへようこそ!! と言いたいところですが……
ここで深呼吸……」
「ここで深呼吸?……」
「ん?……なんて読むんだっけこれ?
まあいいか。
つまり、要約するとカラーワールドにあんたは飛んできたってことね。」
「ちょちょ、それさっきと同じこと言ってるだけ!!
ちょっと貸してそれ!」
「ん?いいわよ。
あんたも多分読めないわよ?」
女神からメモを受け取ると、
所々、茶色いシミが付いていた。
「わっ、汚っ!
なんか色々汁ついてんじゃん。
別の意味で読みにくいわ!」
「ちょっと!
汚いとか言わないでよ!
別にあたしがつけたんじゃないんだから。
色々あって汚れたの。」
「色々ねー……えーと。」
”馬鹿でもわかる女神用カンペ!
入居者さんですね!
カラーワールドへようこそ!! と言いたいところですが……(深呼吸)
こちらの世界ただいま大工さんがいなくて……
平たく言えば何もないんです。
カライムちゃんたちだけはいるんですけどね。(人懐っこい笑顔)
あのー、すみませんがカライムちゃんたちから色を分けてもらって
色々と物を作って世界を彩ってくれませんか?(うるうるの目)”
「ひどいなこのカンペ……
で、なんで俺が大工みたいな事しないといけないわけ?」
「何でって、あんたがここに住むからでしょ?
別にこのままでいいならそれでもいいけど、
でも、あとから来た新規の住人に
"お前今まで何してたんだー"って言わーー」
「ん?ちょっと待って?
なんで住むの?
俺やる事あるから帰るよ?
てか、帰せよ!」
「帰るって、どこに?」
「元の世界だよ!」
「いいけど、何もできないわよ?」
「どういうこと?」
「だって、あんた死んでるもん。」
「は?いやいやいや。
し、死んでないよ!?」
「いや、死んでるわよ?
確か……あ、これこれ、はい。」
女神が写真を渡してきた。
「なにこれ?」
「あんたの死体の写真。
どう?」
「どうって。
なんにも写ってないんだけど?
真っ白だけど?
"裏に圧迫死!"とだけ書いてあるけど。
もしかして舐めてる?」
「あれー?ホントだ。
なんでだろこれ?
まぁ、いいか。」
「いや、良くない良くない!!
納得できるわけ無いだろ!」
「もー、めんどくさいな。
納得しないとカライムにするわよ。」
「な、何だよそれ……
脅しかよ……てか、カライムって何?」
「あー、カライムね。
そういえば、まだ出してなかったわね。
ちょっと待ってて。」
そう言うと女神はスクっと立ち上がった。
「出ておいで~」
その声に反応して、
地面から色んな色のスライムが出てきた。
「うわっ!何だこいつ!」
「カライムよ」
「これが?……」
「どう?かわいいでしょ?」
「うーん、まぁ、ちょっと可愛い気もするけど、目がキモい。
見た目スライムなのに眼球リアルすぎでしょ。
透けてるせいでなおキモい。」
「そこが可愛んじゃない。」
「で、これを使って、どうしろと?」
「んっとね、ここにブロックを置いとくから、
それで家とか作ってほしいわけ。
まぁ、まずはあんたの家ね。
ちょっとブロック出すわね。
エイッ!」
掛け声とともに女神の横に
真っ白な大きなレゴブロックのような物の山が生まれた。
「これ組み合わせて家作ったら、
勝手にくっついていい感じになるから。」
「へぇー便利だな。
おっ……なんかこいつスリスリしてきて可愛いな。」
一匹のカライムがスリスリと体を擦ってきた。
「良かったじゃない。もう打ち解けたのね。
で、このままだと真っ白じゃない?
色とかつけたくなったら、このブロックで……こう!!」
ーーブチャッ!!!
女神がブロックをカライムに投げつけ、
カライムだったものが飛散する。
「ちょっとっっっ!!!!
何やってんの!?
良かったじゃないとか言って、何殺してんの!?
サイコ!?サイコなの!?」
「あー、大丈夫大丈夫。
また他の子と仲良くなればいいわよ。」
「言ってることがサイコの上塗り!」
「大丈夫だって、あの子達これで人間に転生できるから。
あの姿のままのほうが可哀想でしょ?」
「転生?」
「うん、カライムはね、
天国が飽和状態で入れないから、
一時的にあの状態でこの世界に置いてある魂なの。
一気には無理だけど、何匹かなら潰してあげると転生できるの。」
「なるほど……
それでもあれは結構衝撃映像だな……
てか、天国ってなんで飽和状態なの?」
「いっぱい人が死んじゃったからね。」
「へぇ……戦争でもあったの?」
「ううん。違うわよ。
この世界の担当になったけど、
好みじゃないから白い箱で上から潰しちゃったのよ。
テヘッ♡」
「潰……え……?
こわっ……何この女神めっちゃ怖い……
こんな怖いテヘペロ初めて見たわ。
テヘテロじゃん。
それでカライムが一気に潰れて天国が飽和?」
「いや、違うわよ?
カライム潰れたら人に転生するし。
前の住人全部潰しちゃってさー。
神様に怒られちゃったの。
でもさー、人の生成めんどいから、
最後に着てた服の色でカライムにしたの。
ね?カライムにもっと愛着湧いたでしょ?」
「あー、なるほど……
思い出したわ……
あんただったのか。」
「あー……こっちの転生ってもう受け入れ始まってたんだっけ?
あんた、話させるのうまいって言われない?」
女神がスッと片手を上げた。
白い天井がさっきよりも低くなってる気がした。
女神様に聞いてみよー★
Q.女神様。なんで世界は白いの?
A.この世界の担当になったけど、
好みじゃないから白い箱で上から潰したから。
Q.カライムって?
A.住人の生成がめんどいから、
潰れた遺体が着てた服の色で、
造形が簡単なスライムに魔法で変えたものです。
初期化ちゃんとしてないから記憶残ってるけど、
話せないから問題ないよね?
あと、私より美人がいるとか不敬じゃない?
Q.なんで大工さんいないの?
A.一緒に潰れたから。ドジっ子な部分が出ちゃった♪
Q.あの、前にもこんな事あった気がするんですが。
あとがき
もともとゲーム用の企画だったものを短編に落とし込みました。
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あ、もちろん作品も書きます!!
