[ワーママ]20年前に諦めた「やりたい仕事」を、今の会社で叶えた友達
40代で、ずっと事務職をしている友達がいる。
大学を卒業してから、同じ会社で20年近く働いてきた。
結婚して、子どもを産んで、育休から復帰。
請求書を処理して、会議資料を作って、電話を取る。
仕事が嫌いなわけではない。
でも飲みに行くと、たまにこう言っていた。
「私、昔は編集の仕事がしたかったんだよね」
大学時代は雑誌が好きで、出版社の採用試験も受けた。
就職も厳しい時代だったし、浪人する勇気もなく、内定をもらった会社に入った。
そのまま結婚して、子どもができて、
編集者になりたいと言わなくなった。
去年、会社で社内報をリニューアルすることになった。
人手が足りず、彼女も手伝うことになった。
営業一筋30年の社員。
育休から復帰したばかりの女性。
工場で新商品を作っている若手。
話を聞いて文章にしているうちに、
「この話、もっとみんなに知ってほしい」
と思うようになったという。
ある夜、家でも原稿を直していたら、夫に
「仕事でそんな楽しそうなの、珍しいね」
と言われて、気づいたことがある。
人の話を聞いて、
その人自身も気づいていない魅力を見つけて、
誰かに届けることが、
自分は好きだ。
今、彼女は事務の仕事を続けながら、社内広報も担当している。
編集者という肩書きはない。
雑誌も作っていない。
それでも
「20歳の私が見たら、意外と喜ぶと思う」
と言っていた。
若い頃は、夢を、何者になるかで考える。
でも40代になると、
「何をしている自分が好きだったか」のほうが大事なのかもしれない。
20代の彼女は、編集者になれなかったと思っていた。
でも、夢は叶わなかったんじゃない。
叶え方を、ひとつしか知らなかっただけだった。
