「通知表をなくせば、子どもは傷つかない」のだろうか
小学校で広がる「通知表廃止」に賛否…「自分への評価知るべき」「劣等感につながる」(大手小町(読売新聞))
#Yahooニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/72d5d3ed2a61c89e7337ae13a0274ea46570ac39
今日は元々書いていた記事があったのですが、ふとSNSで「小学校で通知表を廃止する動きが広がっている」というニュースを見て、思うところがありましたので、今日はこの話題で書こうと思います。
※今回は持論多めですので、エッセイ的な感じで読んで頂けたらと思いますし、よければ皆さんにも考えて頂くきっかけになればと思います。
さて、通知表廃止の理由は、「良くない評価をされた子どもが、『自分は勉強ができない』と決めつけてしまい、劣等感を抱かないようにするため」だそうです。
このニュースを見て驚きました。
その考え方自体はまだ理解できます。
評価によって自信を失う子がいるのは事実でしょうし、「数字だけで子どもを判断してはいけない」という考えには賛成です。
でも、本当に問題なのは通知表そのものなのでしょうか。
【 通知表は「レッテル」ではなく「現在地」 】
私は通知表には、本来もっと別の役割があると思っています。
それは、「あなたはできない」というレッテルを貼ることではなく、「今どこまでできていて、何が課題なのか」を可視化することです。
苦手な部分が見えれば、「どうしたらできるようになるだろう」と考えることができます。
それは子ども自身もそうですし、教師も同じです。
教師は「この子はできません」と突き放すために評価をつけるのではありません。
「この子が伸びるにはどうしたらいいだろう」
「この教科に興味を持ってもらうには何が必要だろう」
そう考えるための判断材料でもあるはずです。(もちろん、通知表を配布しなくても、教師の中では評価を記録しているのかもしれませんが)
だとすれば、「子どもに伝えないこと」が、本当に子どものためになるのかは考える必要があると思います。
【 傷つくかどうかは、大人の関わり方で変わる 】
通知表が子どもを傷つける。
でも、私は傷つく原因は通知表だけではないと思っています。
評価を受けたあと、大人がどう関わるか。
そこが一番大切なのではないでしょうか。
「ダメだな」「何で出来ないんだ」と言われれば、子どもは自信を失います。
でも、「今はここが苦手なんだね」「じゃあ、一緒にどうすれば伸びるか考えてみよう」
そんな関わり方なら、通知表は前向きなスタートラインになります。
さらに、幼少期から自己肯定感や安心感という「土台」が育っていれば、子どもは失敗や評価を受けても、「じゃあ次はどうしよう」と自分で考えられるようになっていきます。
【 本当に大切なのは、通知表の有無ではない 】
極論を言えば、通知表があっても、なくても構わないのかもしれません。
重要なのは、子どもをどんな環境で育てるのか。ここに尽きると思います。
ただ、私は個人的には通知表はあった方が良いと考えています。
もし十分なフォローもなく、通知表までなくしてしまったら、自分の課題に気づく機会まで失われてしまうかもしれないからです。
私は、「現在の自分の評価と向き合う経験」は、子どものうちから少しずつ積み重ねていくことも必要だと思っています。
もちろん、時には傷つくこともあるでしょう。
でも、その傷を乗り越える経験もまた、成長の一部ではないでしょうか。
【 社会に出れば、評価はなくならないのか 】
社会に出ると、多くの仕事で評価があります。
業種によっては、シビアに成果を求められます。
競争もあります。
「自分の課題と向き合うこと」
「結果を受け止めること」
それらから完全に逃れることはできません。
もし子どもの頃から、
「みんな一等賞」
「苦手なんてない」
「全部個性だから大丈夫」
という世界だけで育ったとしたら…。
社会に出て突然、
「結果を出してください」
「A社に勝ちましょう」
「同僚に負けるな」
「自分の欠点と向き合い、直していこう」
と現実を突きつけられる方が、私はずっと残酷なのではないかと思います。
【 子どもを守ることと、育てることは違う 】
以前、私は「主体性」について記事を書きました。https://note.com/kosuke_hoiku/n/n61087ed925b1
最近は、子どもの意思を何より尊重し、傷つかないように守り、機嫌を損ねないように配慮する風潮を感じることがあります。
それ自体が悪いとは思いませんが、子どもを傷つかない世界だけで育てることが、本当に子どものためなのでしょうか。
社会に出てから初めて現実にぶつかり、そのときになって苦しむのであれば、それは大人の責任でもあるように思います。
それなのに、大人になってから「最近の若者は打たれ弱い」「競争心がない」などと批判するのは、どこか矛盾しているように感じます。
子どもを守ることと、子どもを育てること。
この二つは、似ているようで、決して同じではありません。
通知表をなくすことが、本当に子どもの未来につながるのか。
私はもう少し慎重に考えてもいいのではないかと思いました。
皆さんは、このニュースをどのように受け止めましたか?
