東京で聴いたあいつのあのころの歌
10年ほど前、築地のライブハウス
「ライブやるから観にこいよ」
「えっ! 凄いなぁー」
「何やるの?」
「あの歌」
高校時代の友人から声が掛かる
お互い50歳は過ぎていた
レインボー、バン・ヘイレン、、、
80年台の黄金のヘビメタ
勢揃い
「高校の時からずっと歌ってるやん」
登場早々叫ぶあなた
「OK! All right! アーッハァー」
ロン毛で金髪でウェーブのカツラ
赤のキラキラのマフラー
飛び上がり開脚するも
日頃の運動不足丸わかりの低空飛行
「チクチクするからマフラー取るわな」
「ほんなら、してくるなよぉー」
会場からの総ツッコミ
ヘビィーなライブなのに
関西弁丸出しのお笑い道場
あの頃の昔の通りの
あいつの歌(と笑い)だった
楽しい時間でした
いつもいつも昔からずっと
「楽しさ」、いや「楽しむ」を
あいつから受け取っていました
東京にはライブ活動で
たまに来てましたよね
こっちに来るたびに
ちゃんとやってるんやぁー
頑張って続けてるんやー
楽しいこと、楽しむこと
少し尊敬の眼差しでした
それも50歳過ぎて飽きもせずヘビメタ
(と言えば叱られそう)
好きを求めて追求して
その内側にある興味をもとに探求して
勇気とか自由とか
そういうものも持っていっぱい持って
長く長ーく楽しくずっと続ける
なんか、ちょっと
いや、すごく、羨ましい
と、思ってました
あのときのあの輝いてたあなたは
今でも忘れていません
還暦を過ぎた今でも忘れていません
心にいろんなところに焼き付いてます
ただ、もう今、あなたは、いない
この世にいない
なんでやぁー
あなたの心の真にあった
優しさ、気の良さ、そんなものが
何かに、よくわからないやつに
耐えきれなくなったんでしょう
きっと
なんでやぁー
東京と大阪の距離が
気付きを遅らせたのでしょうか
少しでもあなたの異変に
気づいていたなら
その心をちゃんと受け止めていたなら
なんかしてやれたのに。。。
・・・
それからというもの
そのライブハウスの前を通るたび
あの歌が流れるたび
そのたび思うんです
なにごとも好きを求めて追求して
長く長ーく楽しくずっと続ける
ってこと
失った悲しみよりも
残ったもの、残してくれたもの
その温かさみたいな尊さみたいなもの
「OK! All right! アーッハァー」
あなたのぶんまで楽しく生きよう
あなたのぶんまで長く生きよう
あなたのやっていた続けること
その気持ち、その大切さ、その心
ずっと持っていよう
ずっと持ち続けよう
しっかり生きよう
恥ずかしくないようにと
それがせめてもの償い
そう感じて思って
わたしは私でわたしらしく
たおやかに柔らかく
あらがい続けようと
ありがとう
東京で聴いたあいつのあのころの歌
ありがとう
VAN HALEN - 『Unchained』
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