セカンドキャリア|誰でも作れる。ただし準備は早い方がいい
40代後半を過ぎると、社内の「出世レース」の天井がうっすら見えたり、役職定年の4文字がリアルに脳裏をよぎり始めます。
これまでの延長線上に、自分の本当に生きたい未来がないと気づいた時、私たちは初めて「セカンドキャリア」という言葉と真剣に向き合うのかもしれません。
先日、50代の知人からこんな言葉を聞きました。
「セカンドキャリアって、なんか自分には関係ない気がして。意識高い人がやるものでしょ?」
気持ちはわかります。でも僕は、少し首を振ってこう返しました。
「いや、そんなことないですよ。セカンドキャリアって誰でも作れます。ただ、投資と同じで、準備だけは絶対に早い方がいいですけどね。」
30歳から積み立てる人と、55歳から慌てて始める人では、結果がだいぶ違います。
セカンドキャリアもだいたい同じだと思います。
セカンドキャリアは突然始まらない
セカンドキャリアという言葉から「ある日突然、新しい人生が始まる」そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。
会社を辞めた翌日から急に第二の人生が始まる、みたいな。
でも実際は違う気がしています。
セカンドキャリアはある日突然始まるものではない。多くの場合、10年くらい前から静かに始まっています。気づかないうちに。
ミドルシニアのキャリア相談の仕事をしていた時に
ミドルシニアのキャリア相談の仕事をしていた時に、よく見るパターンがありました。
定年退職が近づいてから次のキャリアを考える人。
あるいは早期退職が決まってから慌てて次を考える人。
もちろん、それからでもセカンドキャリアを作ることは不可能ではありません。
実際にうまくいく人もいます。でも簡単ではない。
そして選択肢はかなり限られてきます。
なぜかというと、
- 準備期間がない。
- 人脈が少ない。
- 新しいスキルを作る時間がない。
からです。
セカンドキャリアも料理と同じで、仕込みがないと突然フルコースは出せない。
セカンドキャリアの良いところ
でもセカンドキャリアにはとても面白いところがあると思います。
それは準備期間と開始タイミングを自分で決められること。
30代から少しずつ準備する。40代から副業を始める。50歳から新しい仕事に挑戦する。60歳から全く別の人生を始める。
こういうことが可能です。つまりスタートラインを自分で引ける。これは、最初のキャリアとは大きく違います。
ファーストキャリアはそうはいかない
最初のキャリア、いわゆるファーストキャリアはどうでしょう。
大学卒業後、多くの人は22歳前後。社会経験ゼロ。仕事の世界のことも会社の仕組みもほとんど分からない。でもその状態で「どの会社に入るか」という大きな判断をしなくてはいけません。
今思うと、かなり無茶な制度だなと思います。
22歳の自分に「この会社で人生の方向性決めてね」と言うのは、例えるなら初めて入ったラーメン屋で人生最高の一杯を選べ、と言われるようなものです。しかもメニューがよく読めない。
当然ですが、判断を間違えることもあります。僕自身もそうでした。
20代は「ちょっと出遅れたかな」と思ったこともあります。
でもセカンドキャリアは違う
20年以上働くと、だんだん分かってきます。
自分が得意なこと。自分が苦手なこと。自分が好きなこと。自分が向いていない環境。
つまり自分の取り扱い説明書。
これを理解した上でキャリアを選ぶことができる。これはかなり大きい。
ファーストキャリアは手探り。セカンドキャリアは経験値ありのゲーム。
RPGでいうと、20代はレベル1で旅に出る感じ。
40代はレベル35で再スタートできる。装備もスキルも増えている。だいぶ戦いやすい。
そして、ここが一番面白いところなのですが、セカンドキャリアは「大逆転」が起こるゲームでもあります。
これまで多くのミドルシニアのキャリアを見てきて、確信していることがあります。
今、誰もが羨むようなピカピカのキャリアを築いているけれど、60歳ギリギリまで何も準備をしなかった人のセカンドキャリア。
一方で、今は決してピカピカとは言えないし、思うようにキャリアを築けていないけれど、コツコツと10年くらいかけてセカンドキャリアの準備をしてきた人のセカンドキャリア。
実際に会社を離れた後、確実に輝いた人生を送っているのは、圧倒的に後者(準備をしてきた人)です。
ファーストキャリアの成績表なんて、二周目の世界では簡単にひっくり返せる。それだけのポテンシャルが、セカンドキャリアの準備にはあります。
セカンドキャリアの形はいろいろある
セカンドキャリアと言っても、必ずしも人生を180度変える必要はありません。むしろ多くの場合、これまでの経験の延長線にあります。
会社員を続けながら、副業を少しずつ大きくする。50代で早期退職し、コンサルや顧問として働く。長年の趣味を活かして、小さなビジネスを始める。海外に移住して、日本と現地をつなぐ仕事をする。
こうして見ると、セカンドキャリアは「人生を作り直す」というより「人生の第二章を書く」という感じに近い気がします。
人生は100年になった
平均寿命は84歳前後。この考え方を広めたロンドン・ビジネススクールの教授リンダ・グラットンはこう言っています。
「人生が長くなると、キャリアは一度では足りない。」
昔の人生は「教育→仕事→引退」という3ステージ。
でも100年人生では「教育→仕事→学び直し→新しい仕事」という複数キャリアの時代になりました。
では、今から何を準備すればいいか
「準備が大事」と言っても、何をすればいいか分からないと動けないですよね。僕が思う準備は大きく3つです。
人脈を作る 今の会社の外に、少しずつ人間関係を広げておく。異業種交流会でも、SNSでも、勉強会でも。セカンドキャリアのチャンスは、多くの場合「人」から来ます。
小さく副業を試す いきなり会社を辞めなくていい。週末に小さな仕事を試してみる。自分のスキルが外でどこまで通用するか、低リスクで確認できます。
新しいスキルを一つ磨く 語学、データ分析、ライティング、コーチング——何でもいい。今の仕事とは少し違うスキルを一つ持っておくと、選択肢が広がります。
40代後半は面白い
こう考えると、40代後半というのは面白いポジションです。若い頃のような勢いはない。でも経験、人脈、視点はかなり増えている。
20代は「何者になるか」を考える時期。
40代後半は「どんな人生にするか」を考える時期なのかもしれません。
セカンドキャリアは誰でも作れる
だから最近こう思っています。セカンドキャリアは特別な人のものではない。誰でも作れる。ただし少しだけ早く準備した人が有利。
かくいう僕自身も、まだ準備段階です。
セカンドキャリアに突入したわけでは全然ない(笑)。
ベトナムへの視察に行ったり、語学を学び直したり、資産運用を考えたり。そんなことをコツコツやっている段階です。
でもそれでいいと思っています。人生が100年あるなら、キャリアも一度では終わらない。むしろここからが二周目です。
あなたの「二周目」の準備、もう始めていますか?
