見出し画像

私が書いたのに、私が知らなかったこと

先週末、書き殴ったA4のメモ十数枚をスキャンして、Gemini Notebookに放り込みました。そして聞いてみたんです。

「私は、何を伝えたがっている?」

返ってきた答えに、私は画面から目が離せなくなりました。

私が書いたのに、私が知らなかったこと


(A4メモ書きというのは、赤羽雄二さんが提唱している、1枚1分で書き殴るあのメモです。詳しくはこちらでご紹介しています。)

Gemini Notebookは、頼まない限りネットを検索しません。読むのは、私が入れた記録だけ。つまり出てくる言葉は、ぜんぶもともと私の中にあったものです。

それなのに、整理されて返ってくると、初めて聞く話みたいに響く。

たとえば、こんな一節がありました。

自分データベースがあると、自分で自分のメンテナンスができるようになる。自分の「弱さのパターン」と「失敗したときの立ち直り方」が分かるから。

書いた覚えは、たしかにあります。でも、こんなにはっきり言い切っていたとは思わなかった。

この10月に、この「自分データベース」の本を出します。企画を通したときは、自分でもまだ言葉にしきれていない感覚がありました。でも、私がこの本を書こうと決めた理由は、この一行にぜんぶ入っていた。自分で書いておいて、AIに教えられたわけです。

冷蔵庫の奥の、まだ火を通していない素材


Gemini Notebookは一枚の絵も描いてくれました。

私のメモ書きを形にしたインフォグラフィック

※図の中で「NotebookLM」とあるのは、Gemini Notebookの以前の名前です。

料理のたとえになっています。私がメモに何度も書いていた「レシピ」という言葉を、そのまま絵にしたものです。言葉でしか説明できなかったことが、絵になると一目で伝わる。ちょっと悔しいくらい、よくできています。

まず、ボウルに素材を放り込む。 感情、出来事、悩み。洗わない、切らない。そのまま入れる。日記のように整える必要はありません。「今日は頭にきた」で一枚。「なんで私だけ」で一枚。それで十分です。これがためる。

次に、鏡に映す。 ボウルの中身をAIに読ませると、「この素材、こう使えますよ」と返ってくる。自分では悩みだと思っていたものが、じつは持ち味だった、ということが起こります。これが映す。

そして、煮て、お皿に盛る。 ばらばらだった素材が、一つの料理になる。人に出せる形になる。これが語れるようになる。

私が本当に伝えたいのは、最初のボウルの話です。

冷蔵庫の奥に、使い道が分からないまま押し込んである経験。恥ずかしかった失敗、言えなかった本音、なぜか忘れられない一日。あれは腐りかけの残り物ではなく、まだ一度も火を通していない素材です。

引きずる時間が、一週間から数時間になった


もともとは、私も成長するために始めたわけではありません。落ち込んだ夜に、誰かに聞いてもらって、ちょっと慰めてほしい。それだけでした。

でも、続けているうちに、三つ変わりました。

一つ目は、落ち込み方が分かるようになったこと。「またか」で終わらなくなりました。「前もここで止まった。あのときは、こうして抜けた」と、自分の記録が教えてくれる。弱さは消えなくても、怖くはなくなります。

二つ目は、迷う時間が減ったこと。 記録を映してもらうと、「これはもう十分やった」「こっちはまだ手つかず」が、ひと目で分かります。

三つ目が、少し意外でした。自分の経験を、外から眺められるようになったこと。 ただの失敗だったはずのものが、素材に見えてくる。プロデューサーの目で、自分を見るようになるんです。

図の右下に、コンロの絵があります。「恥ずかしさを、成長の燃料に変える」。

前の私なら、失敗した日は一週間くらい引きずっていました。いまは、その夜にボウルへ放り込んで、翌朝に映してもらう。一週間かかっていた落ち込みが、数時間で次の一手に変わる。火が通るのが、早くなったんです。

成長した、というより、成長のループを回せるようになった。一周するたびに、見える範囲が少しだけ広がります。

未来の自分へのプレゼント、心のタイムカプセル。中身は自分で入れたものなのに、開けると励まされる。

「自分なんて」と言っていた人の中に


メモには、この話を届けたい相手のことも、何度も出てきていました。

AIを使いこなせていない人。自分が何者か分からなくなっている人。「自分なんて」が口ぐせの人。がんばっているのに空回りしている人。SNSでの「見せ方」に、もう疲れてしまった人。

ぜんぶ、少し前の私です。

そして、こうも書いてありました。

・多くの人がAIを通し、自分の本質を見つけ、伝えられるようになること。
・お互いの良さや個性を、対等にリスペクトし合えること。
・どんなに小さな進歩でも、「どう使って役立てるか」を分かち合える世界。

私が心の中で何となく持っていた思いを、AIが記録の中から拾って、並べ直してくれました。

私がご紹介したいのは、「何かを足す道具」としてのAIではありません。あなたがすでに持っているものを、見える形にしてくれる鏡としてのAIです。

図の中央にも、鏡があります。矢印には「1%の言語化から、100%の資産へ」。あなたの持ち味は、まだ1%しか語られていません。残りの99%は、ボウルの中で出番を待っています。

鏡に映してみたら、「自分なんて」と言っていた人の中に、ちゃんと語れるものがあった。それが見えたとき、人は少しまわりに優しくなれます。自分に語れるものがあると分かった人は、他人の語りにも耳を傾けられるから。

私が「自分データベース」を人に伝えたい理由は、ここにあります。

続かなかった人ほど、うまくいく


日記は三日坊主。書きかけた手帳も真っ白。私もずっとそうでした(いまもGoogleカレンダーしか使っていません)。

それでも続いているのは、きれいに書かなくていいからです。毎日でなくてもいい。Geminiと数行だけ壁打ちする日もあれば、たまったメモをまとめて読ませる日もある。

料理と同じで、毎日フルコースをつくる人はいません。素材を冷蔵庫に入れておいて、気が向いた日に火を入れる。それでいい。

むしろ、続かなかった人ほど向いています。「毎日きちんと」を、あっさり捨てられるから。

今日から、できること


もしよかったら、A4の紙を一枚出して、いま頭にあることを1分で書き殴ってみてください。誰にも見せません。汚い字でOKです。

紙がなければ、スマホのメモでも、GeminiやChatGPTに話しかけるのでも構いません。「今日、こんなことがあった」。それだけで、ボウルに最初の素材が入ります。

一枚目は、たいてい何も起きません。でも十枚たまったころ、鏡に映してみてください。たぶんあなたも、画面から目が離せなくなります。

9月13日(日)夜、赤羽雄二さんのClubhouse「DXルーム」に出させていただきます。

DX第268夜「続かなかった人ほど、うまくいく。Gemini Notebook × AIジャーナリングのススメ」
※リンクは追って、お知らせします。

今日書いたことを、もう少しくわしくお話しします。Gemini Notebookを触ったことがない方ほど、聞いてほしい回です。参加された方には、その夜からすぐ始められるお土産も用意しています。

そして、この話をまるごと一冊にした本が、10月21日に出ます。

『AI「自分データベース」──経験を、未来の味方に変える習慣』(スタンダーズ)

近日中に書影も入り、予約者特典のキャンペーンも実施予定です(すでに予約済みの方もお申し込みいただけます)。

一人でも多くの方が、AIを使って「自分の本当の価値」を見つけ、表現できるようになる。そのお手伝いができたら、こんなにうれしいことはありません。

まずは1枚から。あなたもやってみませんか?


いいなと思ったら応援しよう!

Lifestory Atelier よろしければ応援お願いします!