芋出し画像

旅する栄逊.No28 老化・矎容・炎症 「䜓は、なぜ老いるのか」

メヌル #27  「䜕十幎も同じ色に染たる人」

Date: 2月27日 22:10
Subject: #27 「䜕十幎も同じ色に染たる人」

ミントの束を、枡された。

入口のずころにいた男の子が、䜕も蚀わずに差し出しおきた。倧きめの花束くらいある量。受け取ったら、手のひらに冷たかった。

これを錻に圓おお歩け、ずいうこずらしい。

意味は、十歩でわかった。

匂いずいうより、圧力なの。アンモニアが目に来る。錻に来る前に目に来お、涙が出る。ミントを顔に抌し぀けるず少したしになるけど、たしになる、ずいう皋床。

マラケシュのメディナの東の倖れ、バブ・デバッグ。皮なめしの職人が集たっおいる区画。

案内しおくれた人が、狭い階段を䞊っお、屋䞊に出た。

芋䞋ろすず、そこが蜂の巣みたいになっおた。

石でできた四角い槜が、床にびっしり䞊んでる。䞀぀が二メヌトル四方くらいで、深さは腰くらい。それが数十、隙間なく敷き詰められおいお、槜ごずに䞭身の色が違う。

手前のほうが癜。石灰の混ざった、濁った癜。

奥のほうが茶色。濃いのず薄いのがあっお、その隣に黄色。

その䞭に、人が立っおる。

腰たで浞かっおる。片手で皮を持ち䞊げお、もう片方の手で揉んで、たた沈める。

二月の午埌で、日はただ高い。

私、しばらく䜕も蚀えなかった。

これを芋に来たのは自分なんだけど、来およかったのかどうか、その時点でもうわからなくなっおた。人が働いおいるずころを、䞊から芋物しおる。しかもガむド料を払っお。

その居心地の悪さは、最埌たで消えなかった。だから、そのたた曞く。

案内の人が、工皋を説明しおくれた。

たず、生の皮から毛ず肉を萜ずさないずいけない。そのために石灰の槜に䜕日も挬ける。匷いアルカリで、毛の根元を溶かす。

そのあず、柔らかくする工皋がある。

ここで䜿うのが、鳩の糞。

本圓に鳩の糞なの。アンモニアが倚くお、酵玠も含たれおいお、石灰でこわばった皮を柔らかく戻す。

さっきの匂いの正䜓が、これ。

そしお、いちばん奥の茶色い槜。あれがなめしの本番で、暹皮を煮出した液が入っおる。ミモザずかアカシアの暹皮。地元の怍物。

぀たり、タンニン。

私、その説明を聞いたずきに、あっ、ず声が出そうになった。

タンニンっお、#25で曞いたポリフェノヌルなんだよね。

ザクロやベリヌに入っおいお、腞内现菌がりロリチンに倉えるや぀。怍物が虫や玫倖線から身を守るために䜜った、匱い毒。

それを煮出した液に、皮を挬けおる。

じゃあ、その液は皮の䜕ず反応しおいるのか。

コラヌゲン。

前回、沖瞄で曞いたや぀。䞉本の鎖が撚り合わさっお、䞉残基に䞀床グリシンが来おいお、ヒドロキシプロリンが圢を固定しおいる、あの繊維。

タンニンは、そのコラヌゲンにくっ぀くの。

たくさんの氎酞基を持っおいお、タンパク質の骚栌のあちこちに氎玠結合でぶら䞋がる。分子が倧きいから、䞀぀のタンニン分子が耇数の堎所にたたがっお、繊維ず繊維を橋枡しする圢になる。

そうするず䜕が起きるかずいうず、酵玠が近づけなくなる。

腐るずいうのは、芁するに菌の酵玠がタンパク質を切るこずなの。切り蟌む隙間がなくなれば、切れない。

なめすずいうのは、コラヌゲンを、分解されない状態に固定するこずだった。

生の皮は数日で腐る。なめした革は、数癟幎も぀。

同じコラヌゲンなのに。

ここで私が本圓に面癜いず思ったのは、その次なの。

枋柿を食べたずきの、あの口の䞭がすがたる感じ。

あれず、同じ反応なの。

枋柿のタンニンが、口の䞭の粘膜ず唟液のタンパク質にくっ぀いお、瞮たせおる。舌が匕っぱられる感じがするのは、実際に衚面のタンパク質が寄せ集められおいるから。

぀たり、枋いずいう味芚は、口の䞭で局所的になめしが起きおいる感芚なんだよね。

味芚じゃなくお、觊芚なの。枋みは味の䞀皮ずしお扱われるけど、受容䜓で感じおいる甘さや苊さずは仕組みが違う。

私はこれを知っおから、枋いお茶の感じ方が倉わった。

槜のあいだの、狭い瞁を人が歩いおいく。

幅が二十センチもない。䞡偎が液䜓。ゎム長靎を履いおいる人ず、玠足の人がいる。玠足の人のほうが倚い。

䞀人が、こっちを芋䞊げた。

腕が、肘から先だけ色が違うの。

黄色い。ずいうか、黄土色。皮膚の色ずしお存圚しない色をしおる。

手のひら偎はもっず濃くお、爪は、爪の内偎たで染たっおる。

その人が笑っお、䜕か蚀った。案内の人が蚳しおくれた。二十幎やっおる、ず。

もう萜ちないんだ、ずも蚀っおいたらしい。

掗っおも萜ちない、ずいう意味かず思っお聞き返したら、そうじゃなかった。皮膚が入れ替わっおも、次の皮膚がたた染たるから、結局ずっず同じ色なんだ、ずいうこずだった。

前回曞いた話が、ここで返っおきたの。

衚皮のタヌンオヌバヌは四十日ずか五十日で、䞊に抌し䞊げられお剥がれ萜ちおいく。だから染料も理屈の䞊では抜けおいく。

でも、毎日入るから、抜ける速さず同じだけ入る。

止たった状態に芋えるけど、止たっおいないの。入れ替わりながら、同じ色でいる。

私、この話をずっず考えながら屋䞊に立っおいた。

䜓が、終わらない反応を抱えたずき、䜕が起きるか。

炎症っお、悪いもののように聞こえるけど、本来はそうじゃないの。

指を切ったずきのこずを思い出しおみお。

赀くなっお、腫れお、熱を持っお、痛い。

この四぀は二千幎前から蚘述されおいお、ケルススずいうロヌマ時代の人が挙げおる。

赀くなるのは血管が広がるから。腫れるのは血管の隙間が広がっお、血挿ず癜血球が組織に出おいくから。熱いのは血流が増えるから。痛いのは、腫れお神経が圧迫されるのず、炎症のずきに出る物質が痛みの受容䜓を敏感にするから。

党郚、意味があるんだよね。血を䜙分に送っお、兵ず資材を珟堎に運んで、痛みでその堎所を䜿わせないようにしおる。

そしお倧事なのは、終わるこずなの。

急性炎症には、終わらせる仕組みがある。積極的に終わらせおる。勝手に消えるんじゃなくお、消すための物質が䜜られる。マクロファヌゞが死んだ现胞を片づけお、修埩に切り替わる。

数日から、長くお数週間。

炎症が悪いんじゃなくお、終わらない炎症が問題なの。

じゃあ、終わらないずどうなるか。

たず、レベルが違う。

指を切ったずきのような、目に芋える炎症じゃないの。血液怜査でぎりぎり拟えるかどうか、ずいう䜎さで、䜕幎も続く。

こういうのを、慢性炎症ずか、加霢に䌎うものは「むンフラメむゞング」ず呌ぶ。二〇〇〇幎にフランチェスキずいう研究者が蚀い出した蚀葉で、炎症(inflammation)ず加霢(aging)を繋げた造語。

幎を取るず、感染しおいないのに、炎症の指暙が䞊がっおいくの。CRPずか、IL-6ずいう物質ずか。

そしお、その倀が高い人ほど、その埌の病気ず死亡が倚い。

なんで䞊がるのか。発生源はいく぀もあるんだけど、量ずしお倧きいのが、たぶんこれなの。

脂肪。

私、ここが今回いちばん認識が倉わったずころだった。

脂肪組織っお、䜙った゚ネルギヌを詰めおおく倉庫だず思っおた。

倉庫じゃないの。

脂肪现胞は、いろんな物質を䜜っお血液に流しおる。臓噚なんだよね。甲状腺や副腎ず同じ意味で、内分泌の臓噚。

そしお、脂肪现胞が倧きくなりすぎるず、様子がおかしくなる。

膚らんだ脂肪现胞は、死ぬものが出おくるの。なんで死ぬのかは、血管が远い぀かなくお酞玠が足りなくなるから、ず説明されおきた。マりスではそう芋えるんだけど、ヒトの脂肪組織で枬るず逆の結果が出た研究もあっお、そこはただ決着しおない。

ずもかく、死ぬ现胞が出る。するず、片づけ圹のマクロファヌゞが集たっおくるの。

死んだ脂肪现胞を、マクロファヌゞが取り囲む。顕埮鏡で芋るず、现胞の呚りをぐるっず囲んだ圢になっおいお、王冠みたいに芋えるから、クラりン様構造ずいう名前が぀いおる。

そしお、その集たっおきたマクロファヌゞが、炎症の物質を出す。TNF-αずかIL-6ずか。

二〇〇䞉幎に、二぀のグルヌプが別々にこれを報告した。倪るず脂肪組織にマクロファヌゞが入り蟌んでいる、ず。

これが効いおくるのが、むンスリンなの。

TNF-αは、むンスリンの信号を受け取る仕組みを邪魔する。むンスリンは出おいるのに、効きが悪くなる。

#06でむンスリン抵抗性の話を曞いたよね 。あのずき私は、现胞がむンスリンに慣れお鈍くなる、みたいなむメヌゞで曞いおた。

慣れじゃなかった。少なくずも、慣れだけじゃなかった。

脂肪組織の炎症が、むンスリンの信号を邪魔しおる。

ただ、ここは正盎に曞いおおきたい。マりスでTNF-αを止めるずむンスリンの効きが戻るのに、ヒトで同じ薬を䜿った詊隓では、はっきりした改善が出おいないの。炎症は原因の䞀぀だけど、唯䞀の原因じゃない。筋肉や肝臓に脂がたたるこず自䜓が、盎接むンスリンの信号を邪魔しおいるずいう芋方のほうが、いたのヒトのデヌタでは匷いくらい。

それでも蚀えるのは、倪るこずの問題が、重さだけじゃなかった、ずいうこず。

これ、けっこう衝撃だったんだよね。䜓重ずいう数字ず、䜓の䞭で起きおいるこずが、盎接には繋がっおいないこずになるから。同じ䜓重でも、脂肪がどこに぀いおいるかで話が倉わる。内臓のたわりの脂肪のほうが、皮䞋の脂肪より炎症を出しやすい。

この話は、第十䞀郚で䜓重ず䜓組成をやるずきに、もっず詳しく曞く。今日のずころは、䜓重蚈の数字が枬っおいるのは重さであっお、状態ではない、ずいうこずだけ眮いおおきたい。

䞋を芋るず、槜のあいだを歩いおいる人が、皮を䞀枚担いで運んでいた。濡れた皮は重そうで、肩に茉せた圢のたた垂れおる。手前の癜い槜から、奥の茶色い槜ぞ。工皋を䞀぀進めるだけの、短い移動。

発生源は、脂肪だけじゃないの。

歯呚病。歯茎で现菌に察する炎症が䜕幎も続いおいお、そこから炎症の物質が党身に回る。

腞。#22で曞いたバリアの締たり具合が緩むず、菌の成分が少しず぀入っおくる。

现胞老化。分裂できなくなった现胞が、消えずに残っお、炎症の物質を出し続ける状態がある。SASPずいう名前が぀いおる。

喫煙。睡眠䞍足。慢性的なストレス。

どれも、それ単䜓では病気ず呌ばれないもの。あなたの䞭にも、たぶん䞀぀か二぀はあるんじゃない

じゃあ、慢性炎症は本圓に病気の原因なのか。

ここが、この話でいちばん難しいずころなの。

炎症の指暙が高い人が病気になりやすい、ずいうのは芳察でしかない。病気があるから炎症が䞊がっおいるのかもしれない。#18のホモシステむンず、#22のリヌキヌガットで曞いたのず、たったく同じ圢。

いちばん確実な方法は、䞀぀。

炎症だけを䞋げお、病気が枛るかを芋る。

それをやった詊隓がある。

CANTOSずいう。二〇䞀䞃幎に発衚された。

心筋梗塞を起こしたこずがあっお、なおか぀炎症の指暙が高い人、䞀䞇人あたり。

そこに、IL-1βずいう炎症の物質だけを狙い撃ちにする抗䜓の薬を打った。カナキヌマブずいう、もずもずは別の病気の薬。

この薬は、コレステロヌルを䞋げないの。

血の脂は動かさずに、炎症だけを䞋げる。

結果、心血管のむベントが枛った。

ただし、劇的にではないの。䞉぀詊した量のうち、真ん䞭の量の矀だけ。差の倧きさも、癟人を䞀幎芋お〇・六件ぶん。それでも枛った、ずいう結果。

この詊隓が重芁なのは、そこなんだよね。動脈硬化は脂の話だず思われおきたけど、炎症の話でもあるこずが、介入で瀺された。

コレステロヌル以倖のずころに、ただ手が残っおいた。

でも、この話には続きがある。

総死亡は枛らなかった。

そしお、臎死的な感染症が増えた。

炎症を抑えるずいうこずは、免疫を抑えるずいうこずだから。

私は、この結果のほうが倧事だず思っおる。

炎症は原因の䞀郚だった。でも、炎症を消しにいくず、別のもので死ぬ。

ミントの束を持ち盎した。日が圓たっおいるほうの手が、じんわり熱い。屋䞊には日陰がなくお、案内の人は隅の壁に寄りかかっお、私が曞き終わるのを埅っおる。

ここたでで、今日いちばん曞きたいこずに来る。

これ、#25ずたったく同じ圢なんだよね。

掻性酞玠も、悪いものに芋えお、消せない理由があった。免疫の歊噚で、信号でもあったから。䜜れない人は感染症で死ぬ。

炎症も同じ。消せない。消したら感染で死ぬ。

䜓の䞭には「悪いものだから枛らせばいい」で扱えるものが、たぶんほずんどないの。

だいたいのものは、必芁で、倚すぎるず害になっお、しかも必芁ず倚すぎるの境目が、堎所ずタむミングで違う。

この構造が、第八郚から続けお出おきおる。菌も、免疫も、掻性酞玠も、炎症も。

もう少しだけ、炎症を䞋げる話を続ける。

コルヒチンずいう、痛颚に昔から䜿われおいる安い薬がある。

LoDoCo2ずいう詊隓で、冠動脈疟患のある五千五癟二十二人に、コルヒチンを䞀日〇・五ミリグラム飲んでもらった。心血管むベントが枛った。

高い抗䜓の薬じゃなくおも、炎症を䞋げるずむベントが枛る、ずいう方向は同じだった。

ただし、これは病気のある人に、医垫の管理䞋で䜿う薬の話なの。健康な人が炎症を䞋げるために飲むものじゃない。

それず、日本ではカナキヌマブにもコルヒチンにも、心臓の病気を予防するずいう適応は぀いおいないの。コルヒチンの適応は痛颚ず家族性地䞭海熱。だから「あの詊隓の薬をください」ず蚀っおも出おこないし、それが正しい。

コルヒチンは、量を間違えるず呜に関わる䞭毒を起こす薬でもある。しかも、他の薬ず䞀緒に飲むだけで血䞭の濃床が䞊がるこずがあるの。抗生物質の䞀郚、抗真菌薬、免疫抑制剀、それずグレヌプフルヌツゞュヌス。飲んでいる人は、新しい薬を出されるたびに、コルヒチンを飲んでいるず䌝えおほしい。

じゃあ、健康な人が慢性炎症に぀いお䜕をしたらいいのか。

正盎に蚀うず、目新しいこずは䜕もない。

内臓脂肪を枛らすこず、運動、睡眠、犁煙。ここたでは、たぶんあなたも予想が぀いたず思う。枛量するず炎症の指暙が䞋がるこずは繰り返し確かめられおいるし、運動は脂肪を枛らす効果ずは別に、それ自䜓で䞋げる方向に働く。睡眠䞍足だけで指暙が䞊がるこずも、実隓で瀺されおる。

ただし、枛量の話には幎霢の条件が぀くの。高霢の方は、これをそのたた圓おはめないでほしい。幎を取っおからの枛量は、脂肪より先に筋肉が枛るこずが倚くお、そうなるず転びやすくなっお、そっちのほうが呜に関わる。食事摂取基準でも、六十五歳以䞊ではたんぱく質を倚めに、ずいう方向になっおる。枛らす話じゃなくお、保぀話なんだよね。六十五歳を過ぎおから「炎症が心配だから食事を枛らそう」ず考えたなら、その前に医垫か管理栄逊士に盞談しおほしい。䜓重が勝手に枛っおいくほうは、あずで曞くずおり、別の病気を疑う所芋だから。

予想が぀かなかったのが、歯の治療だず思う。歯呚病の治療で党身の炎症の指暙が䞋がる報告が、いく぀も出おるの。これ、意倖ず知られおいないよね。

それず、食事のパタヌン。野菜・果物・魚・オリヌブオむル・党粒穀物が倚くお、加工肉ず粟補穀物が少ないパタヌンで、CRPが䜎いずいう芳察ず、いく぀かの介入研究がある。

ここで泚意しおほしいのが、この最埌の䞀぀なの。

効いおいるのはパタヌンであっお、特定の食品じゃない。

「抗炎症食材ランキング」みたいなものが出回っおいるけど、あれは芳察された食事パタヌンを成分に分解しお䞊べ盎したもので、その䞀぀を足したら炎症が䞋がる、ずいう蚌拠じゃないの。

#25で曞いた抗酞化サプリず 、たったく同じ眠だず思う。

そしお、抗炎症をうたったサプリメントに぀いおは、もう䞀぀蚀っおおきたいこずがある。

炎症を䞋げるずいうこずは、免疫を䞋げるこずでもある、ずいう話をさっきしたよね。

自己免疫の病気で免疫を抑える薬を䜿っおいる人、生物孊的補剀を䜿っおいる人、がんの治療䞭の人。そういう人が、垂販の「免疫を敎える」「炎症を抑える」ものを自己刀断で足すのは、やめおほしい。方向が足し算にならないの。䞊げるものず䞋げるものが同時に入るず、どちらも読めなくなる。

それず、出血のほうも曞いおおく。「抗炎症」でたず思い぀くのが、魚の油、EPAやDHAのサプリだず思う。あずはりコン、ニンニク、むチョり葉。これらを高甚量で飲むず、血が止たりにくくなる方向に働くこずがあるの。#25でビタミンEに぀いお曞いたのず、同じ話。ワルファリンやDOAC、アスピリンのような薬を飲んでいる人ず、手術や抜歯の予定がある人は、飲んでいるサプリを必ず党郚䌝えおほしい。「薬じゃないから関係ない」ず思っお蚀わない人が、いちばん倚いんだよね。

それず、痛み止め。

むブプロフェンやロキ゜プロフェンのような薬は、確かに炎症を抑える。だから、なんずなく䜓にいいこずをしおいる気になりやすい。

長く垞甚するず、胃や腞の出血、腎臓の障害、血圧の䞊昇が起きる。慢性炎症の察策ずしお飲むものじゃない。

もうひず぀、受蚺しおほしい堎合を曞いおおく。

炎症の指暙が高いずき、その理由は加霢や肥満だけじゃないの。

熱が続く。䜓重が枛っおいく。倜に汗をかいお着替えるほどになる。関節が朝にこわばっお、それが䞀時間以䞊続く。原因のわからない貧血がある。

こういうものが揃っおいるずきは、感染症や、膠原病や、悪性腫瘍を先に調べないずいけない。「慢性炎症だから食事を倉えよう」の話じゃない。

それず、自費でCRPを枬っお䞀喜䞀憂するのも、あたり意味がないず思う。あの倀は、颚邪でも歯痛でも動く。䞀回の倀じゃなくお、他の情報ず䞀緒に医垫が読むものだから。

日が傟いおきお、槜の色が倉わった。

さっきたで黄土色に芋えおいたのが、オレンゞがかっお芋える。

槜の䞭の人は、ただ同じ動きをしおる。持ち䞊げお、揉んで、沈める。

私は、その人たちの健康に぀いお調べたこずを思い出しおいた。

皮なめしずいう仕事は、䜓に良くはないの。石灰は匷いアルカリで、皮膚を傷める。アンモニアは粘膜を刺激する。近代的な工堎ではクロムを䜿うずころがあっお、六䟡クロムは発がん性が確立しおる。ここは䌝統的な怍物タンニンだから、そっちの心配は薄いはずだけど、槜の䞭に䜕が入っおいるかを私は党郚は知らない。

面癜いのは、疫孊のほうなの。

皮革の粉じんを吞う仕事で、錻の奥のがんが増えるこずは、はっきりしおる。ただ、その超過リスクが出おいるのは、䞻に靎の補造の珟堎なの。なめし業そのものでは、同じ増加が確認されおいない。

これ、意倖だった。いちばん匷烈に芋える珟堎が、数字の䞊でいちばん危ないずは限らない。

芋た目の激しさず、実際のリスクは、別なんだよね。

私はここで、自分がやりかけたこずに気づいた。

刺激の激しい珟堎を芋お、慢性炎症の話を曞こうずしおいた。この人たちの䜓は、䜕十幎もの刺激で炎症を抱えおいるに違いない、ずいう筋曞きを、無意識に䜜っおた。

でも、その筋曞きを裏づけるものを、私は持っおない。

この人たちの血液怜査を芋たわけでもないし、この職業の炎症指暙を調べた研究を知っおいるわけでもない。

だから、曞かない。

ここに曞けるのは、私が調べお確かめられたこずだけ。

慢性炎症の話をするのに、この珟堎は必芁なかった。必芁だったのは、脂肪組織のマクロファヌゞず、CANTOSの結果。

珟堎が印象的だったから話が繋がったように感じただけで、それは繋がりじゃなくお、私の頭の䞭の連想なの。

これ、正盎に曞いおおかないず、この連茉でずっず批刀しおきたやり方を、自分でやるこずになる。

もうひず぀、この人たちに぀いお蚀えるこずがある。

腕の色は、健康の話じゃないの。

染料が皮膚のタンパク質に結合しおいるだけ。角局が入れ替わっおも、新しい角局がたた染たるから、色が続いお芋える。

䜓が壊れおいる印じゃなくお、毎日そこにいる印。

さっきの人が、槜から䞊がっおきた。

近くで芋るず、腕の色はもっず耇雑だった。均䞀な黄色じゃなくお、濃いずころず薄いずころがただらになっおる。手銖のずころで、ぎたっず色が終わっおる。そこから先が、袖の内偎なんだず思う。

境目が、はっきりしおた。

第九郚は、ここたで。

マラケシュのスパむス商人の手から始たっお、沖瞄の豚の皮を通っお、この槜たで来た。

䞉通ずも、扱っおいたのは同じものだった気がする。

掻性酞玠は、消せば長生きするものじゃなかった。免疫の歊噚で、䜓に守りを増やせず䌝える信号でもあった。

皮膚は、閉じるための壁だった。でもその壁は、死んだ现胞を毎日䞊べ盎すこずで維持されおいお、止めたら壁のほうが厩れる。

炎症は、病気の原因の䞀郚ではあった。でも消しにいくず、別のもので死ぬ。

老いるずいうのは、たぶん、汚れが溜たっおいくこずじゃないんだよね。

回し続けおいたものが、少しず぀回りにくくなるこず。

ハダカデバネズミは傷だらけのたた䞉十幎生きおいお、壊血病の船乗りは、䜕幎も前に治った傷が開いた。

どっちも、溜たった量の話じゃなかった。回っおいるかどうかの話だった。

だから、老化を止める方法を私は曞けない。

回り続けおいる状態を、なるべく長く続けるこず。それ以䞊のこずは、今のずころ誰も知らないず思う。

屋䞊を降りるずき、ミントの束をどうしたらいいか聞いたら、持っお垰っおいいず蚀われた。

宿に戻っお、氎を入れたグラスに挿しおある。

郚屋の䞭はただ少し匂う。髪に぀いおるんだず思う。

明日、シャワヌを济びれば萜ちる。

私の堎合は、明日で萜ちる。

来週、バンコクに向かいたす。

倜遅くたで屋台が開いおいる街だず聞いおる。倜になるず食欲が止たらなくなるのはなぜなのか、そろそろちゃんず知りたい。

もう少し深く

怍物タンニンによるコラヌゲンの架橋

なめし(tanning)は、皮のコラヌゲン線維を化孊的に修食しお、埮生物由来プロテアヌれによる分解ず、也燥時の膠着を防ぐ凊理である。怍物タンニンなめしでは、加氎分解性タンニン(没食子酞゚ステル、゚ラグタンニン)および瞮合型タンニン(プロアントシアニゞン)が甚いられる。

タンニンは倚数のフェノヌル性氎酞基を持぀高分子量ポリフェノヌルであり、コラヌゲンのペプチド結合カルボニル基および偎鎖ず倚点で氎玠結合を圢成する。加えお、プロリン残基のピロリゞン環ずの疎氎性盞互䜜甚が寄䞎する。䞀分子のタンニンが耇数の郚䜍に架橋するこずで線維間が固定され、酵玠の接近が立䜓的に劚げられる。結果ずしお熱倉性枩床(収瞮枩床)が䞊昇し、プロテアヌれ抵抗性を獲埗する。

同じ化孊が枋味(astringency)の実䜓でもある。枋味は味蕟の受容䜓を介した味芚ではなく、タンニンが唟液プロリンリッチタンパク質および口腔粘膜衚面のタンパク質ず結合・凝集するこずで生じる機械受容的感芚(觊芚)である。唟液プロリンリッチタンパク質は、食物タンニンを補足しお消化管ぞの圱響を緩和する防埡的機胜を持぀ず考えられおいる。

マラケシュのバブ・デバッグ地区の䌝統工皋は、石灰(氎酞化カルシりム)ず硫化物による脱毛(アルカリ条件䞋で硫化物がケラチンのゞスルフィド結合を還元的に切断する。石灰単独ではβ脱離によるランチオニン生成が䞻ずなる)、鳩糞を甚いた bating(アンモニアず糞由来プロテアヌれによる、石灰凊理でこわばったコラヌゲン基質の軟化)、ミモザ・アカシア等の暹皮由来タンニン液ぞの浞挬ずいう順で行われる。近代的な工皋で䞻流のクロムなめしは䞉䟡クロム塩を甚い、カルボキシル基ぞの配䜍結合で架橋する。䞉䟡クロムの発がん性は認められおいない(IARC グルヌプ3)が、補造工皋で生じうる六䟡クロムはグルヌプ1である。

急性炎症ず収束(resolution)

急性炎症の䞻城は Celsus(玀元1侖简)による rubor(発赀)、tumor(腫脹)、calor(熱感)、dolor(疌痛)であり、Galen が functio laesa(機胜障害)を加えたずされる。病態は、现動脈拡匵による血流増加、现静脈の透過性亢進による血挿滲出、および癜血球(初期は奜䞭球)の遊走から成る。

重芁なのは、炎症の収束が受動的な枛衰ではなく胜動的なプログラムである点である。アラキドン酞代謝は炎症初期のプロスタグランゞン・ロむコトリ゚ン産生から、リポキシン、および ω-3 脂肪酞由来のレゟルビン、プロテクチン、マレシン(総称しお specialized pro-resolving mediators, SPMs)の産生ぞずクラススむッチする。これらは奜䞭球の远加遊走を停止させ、マクロファヌゞによるアポトヌシス奜䞭球の貪食(efferocytosis)を促進し、修埩衚珟型ぞの転換を誘導する。慢性炎症は「収束プログラムの倱敗」ずしお理解される。なお SPMs の生理的重芁性に぀いおは、内因性濃床の定量に関する方法論的な議論が継続しおいる。

むンフラメむゞングず慢性䜎床炎症

Franceschi ら(2000)は "Inflamm-aging. An evolutionary perspective on immunosenescence"(Ann N Y Acad Sci)においお、加霢に䌎う慢性・䜎床・党身性の炎症状態をむンフラメむゞングず呌んだ。感染などの明らかな刺激がない状態で、IL-6、TNF-α、IL-1β、CRP 等が加霢ずずもに䞊昇する。IL-6 および CRP の䞊昇は、高霢者における身䜓機胜䜎䞋、フレむル、心血管疟患、認知症、党死亡ず関連する。

想定される発生源は耇数ある。内臓脂肪組織における炎症、现胞老化现胞の蓄積ずその老化関連分泌圢質(SASP)、腞管バリア機胜の倉化に䌎う埮生物由来分子(LPS等)の䜎床の流入、慢性感染(CMV等)による免疫系の消耗、損傷関連分子パタヌン(DAMPs)の蓄積、ミトコンドリアDNAの现胞質攟出による cGAS-STING 経路の掻性化、慢性歯呚炎などの局所感染巣。単䞀の起点に還元するこずはできない。

脂肪組織の炎症ずむンスリン抵抗性

Hotamisligil ら(1993)は、肥満モデル動物の脂肪組織で TNF-α の発珟が亢進し、その䞭和がむンスリン感受性を改善するこずを瀺した。続いお Weisberg ら および Xu ら(いずれも2003, J Clin Invest)が、肥満に䌎い脂肪組織ぞマクロファヌゞが浞最するこずを独立に報告した。

肥倧した脂肪现胞では现胞死が増加する。その匕き金ずしお、血管新生の远随䞍党による局所的䜎酞玠が提唱され霧歯類では支持されおいるが、ヒト脂肪組織では肥満者の酞玠分圧がむしろ高いずする枬定もあり(Goossens ら, 2011, Circulation)、䜎酞玠の関䞎は確定しおいない。䞀方、死现胞を取り囲むマクロファヌゞの集簇像である crown-like structure(CLS)は、ヒトおよびマりスの肥満脂肪組織で䞀貫しお芳察される慢性炎症の組織孊的指暙である。浞最マクロファヌゞは CCL2(MCP-1)–CCR2 軞により誘匕される。肥満脂肪組織のマクロファヌゞは叀兞的な M1/M2 の二分法には収たらず、脂質負荷を反映した「代謝掻性化(metabolically activated)」衚珟型ずしお蚘述されるのが珟圚の理解である。

産生された TNF-α および IL-6 は、IKKβ/NF-κB および JNK 経路を掻性化し、むンスリン受容䜓基質(IRS-1)のセリンリン酞化を促進する。セリンリン酞化された IRS-1 はむンスリン受容䜓からのチロシンリン酞化シグナルを䞋流に䌝達しにくくなり、むンスリン抵抗性を生じる。たた遊離脂肪酞が TLR4 を介しお自然免疫応答を掻性化する経路も関䞎する。すなわちむンスリン抵抗性は「受容䜓の感受性䜎䞋」ずいう単玔な珟象ではない。

ただし、ヒトにおける因果の重みづけは霧歯類の知芋をそのたた倖挿できない。肥満・2型糖尿病を察象ずした抗TNF-α 補剀の介入詊隓では、むンスリン感受性の䞀貫した改善は瀺されおいない(関節リりマチ患者での副次的な改善報告はあるが、代謝疟患を䞻目的ずした詊隓は抂ね陰性である)。CANTOS でも新芏糖尿病発症は枛少しなかった。珟圚のヒトを察象ずした研究では、骚栌筋・肝臓ぞの異所性脂質蓄積を介した経路(ゞアシルグリセロヌル–PKCε、セラミド。Shulman らの䞀連の研究)が䞻芁なドラむバヌずする芋方が有力であり、脂肪組織の炎症は䞊立する寄䞎因子の䞀぀ずしお䜍眮づけるのが劥圓である。

内臓脂肪は皮䞋脂肪に比べお炎症性サむトカむン産生が倚く、門脈を介しお盎接肝臓に流入するため、代謝ぞの圱響が倧きい。同䞀 BMI でも脂肪分垃により代謝リスクが異なるこずの機序的背景である。アディポネクチンは抗炎症・むンスリン感受性亢進䜜甚を持぀が、肥満では逆に䜎䞋する。

炎症が原因であるこずを瀺した介入詊隓

芳察研究における炎症マヌカヌず疟患の関連は、逆因果ず亀絡を排陀できない。これを解いたのが炎症のみを暙的ずした介入詊隓である。

CANTOS(Ridker ら, 2017, NEJM): 心筋梗塞の既埀があり hsCRP ≥2 mg/L の患者 10,061 名を、抗IL-1β モノクロヌナル抗䜓カナキヌマブ(50 mg、150 mg、300 mg を3か月ごず皮䞋投䞎)ずプラセボに割り付けた。48か月時点の hsCRP 䞭倮倀の䜎䞋はプラセボ比で 26%、37%、41%。䞻芁耇合゚ンドポむント(非臎死的心筋梗塞・非臎死的脳卒䞭・心血管死)が有意に枛少したのは150 mg 矀のみであり(発生率 3.86 察 プラセボ 4.50 /100人幎、HR 0.85)、50 mg 矀は有意差に至らず、300 mg 矀は事前芏定の倚重性閟倀を満たさなかった。絶察差は幎間100人あたり0.64件に盞圓する。脂質倀は倉化しなかった。この点が本詊隓の意矩であり、脂質非䟝存的な残䜙炎症リスク(residual inflammatory risk)の存圚を実蚌した。

䞀方、党死亡は有意に枛少せず、臎死的感染症・敗血症がカナキヌマブ矀で有意に増加した。探玢的解析では肺がんの眹患および死亡の枛少が報告されたが、これは事前芏定の䞻芁目的ではなく、仮説生成的な所芋である。米囜FDAは本適応を承認しおいない。

LoDoCo2(Nidorf ら, 2020, NEJM): 慢性冠動脈疟患の患者 5,522 名に䜎甚量コルヒチン 0.5 mg/日たたはプラセボを投䞎し(远跡䞭倮倀28.6か月)、心血管死・心筋梗塞・虚血性脳卒䞭・虚血による血行再建の耇合゚ンドポむントが有意に枛少した。COLCOT(2019)も心筋梗塞埌患者で同方向の結果を瀺しおいる。䜎甚量コルヒチンは冠動脈疟患患者に察する適応で米囜FDA承認を埗おいる(2023幎)。ただし、日本ではコルヒチンの適応は痛颚発䜜および家族性地䞭海熱であり、冠動脈疟患の二次予防は適応倖である。カナキヌマブも囜内で心血管疟患の適応を有しない。安党性に぀いおは、非心血管死がわずかに倚い傟向が報告されおおり、消化噚症状、筋毒性、および CYP3A4/P-糖タンパク阻害薬(クラリスロマむシン等のマクロラむド系抗菌薬、䞀郚のアゟヌル系抗真菌薬、シクロスポリン、グレヌプフルヌツゞュヌス)ずの䜵甚による血䞭濃床䞊昇は臎死的䞭毒の原因ずなる。健垞者ぞの予防投䞎を支持する゚ビデンスはない。

これらを総合するず、慢性炎症は動脈硬化性疟患の因果的寄䞎因子であるが、炎症の党般的抑制は感染防埡の抑制を䌎い、正味の䟿益は察象集団に䟝存する。

慢性炎症に察する非薬物的介入

枛量、ずくに内臓脂肪の枛少は、CRP および IL-6 の䜎䞋ず䞀貫しお関連する。ただし高霢者では、意図的な枛量が陀脂肪量の枛少を䌎い、サルコペニア・フレむル・転倒骚折のリスクを高めうる。2025幎版では65歳以䞊のたんぱく質目暙量の䞋限が匕き䞊げられおおり(15〜20%E)、この幎霢局ぞの掚奚は枛量ではなく筋量ずタンパク質摂取の維持である。高霢者に察しお炎症を理由ずする食事制限を䞀般化しお勧めるべきではない。運動は、䜓重枛少ずは独立に炎症マヌカヌを䜎䞋させる方向に働き、骚栌筋由来の IL-6 が急性には䞊昇する䞀方で慢性的には抗炎症的に䜜甚するずいう、文脈䟝存的な性質が知られおいる。睡眠䞍足および睡眠分断は、実隓的に IL-6・CRP を䞊昇させる。犁煙は炎症マヌカヌを䜎䞋させる。歯呚治療により党身の CRP が䜎䞋するこずが耇数のメタ解析で報告されおいる。

食事に぀いおは、地䞭海食パタヌンおよび食事性炎症指数(DII)の䜎いパタヌンが、CRP・IL-6 の䜎倀ず関連する。ただしこれは食事党䜓のパタヌンに関する知芋であり、個々の「抗炎症食品」を远加する介入が炎症マヌカヌや臚床アりトカムを改善するこずを瀺す゚ビデンスは乏しい。単離成分の抗炎症サプリメント(クルクミン、ボスりェリア等)に぀いおは、バむオアベむラビリティの問題(#25参照)ず、質の高い長期アりトカム詊隓の䞍足がある。

臚床䞊の留意点ずしお、抗炎症は免疫抑制ず衚裏である。生物孊的補剀や免疫抑制薬を䜿甚䞭の患者、化孊療法䞭の患者が、垂販の免疫調節をうたう補品を自己刀断で䜵甚するこずは避けるべきである。たた、抗炎症を暙抜する補品ずしお頻甚される高甚量の n-3 系脂肪酞(EPA/DHA)、りコン(クルクミン)、ニンニク、むチョり葉は、出血傟向を高める方向に䜜甚しうる。抗凝固薬・抗血小板薬の服甚者および呚術期・抜歯前には、サプリメントを含めた党摂取内容の申告が必芁である(#25のビタミンEに関する蚘述ず同型の泚意である)。りコンに぀いおは、日本においお健康食品による薬物性肝障害の原因ずしお報告が倚い点にも留意する。NSAIDs の長期垞甚は消化管出血、腎機胜障害、血圧䞊昇のリスクを䌎い、慢性炎症察策ずしお甚いるものではない。

炎症マヌカヌ高倀の鑑別ずしお、感染症、自己免疫疟患・膠原病、悪性腫瘍を陀倖する必芁がある。持続する発熱、意図しない䜓重枛少、盗汗、1時間以䞊持続する朝のこわばり、原因䞍明の貧血などの所芋がある堎合は、生掻習慣の議論に先立っお医孊的怜玢を行う。hsCRP は心血管リスク局別化の補助指暙ずしお䜍眮づけられるものであり、単回枬定倀は急性感染や倖傷で容易に倉動するため、単独での解釈は適切でない。

皮なめし職業の健康圱響に関する所芋

IARC は "Leather dust" をヒトに察する発がん性ありず評䟡し、錻腔・副錻腔がんずの関連を認めおいる。ただし疫孊的な超過リスクが䞀貫しお芳察されおいるのは靎の補造・修理工皋であり、なめし工皋そのものに぀いおは錻腔がんずの関連を支持する蚌拠が埗られおいない。なめし業で報告されるハザヌドは、匷アルカリ(石灰)による皮膚障害、硫化物・アンモニアによる粘膜刺激、クロムなめし工皋における六䟡クロム曝露(グルヌプ1)、有機溶剀、および生物孊的曝露(炭疜菌等)である。䌝統的な怍物タンニン工皋ではクロム曝露は該圓しない。

䜜業者に慢性党身性炎症が生じおいるか吊かに぀いお、本皿で参照できる盎接的なデヌタはない。劎働環境の過酷さの芖芚的印象から炎症状態を掚論するこずは、根拠を䌎わない。

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今村 雅史(いたむら たさふみ)
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