なぜChatGPTの画像生成は上手く見えるのか? 他のクラウド画像生成サービスと比較して考えてみた
こんにちは。福岡在住のインフラエンジニア、「neon|帰宅途中」です。
以前、Stable Diffusionから一時撤退するnoteを書きました。
ただ画像生成自体で遊ぶこと自体は続けていて、Tensor.Artというクラウド画像生成サービスで遊んでいます。
このサービスがいいのは他人が生成した良い画像のレシピを使って、自分でも似たような画像が作れる事です。
そしてひたすら黒髪ショートヘア、フチなし眼鏡、知的な雰囲気の女性のイラストを生成しています。
服を変えたり、背景を変えたり、構図を変えたり。
そうやって何枚も作っているうちに、「自分はこういう絵が好きなんだな」ということが少しずつ分かってきました。
ある日、試しに同じような設定でChatGPTにも画像を作ってもらいました。
すると、出てきた画像を見て思わず声が出ました。
「おおなんだこれ。RTX ONじゃん」
もちろん、本当にレイトレーシングやパストレーシングをしているわけではありません。
ここでいう「RTX ON感」とは、光の演出が映画のワンシーンのように強調されている印象を指しています。
まずは比較してみてください
最初にTensor.Artで生成した画像です。モデルはSDXLのillustration系です。

次に、同じキャラクター、同じ夕景の構図を意識してChatGPTで生成した画像です。

どちらも十分に綺麗なイラストです。
しかし、並べてみると印象がかなり違います。
そこで、気になったポイントをまとめてみました。

ChatGPT版は「光」を盛ってくる
まず目についたのが、髪の輪郭です。
夕日を背にしているため、髪の縁に強い光が入っています。
これはイラストや映像でよく使われる「リムライト」という演出です。
輪郭を光らせることで、人物を背景から浮かび上がらせています。
Tensor.Art版にも夕日はありますが、光の演出は比較的シンプルです。
一方でChatGPT版は、「夕日があるなら輪郭も光るはず」と考えているかのように、積極的に演出を加えてきます。
海面の反射光まで描いている
次に驚いたのが、肩や服に入っている光です。
夕日だけではなく、海面で反射した光が下から当たっているように見えます。
現実に物理演算をしているわけではないはずですが、「こういう状況なら、こう見えると人は感じる」という表現を学習しているのでしょう。
その結果、肌や服の質感が強調され、立体感が増しています。
背景の情報量が圧倒的に多い
もうひとつ大きな違いが、背景です。
雲の立体感。
ヤシの葉の重なり。
海面の輝き。
空気感。
ChatGPT版は、人物だけではなく背景にもかなりの情報量を詰め込んできます。
一枚絵として見たときの迫力は、こちらのほうが強いと感じました。
ChatGPTは絵を描いているのではなく、美術監督をしているのかもしれない
しばらく考えて、違和感の正体が分かりました。
ChatGPTは、単に絵を描いているのではありません。
「人が綺麗だと感じる演出」を自動で足しているのです。
リムライト。
反射光。
背景の情報量。
色温度。
線の密度。
SNSで思わず目を止めてしまうような要素を、こちらが指示しなくても盛り込んできます。
だから、「なんかすごい」と感じるのだと思います。
どちらが上という話ではない
ただし、これは優劣の話ではありません。
Tensor.Art (SDXL)のシンプルな絵は、キャラクターデザインや小説の挿絵に向いています。
一方でChatGPTの画像は、一枚絵やサムネイルとして強い存在感があります。
使いどころが違います。
画像生成AIの進化は、「上手に描く競争」から、「上手に演出する競争」に移っているのかもしれません。
私は絵を描けません。
だからこそ、同じキャラクターを何十枚も作り続けたことで、この違いに気付けたのかもしれません。
もし画像生成AIを使っている方がいたら、ぜひ同じキャラクターを別のモデルで作り比べてみてください。
きっと、自分が何を「綺麗」と感じているのかが見えてくると思います。
皆さんは、最近のChatGPTの画像生成をどう感じていますか?
「GPTの絵はなぜ上手く見えるのか」
「Stable Diffusionとの違いは何か」
皆さんの考えもぜひ教えてください。
また、おすすめのモデルや、画像生成で工夫していることがあれば質問箱から気軽に送っていただけるとうれしいです。
