【ルミマガ編集部】LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.使ってみた
こんにちは。ルミマガ編集部です。
以前投稿した「こちら、光学設計部_第十四回【LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.】」は、もうご覧いただけましたか?
本記事では「こちら、光学設計部(略称:こち学)」で解説したレンズを使い、編集部員が撮影した作例やレンズの使用感をインプレッション記事としてお届けします!
今回のレンズは「LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.(以下、本レンズ)」です。
■ファーストインプレッション

マイクロフォーサーズの大三元・望遠ズームレンズの登場です。
35mm判換算で70-200mmという定番の望遠域を、ズーム全域F2.8の明るさでカバーする一本。
まず手に取って驚くのが、その軽さとコンパクトさです。
約360g、全長わずか99.9mm。
こち学で語られていた「99.9」という数字の意味を知ると、この全長には光学設計者の執念すら感じます。
フルサイズの70-200mm F2.8を知っている方からすれば、ちょっと信じられないサイズ感ではないでしょうか。

右:LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.
筆者が普段使用しているSシリーズの望遠ズーム、S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.の重さが約1,570g。本レンズはその約1/4以下の重量です。
もちろんフォーマットが異なるので単純比較はできませんが「同等の焦点距離をF2.8の明るさで使える」という点では肩を並べるレンズと言えます。
それでいて本レンズは小型軽量。この機動力は、撮影の自由度そのものです。
インナーズーム方式なのでズームしてもレンズが伸びず、重心が変化しないのも良いところ。レンズ内手ブレ補正が搭載されているため手持ちでも撮影しやすく、本当に気軽に持ち出せます。
今回はスナップやポートレートを中心に、いくつかのシチュエーションで撮影してみました。
■LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.で撮ってみた

まずは川沿いで撮影した一枚。35mm判換算160mmで撮影しています。
水面に映り込む赤い欄干と新緑。
望遠レンズ特有の圧縮効果で木々と橋がほどよく密集し、実際の視界よりも情報が凝縮された(=好きなところだけを切り抜けた)絵になっています。

望遠端で小さな黄色い花を撮ってみました。
花弁の質感がシャープながらもしっとりと描写されつつ、背景は柔らかく自然にボケています。
ボケにくいと言われるマイクロフォーサーズですが、望遠で撮るとしっかり立体感を感じられますね。
この写り、なんか既視感があるなと思ったら以前使用したLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-35mm/F2.8 ASPH./POWER O.I.S.でした。

亀の甲羅の質感や紋様、表面のゴツゴツとした凹凸も精緻に描写されています。
こちらはガラス越しに撮影していますが、インナーズームのレンズだと、ガラスに近づけながら焦点距離を変えてもガラスにレンズをぶつける心配がないのも、地味に嬉しいポイントです。
写りとは関係ない個人的な話ですが、動物園のように小さなお子様連れも多い施設で大きなレンズを持ち歩くのは「なにかの拍子に子どもにレンズをぶつけてケガでもさせてしまったら…」と少し怖いので、本レンズくらい小さいレンズはとても気楽でした。

粒状:Low
続いて、モノクロで撮影したスナップ。高架と道路の影で三分割したような構図を作ってみました。こういった遊び方ができるのも望遠ならでは、というか望遠の方が情報量を集約できて簡単にやりやすいと感じます。
「このレンズなら、こう撮れそう」という信頼感と、それをすぐに実践できる機動力は、結果的に撮れ高に繋がります。そういう意味でも、良いレンズだなあと思いました。

ビルの外観を望遠で撮影。
構造物の線と影の反復が生むリズム感が気持ちいいですね。こういう幾何学的な被写体こそ、望遠レンズの圧縮効果と解像力が活きる場面です。
スペック的な解説はできませんが、このカリッとした写りと、テリっとした質感は、LEICA銘のレンズらしい描写だと感じます。

粒状:Low
飛行機が矢印に見えて、たまたま信号の矢印が反対方向を指していたのが面白くて撮影。
筆者は普段スナップをするときは28~35mmくらいのレンズを使用することが多いのですが、その辺りの焦点距離のレンズだとこういった写真は撮れませんし、飛行機を見つけることさえできていなかったかもしれません。
焦点距離が変わると見えてくる世界が変わるのも、カメラで写真を撮影する面白みです。

行き交う人々をスローシャッターで撮影。
望遠レンズで手持ちスローシャッターというのは少しチャレンジングな撮り方です。
本レンズにはレンズ内手ブレ補正が搭載されていることもあり、Dual I.S.2の手ブレ補正が効いているおかげで、横断歩道の模様はブレずに、人々だけを流すことができました。
構図の中で「静と動」が共存する面白さ。こうした実験的な撮影にも気軽に挑戦できるのは、小型軽量で手ブレ補正も強力な本レンズならではです。

model:春日久瑠実
白いモッコウバラが咲き乱れる場所でポートレート。F8まで絞りました。
望遠レンズの圧縮効果で、背景の花が画面を埋め尽くすように写り、被写体を引き立てています。

別角度から、F値を小さくして撮影。肌の表現も美しいですね。

構図を縦から横に変えて、草花の前ボケを作りました。望遠気味でF値を小さくしていると、こういった表現でも遊べますね。
髪の毛や肌、服のディテールも繊細に写しています。ポートレートレンズとしても、本レンズの実力はかなり高いと感じました。

大自然の中でも使用してみました。木漏れ日が差し込む林の中で撮影。
木の幹のテクスチャーと、葉一枚一枚の描写も美しいですね。

水面に反射する夕日のきらめきと、川を流れる水しぶき。
夕日に照らされたハイライト部も、流れが激しいシャドウ部も、両方がバランスよく写し出され、立体感も表現されています。
■360gに詰まった、大三元の表現力

35mm判換算70-200mm F2.8という定番のスペック、そしてLEICA銘を冠する表現力を、約360g・全長99.9mmという驚異的なサイズに収めた本レンズ。
小型かつインナーズーム方式の扱いやすさ。ライカの光学基準をクリアした描写力。Dual I.S. 2対応の手ブレ補正。逆光耐性や防塵防滴性能。
スペックを見ただけでも充実していますが、実際に撮影してみると、数値には表れない「表現力」がありました。
開放気味だとやや柔らかく、絞るとシャープに。ボケはなだらかで美しい。肌や花の柔らかさも、建物や甲羅のような物質の硬さも描き分けてくれる。
「望遠レンズを持ち出す」ハードルを限りなく下げながら、撮れる絵には一切妥協がなく、撮り手の表現欲を満たしてくれる。
そんなレンズだと感じました。
今回の記事はここまで。それではまた次回お会いしましょう。
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