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行動できる人は何が違うのか


― 動けない理由は、意志の弱さではなく最初の一歩の大きさにある ―

『未来は創られる ― 意図が現実を動かす“小さな実践”の物語 ―』 Vol.162


第七章 ― 未来を育てる小さな実践 ―

朝から、

何度も目に入っている封筒。

「あとで開けよう。」

そう思ったまま、

夕方になっても、

まだ同じ場所にあります。

不思議なもので、

始めてしまえば数分で終わることほど、

始めるまでが長かったりします。

人生も、

案外それに似ています。

大きな壁があるから動けないのではなく、

最初の動作を、

心の中で大きくしすぎていることがある。

行動できる人は、

特別に勇気がある人ではありません。

全部やるより先に、

まず、ここだけ。

を選べる人なのかもしれません。



行動できないのは意志が弱いからではない

何かを始めようとすると、

私たちの頭の中では、

まだ起きてもいない未来が、

ずいぶん先まで上映されることがあります。

失敗したらどうしよう。

続かなかったらどうしよう。

人にどう思われるだろう。

本当にこれでいいのだろうか。

すると、

まだ一歩も踏み出していないのに、

心だけが疲れてしまいます。

行動できない時、

必要なのは、

自分を叱ることではありません。

未来を一度に背負わず、

今できるところまで、

一歩を小さくしてみることです。

最後までできるだろうか。

ではなく、

今、何ならできるだろう。

問いを変えるだけで、

行動への入口は、

少し近くなります。



心のエレベーター

自分:
やりたいことはあるんだけど、
なかなか最初の一歩が出ないんだ。

心の声:
十階まで行くのに、
一階から十階まで飛ぼうとしてない?

自分:
いや、普通はエレベーターでしょう。
そんな脚力あったら別の才能を疑うよ。

心の声:
ところが人生になると、
なぜか一気に十階へ行こうとする人が多いんだ。

自分:
確かに。
始める前から完成形を考えてるかも。

心の声:
しかも、
ちゃんとできるかなって、
まだ一階のロビーで心配してる。

自分:
エレベーターにも乗ってないのに?
ずいぶん先まで心配してるなあ。

心の声:
そう。
だから今日は、
十階のことは考えなくていい。
まず「上」のボタンを押してみよう。

自分:
それならできそうだ。

心の声:
行動ってね、
目的地まで一気に行くことじゃない。
次へ進むボタンを、
今ここで一つ押すことなんだよ。



完璧を待つほど始められなくなる

行動を止めてしまうものの一つに、

完璧にやりたい。

という気持ちがあります。

準備が整ったら始めよう。

自信がついたら挑戦しよう。

もっと知識を身につけてから動こう。

慎重に考えることは、

決して悪いことではありません。

けれど、

すべての条件が整う日を待っていると、

始める日は、

いつまでも先へ延びていきます。

実際には、

やってみたからこそ分かることがあります。

動いたから、

次に必要なものが見えてくることもあります。

行動とは、

準備が終わった人だけがするものではありません。

行動そのものが、

次の準備をつくっていくのです。



心の準備会議

自分:
もう少し準備してから、
始めたほうがいい気がするんだ。

心の声:
その準備会議、
いつから開催してるの?

自分:
えっと……。
かなり前から。

心の声:
議題は?

自分:
いつ始めるか。

心の声:
ずいぶん長い会議だね。
そろそろ議事録だけで一冊できそうだ。

自分:
出版する前に、
始めたほうがよさそうだね。
でも、失敗したくないんだよ。

心の声:
だからこそ、
小さく試してみるんだ。
考えているだけでは、
分からないこともあるからね。

自分:
じゃあ、
完璧な答えが出るまで待たなくていい?

心の声:
うん。
人生には、
動いてから届く答えもあるよ。
最初の一歩は、
正解を証明するためじゃない。
次の景色を見るためにあるんだよ。



行動すると現実から答えが返ってくる

頭の中だけで考えている間、

私たちは、

自分の想像の中にいます。

けれど、

一つ行動すると、

現実から反応が返ってきます。

思っていたより簡単だった。

ここは難しかった。

こんな人が助けてくれた。

自分には、

こちらの方法のほうが合っていた。

それまで分からなかったことが、

少しずつ具体的になります。

だから、

行動は、

未来へ進むためだけのものではありません。

自分の現在地を知るための方法

でもあります。

考える。

動く。

確かめる。

そして、

また選ぶ。

その繰り返しによって、

未来は少しずつ、

想像から現実へと変わっていきます。



行動できない時、

私たちはつい、

もっと意志を強くしなければ。

と考えてしまいます。

けれど、

必要なのは自分を奮い立たせることではなく、

思わず始められるくらいまで、

最初の一歩を小さくすることなのかもしれません。

そんな考え方を、

とても分かりやすく伝えてくれるのが、

『小さな習慣』 スティーヴン・ガイズ 著

です。

この本で紹介されているのは、

腕立て伏せ一回のような、

それならできそう。

と思えるほど小さな行動から始めるという方法です。

大きな目標を前にすると、

心は身構えてしまいます。

けれど、

一歩が小さくなれば、

始めるための心の負担も小さくなる。

そして、

一度動き始めることで、

その先へ自然と進めることもあります。

行動できないと悩んだ時、

自分を責めるのではなく、

最初の一歩を、もっと小さくできないだろうか。

そんなふうに、

行動の始め方そのものを見直したくなる一冊です。




今日からできる小さな実践

今日は、

やろうと思いながら、まだ始めていないことを、

一つ思い浮かべてみてください。

そして、

こう問いかけてみます。

これを、三分でできる大きさにするとしたら?

たとえば、

本を読みたいなら、

一章ではなく、

まず一ページ開いてみる。

片づけたいなら、

部屋全部ではなく、

机の上の一つだけ戻してみる。

連絡しようと思っているなら、

文章を完成させる前に、

伝えたいことを一行だけ書いてみる。

大切なのは、

たくさん進むことではありません。

始めたという事実を、自分の中につくること。

その小さな行動が、

次の行動を呼び込み、

未来へ続く流れをつくっていきます。



まとめ ― 動いた先で見えるものがある

行動できる人も、

迷わないわけではありません。

不安がなくなってから、

動いているわけでもありません。

今できるところまで、

一歩を小さくしているのです。

考えているだけでは、

見えない景色があります。

そして、

動いたからこそ、

分かる自分もいます。

未来を変える最初の力は、

大きな決意ではなく、

これならできる

と思える小さな行動なのかもしれません。



次回は、

続ける力は毎日の中で育つ

何かを始めても、

続かないと自分は意志が弱いと思ってしまうことがあります。

けれど、続ける力は最初から持っている才能ではありません。

毎日の中で無理なく繰り返せる小さな行動が、

やがて習慣となり、自分への信頼を育てていきます。、

頑張り続けなくても

自然と続いていく習慣を育てるための小さな工夫について、

一緒に考えてみましょう。



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