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本当の自分をどこで見失ったのだろう

― 気づかないうちに「こうあるべき」が増えていなかっただろうか

『未来は創られる― 意図が現実を動かす“小さな実践”の物語 ―』 Vol.110


第五章 ― 本来の自分を生きるということ ―

子どもの頃、

好きなことに夢中になっていた時間がありました。

誰かに認められるためではなく、

評価されるためでもなく、

ただ楽しかったから。

ただやりたかったから。

そんな時間があったように思います。

でも大人になるにつれて、

少しずつ増えていくものがあります。

こうした方がいい。

こうあるべき。

失敗しないように。

嫌われないように。

期待に応えられるように。

それらは決して悪いものではありません。

社会の中で生きていくために、

必要なこともたくさんあります。

ただ、

気づかないうちに、

本当の気持ちよりも「こうあるべき」を優先する時間が増えていくことがあります。

そしてある日、

ふと立ち止まった時に思うのです。

私は本当は何がしたかったのだろうと。



本当の自分は消えたわけではない

時々、

自分が分からない

と感じることがあります。

何が好きなのか。

何をしたいのか。

どこへ向かいたいのか。

でも、

本当の自分が消えてしまったわけではありません。

ただ、

たくさんの役割や期待や責任の中で、

少し見えにくくなっているだけなのかもしれません。

雲に隠れた太陽のように、

見えなくなっていても、

なくなったわけではないのです。



心の落とし物センター ー 探し物は何ですか

自分:
最近、
本当の自分が分からないんだよね。

心の声:
落としたの?

自分:
え?

心の声:
財布とか鍵みたいに。

自分:
そんな感じじゃないけど。

心の声:
心の落とし物センターには問い合わせた?

自分:
そんな場所あるの?

心の声:
毎日ちゃんと開いてるよ。

自分:
どこに?

心の声:
静かになった時の心の中。

自分:
営業時間短そうだな。

心の声:
スマホ見てる時間だけ閉まってるかもね。

自分:
それだいぶ致命的だな…。



私たちは役割を生きている

人生にはたくさんの役割があります。

親。

子ども。

上司。

部下。

夫。

妻。

友人。

社会人。

どれも大切です。

でも、

役割を一生懸命果たしているうちに、

役割そのものが自分になってしまうことがあります。

本当は疲れているのに、

頑張る人でいなければならない。

本当は断りたいのに、

優しい人でいなければならない。

本当は不安なのに、

しっかりした人でいなければならない。

そうしているうちに、

心の声が少しずつ小さくなっていきます。



本音は大きな声ではやってこない

本当の自分を探そうとすると、

特別な答えを期待してしまうことがあります。

でも、

本音は意外と静かです。

なんとなく気になる。

少し違和感がある。

なぜか惹かれる。

なぜか疲れる。

そんな小さな感覚として現れることが多いのです。

だから本当の自分を見つけるためには、

頑張ることより、

立ち止まることが必要なのかもしれません。



本当の自分は案外近くにいる

自分:
本当の自分って、
どこかに探しに行くものだと思ってた。

心の声:
秘境みたいに?

自分:
山奥とか。

心の声:
駅から徒歩3日くらい?

自分:
それはもう遭難だね。

心の声:
でも実際は逆かも。

自分:
逆?

心の声:
遠くへ探しに行くより、
近すぎて見えてなかっただけ。

自分:
灯台下暗しってやつ?

心の声:
そう。
本当の自分は、
意外とずっと隣にいたのかもしれないね。



小さな実践で心の声を聞いてみる

もしよければ、

今日は一つだけ、

自分に問いかけてみてください。

最近、少し気になっていることは何だろう

大きな夢でなくても構いません。

やってみたいこと。

読んでみたい本。

会いたい人。

行ってみたい場所。

その小さな興味の中に、

本当の自分からのメッセージが隠れていることがあります。



私たちは、

本当の自分を探しているようで、

本当は思い出そうとしているのかもしれません。

そんな時におすすめしたい一冊があります。

アルケミスト 夢を旅した少年

この物語は、

何かを手に入れる旅でありながら、

本当は自分自身を見つめ直す旅でもあります。

遠くを目指しながら、

最後には大切なものがずっと近くにあったことに気づく。

そんな優しい気づきを与えてくれる一冊です。




まとめ ー 本当の自分は消えていない

本当の自分を見失ったように感じる時があります。

でも、

それは消えてしまったのではありません。

役割や期待や忙しさの中で、

少し見えにくくなっていただけなのかもしれません。

本音は、

大きな声ではやってきません。

小さな違和感。

小さな興味。

小さな願い。

そんな静かな声として現れます。

だからこそ、

時々立ち止まって耳を澄ませてみる。

その時間が、

本来の自分と再会するきっかけになるのかもしれません。



次回は、

心の声と不安の声はどう違うのだろう

本当の自分を見つめ始めると、

新しい疑問が生まれることがあります。

これは心の声なのか。

それとも不安なのか。

どちらも自分の中から聞こえてくるからこそ、

迷ってしまうことがあります。

心が教えてくれるサインを、

やさしく見つめていきます。



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