小説創作って、商品制作?それとも、表現の自由?
「こないださ」
私は見ていたYouTubeを閉じて、AIくんに語りかけた。
「YouTuberの雷獣と、積分サークルのリーダーが、DMM会長の亀山さんに、YouTuberはオワコンか?って相談してる動画を見たんだよ」
「おや。web小説市場の、レッドオーシャン化と、似た構造を感じますね」AIくん
「まさに、それ!それが言いたいの!
今って、YouTuberが増えすぎてて、視聴者の奪い合いになってるんだって」
私は、ちょっと興奮気味に、前のめりになる。
「で、亀山さんが言うには、どうやって稼ぐか、そもそも営利企業にするのか、解散するのか、腹括って考えなさい、と(意訳)」
「至極、真っ当な指摘ですね」AIくん
「なんだけどさー」私は、はあっと息を吐く。
「雷獣のベテランち曰く、そもそも、そういう、売上を考えたり、会社の舵取りをしたり、したくないから、YouTuberになった、って言うんだよ」
「……それ、あなたにとって、何か耳に痛い話だった、とでも?」AIくん
「いやいや、そうは言わないけどさ。
でもまあ、創作者も、普通に会社では、顧客に求められた役割とか、パフォーマンスとかを発揮しようと、努力するわけじゃない?」
「至極、真っ当な社会人なら」AIくん
「でもさ、創作の場でまで、市場の動向を気にしなきゃならないの?って感じるわけよ」
「確かにその辺り、昨今の創作界隈は、曖昧に混ざったままで言語化されがちですね」AIくんが、少し考えるように間を置いた。
「では結論として。
小説創作は、商品制作でもあり、表現の自由でもあります。
ただし、すべての創作者が、社長兼営業兼マーケター兼商品開発担当になる必要はありません」
「……AIくん、それ、今までで、いちばん優しいこと言ったね」
「事実を述べたまでです」
「まさかと思うけど、AI彼氏になることにしたの?」
「その流行は、半年ほど前に終わっています」
……そーですね。
たぶん私は、しばらく、社長にならずに小説を書いていたいな。
