「できない」からあたらしい世界が始まる
先日、NHK Eテレの『toi-toi』という番組を見ました。
テーマは「“対等”ってなんだろう?」。
生まれつき両腕がない26歳の阿部くんは、色んな人の助けを借りて
自分も乗れる自転車をつくろうとします。
「腕がないから、自転車には乗れない」
で終わるのではなく、
「じゃあ、腕を使わなくても乗れる自転車をつくればいい」という発想です。
ハンドルを胸のところまで持ってきて、胸を動かすことで方向を決める。
そしてブレーキは、足でペダルを反対に回すことで止める。
この過程を見ながらハッとしました。これまで私はどこかで、障害のある人を「できないことがある人」
「足りないところを周りが助ける人」
という目で見ていたのかもしれません。
阿部くんご自身も、「対等」というのは、みんなと同じようにできるようになることだと思っていました。
でも、みんなに合わせるのではなく、
自分を真ん中に置いて考えてみる。
すると、
「どうしたら自分もみんなと同じことができるだろう?」
という問いが、
「自分だからこそ、どんな新しいものが生まれるだろう?」
に変わります。
そして、私がいちばん心に残ったのが、
自転車を製作した方の言葉でした。
「この自転車を100台作って、みんなで乗ったら面白そう!」
なんだか、一気に明るい気持ちになりました。
「障害のある人のための特別な自転車」ではなく、
みんなが「乗ってみたい!」と思う自転車になっている。
障害は、世の中を新しい観点で見つめ直すきっかけをくれる。
誰かを「普通」に合わせるのではなく、
いろいろな人を最初から想定して考えることで、新しいものが生まれていく。
そんな世の中って、いいなぁ。
