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血圧200でも入れていいと言われたとき

人が清潔を保つために、入浴は大切だ。

だが、入浴にはリスクがある。

転倒。
ヒートショック。
そして血圧。

施設では一応、入浴の上限血圧を設けている。

ところが、時折こう言われる。

「主治医が入れていいと言っているから、入れてください」

話を聞くと、

「血圧200を超えていても、短浴なら大丈夫だと」

とのこと。

主治医から直接聞いたわけではない。
家族の言葉を疑いたいわけでもない。

だが、施設としては基準に従わなければならない。

もし事故が起きたとき、

「家族が言っていたから」
「主治医が言っていたから」

では済まない。

責任は、こちらに来る。

清拭という選択肢もある。

だが、清拭では入浴加算は算定できない。

家族は入れたい。
施設は慎重になる。

いつも、そのあいだにいる。

清潔を守ること。
命を守ること。
制度を守ること。

どれも間違っていない。

だが、全部を同時に守るのは難しい。

家族は入れさせたい。
施設は基準を守りたい。
主治医は医学的判断をする。

そして、浴室に立つのは現場だ。

責任の線は、
どこに引かれているのだろう。

今日も血圧計の数字を見ながら、
私は静かに考えている。

介護の世界に正解はない。
それらしい答えを探す日々が、続いている。

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