花をえらぶ人
値札を見て、手が止まる日が増えた。
ホームセンターの生花コーナーの花も、日に日に少なくなっていく。
それでも、どの花を持って帰ろうかと真剣に悩む人は、今日もいる。
せっかく来たのだからと、わたしも花を選ぶ。
花桶の隙間から、
大学生くらいの男の子が、向日葵と白い霞草を持って、
ひょこっと現れた。
いかちいインダストリアルのピアスをつけていたから、
その風貌と手に持つ花のギャップに、わたしの顔が綻ぶ。
花に夢中で、こちらには気づかない。
彼にとっての花は、向日葵と霞草なのかしら。
すれ違っただけなのに、可愛く見えて。
よく知らない綺麗な花ではなく、自分が知っている花を選ぶって、
すごく誠実じゃない。
花を買うのは、誰がためか。
花を選んでいるときも、
そわそわラッピングを待っているときも、
花束を渡しに向かう道も、渡す瞬間も。
お気に入りの花器に飾ってくれたら、もっとうれしい。
誰かのためのはずが、いつの間にか、自分の喜びになっている。
わたしも、花を飾ろう。
ちいさくていいから。
それじゃ、おやすみ。
むにゃむにゃ
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