見出し画像

子供が借金したとき、親が絶対にやってはいけないこと

こんにちは!
発達障害専門FPの岩切です。

今回は、少し重い話です。
年に4~5回頂く相談で、とても深刻な話です。

「子どもが消費者金融で借金を作ってしまった」

これに対して、どのように対処するのがよいのでしょうか。

FPの視点と、当事者支援の視点から書いてみます。

絶対にやってはいけないこと

子どもが借金をしたときに、親が絶対にやってはいけないこと。

それは、
親が立て替えて払うことです。

親が子どもの借金を払うと、その場はいったん落ち着くように見えます。

でも、それは本当の解決ではありません。

消えたのは借金の残高だけです。

本当に解決しなければいけないのは、借金を作った原因です。

こうした原因が残ったまま、親が対処療法的に借金だけを消してしまうと、本人は「自分の選択の結果」を十分に引き受けないまま終わってしまいます。

これは厳しい言い方をすれば、本人から学ぶ機会を奪っている状態です。

借金には、本来なら痛みがあります。

返済に追われ、信用情報に傷がつき、生活が不便になります。
私もカードローンで200万、リボで100万借金をしていたことがあるので分かります。
人生の自由度は確実に減ります。
これは、本人にとって苦しいことです。

しかし、その苦しみがあるからこそ、お金や自分自身の人生と向き合うことができる、と考えています。

ところが、親がすぐに立て替えると、本人はこの苦しみを経験することはなくなります。

本人の中に「最後は親が何とかしてくれる」という学習が残ります。

実際に、本人が原因に向き合わないまま、対処療法的に借金だけ立て替えると、かなり高い確率で、子供はまた借金します。

肌感になってしまいますが、相談に来てくださる方は、
「一回目の返済は親がしたけど、子どもがまた借金をして・・・」と言う方も少なくありません。

代わりに返済をしてもらったとき、本人も反省するそぶりを見せるそうです。「もう二度としない」「次はちゃんとする」と言いつつ、また借金を重ねてしまうそうです。

特に、発達障害、知的障害、精神疾患、依存症、強い衝動性などが背景にある場合、「反省したから大丈夫」と考えるのは危険です。またやります。

米国の研究では、2023年の消費者破産申立人の約46%が過去の破産歴を持つというデータもあります。
日本には数字上のデータはありませんが、過去に自己破産した人が、期間を空けてまた自己破産するケースは実際にあります。(実際にご相談者の方でいらっしゃいました)

親がやるべきことは、借金を消すことではありません。

親が背負うほど、本人の責任感は育ちにくくなる

子どもを見捨てろ、という話ではありません。

ただし、子どもの借金は子どもの人生の問題です。

親の人生ではありません。

老後資金に取っておいたお金を子供の返済に使ったのに、また子供が借金をしてしまって、もうこれ以上親としてお金は出せない、という中でご相談に来られた方も一人や二人ではありません。
兄弟がいた場合は、1人に立て替えることで兄弟間に不公平感が出ることもあります。

親が立て替えることで、子どもは痛みや苦しみをを引き受けないまま、また同じ選択を繰り返す可能性があります。実際にかなり多いんです。

親が本当に守るべきなのは、子どもの「今の不安」ではないと思います。

借金をきっかけにした、子どもが自分の人生の責任を引き受ける機会ではないでしょうか。

借金問題では、親の優しさが逆に本人の自立を遅らせることがあります。

まず確認するべきこと

子どもが借金を作ったとき、親が最初にやるべきことは返済ではありません。

情報整理です。

子どもの借金が判明したら、最低限、次のことを確認してください。

①借入先
消費者金融、カードローン、クレジット、後払い、個人間、闇金など
②借入額
元金、利息、遅延損害金を分けて確認借入件数1社なのか、複数社なのか
③滞納状況
いつから返済できていないのか
収入
給料、手当、仕送り、副業など
⑤支出
家賃、通信費、サブスク、課金、ギャンブル、交際費など
⑥借金の理由
生活費不足、浪か、依存、詐欺被害など
⑦保証人

親が保証人や連帯保証人になっていないなら、原則として親が子どもの借金を返す必要はありません。

「親なんだから払ってください」と言われても、突っぱねて良いのです。

絶対にやってはいけない対応

借金問題で、親がやってはいけない対応が3つあります。

1つ目は、本人の代わりに返済すること。これは本当にダメ、ゼッタイ。

2つ目は、親のクレジットカードやキャッシュカードを渡すこと。対処療法的に過ぎません。やるなら家族カードで明細は親管理。

3つ目は、「今回だけ」と言って現金を渡すこと。

4つ目は、士業に相談せずに家族会議だけで解決しようとすること。

どれもNG対応です。

本人に悪意はないと思います。
ただ、悪意はなくても弱さはあると思います。
反省も、その時は本当に反省しているのだと思います。
だから、本人が良い子悪い子ではなく、お金や欲望の管理の得意苦手で判断して対策することが重要でです。

正しい対応

借金問題は、家族だけで解決しようとしない方がいいです。

感情が入りすぎるからです。
怒るとどんどん隠します。これは子供に限らず、配偶者で借金癖がある人もそうです。
親や配偶者に隠れて闇金というケースもありました。

先ほどの項目を確認して、もし返済が難しければ、弁護士や司法書士などの士業に相談してください。

返済が難しいかどうかの判断がつかなければ、FPに相談してください。

返済出来なければ、債務整理です。
任意整理や自己破産などがあります。このあたりは今度詳しく書きます。

どの方法がいいかは、ネット記事を読んで自己判断するより、債務整理に詳しい弁護士・司法書士に相談した方が早いです。

再発防止ための法的措置

借金の再発防止についての法的な措置についても整理します。

まず検討したい制度の一つが、貸付自粛制度です。

本人(もしくは法定代理人)の申告により、信用情報機関に「この人には貸付を控えてほしい」という情報を登録する制度です。

消費者金融やカード会社などが審査をする際の参考情報になります。

ただし、万能ではなく、本人が成人している場合、本人の意思で撤回できる場合があります。すべての借入を完全に防げる制度ではありません。
闇金や個人間融資、SNS経由の違法業者には別の対応が必要です。

ただ、ここまでやっても、借金するために自らこの制度を撤回しにいくようだと、買い物依存の可能性があるので、医療に繋がった方が良いでしょう。

また、対策として検討したいのは当事者会です。
借金や浪費の問題には、DA(デターズ・アノニマス)という自助グループがあります。ギャンブルによる借金であれば、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)があります。

家族側がつながる場としては、ギャマノンやギャンブル依存症の家族会もあります。

「借金で苦しい」と子供が言ってきたときに、親が言えること

親が子どもに言うべきなのは、こういう言葉です。

「お金は出さない。でも、一緒に専門家のところには行く」

冷たいように聞こえるかもしれませんが、長期的にはこれが一番本人のためになります。

中には「なんで困ってるのに助けてくれないんだ!」と逆切れする子もいるかもしれません。
しかし、それでも絶対にお金を出してはいけません。

子どもの人生は、子どもの人生です。

割り切って専門家につなぎ、本人に問題と向き合ってもらってください。

親が全部背負う必要はありません。

本当に必要なのは、親が借金を消すことではなく、子供がこれ以上借金で人生を壊さないようにすることではないでしょうか。

私も娘がいます。彼女が大人になった時に「パパ、借金がある」と泣きついてきたら、正直ぶれると思います。
でも、何も代わりに返済しても解決しないし、本人のためにならないと自分に言い聞かせ、寄り添い専門家に繋ごうと思います。
そんなことはないのが一番ですが、想定しておくことも大切です。

ぜひ親は、財布を開くのではなく、専門家への道を開いてあげてください。

お金の管理方法や、発達障害の子供がどこで躓いてしまうかを、拙著「発達障害かもだけど、お金のことちゃんんとしたい人の本」でもまとめているので、ぜひご覧ください。(1.5万部刷!)

このnoteでは、ADHD当事者であり国家資格のFP1級である岩切が、
発達障害とお金の話、親亡き後の話、ADHDライフハック、日々の所感を
毎週月曜、水曜、土曜20時に発信しています。
ぜひフォローしてお待ちください!


いいなと思ったら応援しよう!

岩切 健一郎 発達障害専門FP 最後まで読んでいただきありがとうございます! サポート頂いたお金は本の購入に充てます。 分かりやすくまとめていきます!