同期の涙 AIの指摘
「moyamoyaさん…うぅっ」
嫌な予感。
同じタイミングで在宅勤務を始めた、唯一となった同期が電話口で泣いていた。
彼女が泣くのはこれが初めてではない。
◇
ちょうど月の繁忙期の週のこと。
職場のいちばん新しいAさんが、体調不良で1週間休んでいたが、療養期間が延びた。
現時点で期間は未定。診断書も出ているらしい。
仕方ないことは重々承知しているが、昨年から退職者の穴埋め中のところ、その人の業務のフォローも加わることになり、当然仕事は追い付かず、同期と私は毎日残業。何とか1.5日遅れで回していた。
それは自分たちのためだ。
◇
中途採用で3年目になるBさんは、また別の業務の欠員補充で入社したが、いまだに一人で任せられる業務が見つからないようで業務を転々としている。
マニュアルを作ることを最重要とし、自分専用に膨大な量のマニュアルを作り、ルーティーンの業務も毎度マニュアルをなぞって対応する仕事のやり方だ。
スキャナーに書類をセットするだけでも、手順書が欲しいと言う。
Bさんの出来ること探しのために、私も同期もBさんに仕事を教えたり、尻拭いまでやるように上から言われやっていた時期もあるが、芽が出なかった。
結果的に当初やってもらう筈だった業務を任せられず、外部に委託することになったり導入されたものもあり、Bさんの人件費以上のコストがかけられている。
◇
私たちが在宅勤務になってから、なぜか同期だけリーダーと1対1でZoomを繋がれた状態で仕事をしていた。その目的は曖昧。一応説明された目的はあるが(具体的には書けない)、通常そんな目的でZoomは繋ぐようなものではなく、釈然としない。
実は以前も、彼女は電話口で泣きだしたのだった。
自分の仕事ぶりを信用されていないからZoomを繋がれているのではないかなどと、ネガティブな方にどんどんとらえ始めていた。
不安定な同期の様子をこっそり上席に報告したあと、Zoomの接続は中止された。
社内では長く勤めている側の私たちは、これまでの会社の傾向からこんなことを思っていた。
当初の予定よりコストがかかっているため、これ以上増員せず、私や同期に振れるものを振って回そうと経営陣は考え、どのくらいの業務なら振れるか試されているのではないか。
特に同期は在宅勤務になったことで、(過剰だった)業務の一部が他に移ったので、その分の時間がどのくらい空くのかを確認されているのではないかと。
同期はZoomの接続を中止されたことで、不安定な様子が落ち着いたように感じていたし、本人もそれを認めていた。
ところが、それは長く続かなかった。
今度はBさんが風邪のため、代わりにやるように振られた慣れない業務に、同期は午前中、自分の仕事を全く進められずパニックとなり、リーダーに相談して引きあげてもらったまでは良かった。
定時前に、パニックになったときの仕事の状況(何の業務がどのくらいたまっていたのか等)を詳細に報告をあげることと、また来週からZoomを繋ぐように言われたのだと、泣きながら私に電話をかけてきたのだった。
先日の泣いた日から、1週間しか経っていない。
◇
彼女からの電話の途中で、上席の一人から別件で電話があったので、彼女にはかけ直すと伝えて、上席の電話に出た際に、同期の危ういメンタルのことも伝えた。そのあとリーダーからも電話が入ったので、リーダーにも伝えた。
かけ直したときに、彼女はさっきよりは若干落ち着いた様子だった。リーダーから宥められたと言い、週明けのZoomは繋がないと言われたのだそう。
お互い残務のために、週末は忘れて好きなことしてねと言って電話を切った。
待ち望んでいた推しのイベントに当選したのだったが、それよりも仕事での出来事によるダメージが大きすぎて、喜びが十分の一ぐらいまで薄れた。
そして、この一連の流れを少々簡潔にしてAIに愚痴ると、AIから
「同期を心配しているあなたも、ぎりぎりのところまで働いていることを忘れないように」
と指摘され、ハッとしてグッと来た。
なんてふざけてないとやってられない。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします。いただいたチップは、家族の団欒のために使わせていただきます🍀