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上司から「その根拠は?」と聞かれて詰まる人が準備しておきたいこと

プレゼンや会議で、自分なりに説明したつもりなのに、

「その根拠は?」

と上司から聞かれて、言葉に詰まってしまったことはないでしょうか。

たとえば、

最近、不良が増えています。

この方法に変えた方が効率的です。

お客様からの評価も良くなっています。

どれも、それらしい説明に聞こえます。

しかし、聞き手からすると、

「それは何を見てそう判断したの?」

という疑問が残ります。

ここで大切なのは、単に数字を出すことではありません。

根拠として伝わるためには、少なくとも次の4つを確認しておく必要があります。

  • 数字

  • 比較対象

  • 出典

  • 事実と解釈の区別

1.数字があるか

「増えている」

「減っている」

「多い」

「効果がある」

こうした言葉は便利ですが、人によって受け取り方が変わります。

たとえば、

最近、不良が増えています。

ではなく、

不良率が先月の1.2%から今月は2.1%に上昇しています。

とすれば、状況がかなり具体的になります。

同じように、

作業時間が短くなります。

ではなく、

1件あたりの作業時間が10分から7分になる見込みです。

とすれば、聞き手は効果の大きさを判断できます。

数字は、説明を難しくするために使うものではありません。

曖昧な言葉を、同じ基準で話せるようにするためのものです。

2.何と比較しているか

ただし、数字を出せばそれで十分というわけではありません。

たとえば、

不良率は2%です。

と言われても、その数字が良いのか悪いのか分からないことがあります。

そこで必要になるのが、比較対象です。

たとえば、

先月は1%だったのに対し、今月は2%です。

昨年同期の平均は0.8%でした。

社内基準は1%以下です。

と比較すれば、

「2%という数字を、なぜ問題だと考えているのか」

が分かります。

比較対象には、たとえば次のようなものがあります。

  • 前月

  • 前年

  • 目標値

  • 社内基準

  • 導入前

  • 他の工程

  • 他の方法

大切なのは、

その数字だけを見せるのではなく、「何と比べてどうなのか」まで示すことです。

3.その数字はどこから来たのか

次に確認したいのが出典です。

たとえば、

顧客満足度が上がっています。

と言われたとします。

すると聞き手は、

「何のデータ?」

と聞きたくなるかもしれません。

アンケート結果なのか。

営業担当者の感想なのか。

問い合わせ件数なのか。

SNSの反応なのか。

同じ「顧客の評価」でも、元になっている情報によって意味が違います。

ですから、

2026年7月に実施した顧客アンケート100件では、満足と回答した割合が前年の72%から81%に上昇しました。

というように、

  • いつ

  • どこから

  • 何件

  • どんな方法で

得た数字なのかを確認しておきます。

スライドに出典をすべて大きく書く必要はありません。

ただし、

「その数字はどこから?」と聞かれたときに答えられる状態

にはしておきたいところです。

4.事実と解釈を分ける

ここは、特に気を付けたいポイントです。

たとえば、

新しい方法に変えたことで、不良率が下がりました。

と言ったとします。

実際に確認できているのが、

新しい方法へ変更した後、不良率が2%から1%へ下がった

という事実だけだとしたら、

「新しい方法に変えたことで下がった」

と原因まで断定できるとは限りません。

同じ時期に、

  • 材料が変わった

  • 担当者が変わった

  • 設備を整備した

  • 生産量が減った

など、別の変化があったかもしれません。

そこで、

事実:方法変更後、不良率が2%から1%へ低下した

解釈:方法変更が改善に影響した可能性がある

と分けます。

この2つを混ぜてしまうと、

「本当にその方法のおかげなの?」

と聞かれたときに詰まりやすくなります。

品質管理でも「なぜそう言えるのか」を確認する

私は品質管理の仕事をしてきました。

品質の問題を調べるときも、

「最近不良が多い気がします」

だけでは判断できません。

何件発生したのか。

以前と比べてどうなのか。

どのデータを使っているのか。

本当にその原因だと言えるのか。

一つずつ確認していきます。

プレゼンも同じだと思います。

「説得力を出そう」と考えるより、

「なぜ私はそう言えるのか?」

を一つずつ確認する方が、根拠は整理しやすくなります。

「その根拠は?」と聞かれる前に4つ確認する

次にプレゼン資料を作るときは、自分の主張を一つ選んで、次の4つを確認してみてください。

1.数字はあるか

「多い」「増えた」「改善した」だけになっていないか。

2.比較対象はあるか

何と比べて良い・悪いと判断しているのか。

3.出典は分かるか

その数字や情報は、どこから得たものなのか。

4.事実と解釈を分けているか

確認できていることと、自分の判断を混ぜていないか。

この4つが揃っているだけでも、

「その根拠は?」

と聞かれたときに、かなり答えやすくなります。

まとめ

上司から、

「その根拠は?」

と聞かれて詰まると、

「もっと詳しく調べておけばよかった」

と思うかもしれません。

もちろん、情報不足の場合もあります。

しかし、すでに持っている情報を、

  • 数字

  • 比較対象

  • 出典

  • 事実と解釈

に分けて整理するだけで、説明しやすくなることもあります。

プレゼンで大切なのは、ただ結論を言うことではありません。

「なぜ、その結論なのか」を聞き手が確認できる状態にしておくことです。

資料を完成させる前に、自分の主張を一つ取り出して、

「この話の根拠を聞かれたら、自分は何と答えるだろう?」

と考えてみてください。

答えに詰まったところが、本番前にもう一度確認しておきたいポイントです。
それでは今回はこのあたりで。

近藤裕規

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