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塩ジャケの皮を美味いと思う世代

「僕の昭和スケッチ」325枚目

<「塩ジャケの皮は美味」© 2026画/もりおゆう 水彩/ガッシュ  禁無断転載>

以前に岐阜の実家に僕が帰った折のこと。

兄貴と僕と甥っ子の3人で昼の食卓を囲んでいた。
テーブルには焼いた塩ジャケが並んでいた。
ちなみにこの時、甥っ子は30前後(覚えていない)(笑)

甥っ子はシャケの皮を残して食べ終わり、ふと言った。
「このシャケの皮って食べられるの?」
と。

兄貴は、すぐさま言った。岐阜弁で。
「何を言っとるんじゃ、お前。そこが一番美味しいんやないか。」
と。

僕は、兄貴がそう言うのを聞いて「あなたの子供なのに今頃なに言うとるんや、、、」という感じだった(笑)

でも、僕はそれは口に出さず、彼の息子にこう言った。

「鮭の皮は本当に美味しいいよ。僕らにとってはご馳走と言ってもいいくらいだ」
と。

僕と兄貴は戦後の貧しい時代に育った。
兄貴は終戦前に生まれ、僕は戦後数年経って生まれた。家庭はさほど裕福ではなく、、、いや、単純に言って二人共貧乏小僧だ(笑)。

塩鮭は安い魚だったから、当時はよく食卓に登った。僕も兄貴もそれをことの他美味しいと思って育った。兄貴は終戦直後の酷い時代に幼年期を過ごしているから、おそらく僕よりも辛い子供時代を過ごしたのだろうと思う。そのことが時折僕の負い目になる。彼にとって塩鮭は僕の思うよりさらに美味しいものだったのだろうと思う。いずれにせよ、二人共に塩鮭のパリッと焼いた皮は大好きで、それを食べられるだけで幸せだった。それは、肉が食卓にのぼることのない時代だ。

さて、話に戻ろう。

「鮭の皮は本当に美味しいいよ。僕らにとってはご馳走と言ってもいいくらいだ」
と僕が言うと、甥っ子はこう答えた。

「確かに美味しいね。でも、メチャメチャ美味いというほどでもないね!」
と。

僕は、彼のその屈託なく笑って言った罪のない言葉に戸惑った、、、

「いやいや、僕にとっては滅茶苦茶おいしいのだけれど、、、」
そんな声が心の中で響いた。
きっと、兄貴も同じだったろうと思う。

たかが、塩鮭一匹の話と笑うなかれ、、、
世代格差を感じる若者の一言だった(笑)


<令和の今でも鮭はお弁当に入ったり、大活躍の食材です。些かお値段も高くはなりましたが(笑) 好みもありますからなんとも言えませんが、僕は焼いた塩鮭の皮を鮭の身と頂くのが大好きなのです!>
<©2026もりおゆう この絵と文は著作権によって守られています>
(©2026Yu Morio This picture and text are protected by copyright.)

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