50代、再雇用を選ぶ前に。「給与」より先に確認しておきたい3つのこと
50代になると、定年後の働き方として「再雇用」が現実的な選択肢になってきます。
同じ会社で働き続けられる安心感があり、新しい職場を探す必要もない。長く働いてきた会社だから、仕事や人間関係もある程度分かっています。
一方で、気になるのは給与です。
「再雇用になったら、いくらになるのだろう」
もちろん大切な確認事項です。
ただ、再雇用を選ぶかどうかを考えるなら、給与だけを見るのは少しもったいないと思っています。
なぜなら、60歳以降の数年間は、単に収入を得る期間ではなく、その後の働き方や人生をつくる時間にもなるからです。
再雇用を考えるなら、給与と一緒に、次の3つも確認してみてほしいと思います。
1|制度ではなく、「実際に働いている人」の話を聞く
再雇用制度について調べると、給与、勤務日数、契約期間、福利厚生などは確認できます。
でも、制度資料だけでは分からないことがあります。
実際にはどんな仕事をしているのか。
以前と比べて役割や責任はどう変わったのか。
職場での人間関係はどうなのか。
仕事へのやりがいは残っているのか。
こうしたことは、むしろ実際に再雇用で働いている人に聞く方がよく分かります。
可能なら、自分の会社で再雇用を選んだ先輩に話を聞いてみる。
「再雇用を選んで、よかったことは何ですか?」
「逆に、想像と違ったことはありますか?」
「仕事へのやりがいは変わりましたか?」
「以前の上司や部下との関係はどう変わりましたか?」
「もう一度選べるとしても、再雇用を選びますか?」
こうした質問をしてみると、制度表だけでは見えなかったものが見えてくるはずです。
「そんなことを聞いていいのかな」
と、少し躊躇する人もいるかもしれません。
でも、その30分の会話が、この先数年間の働き方を考える大きな材料になる可能性があります。
給与は下がっても、責任が軽くなり満足している人もいるでしょう。反対に、思っていたより役割が曖昧になり、やりがいを感じにくくなった人もいるかもしれません。
だからこそ、制度だけではなく、実際にその制度を選んだ人の「その後」を知ることが大切だと思います。
2|「いくらもらえるか」だけでなく、時間の使い方を見る
次に確認したいのは、働く時間です。
週5日フルタイムなのか。短時間勤務は選べるのか。残業はあるのか。勤務地は変わる可能性があるのか。
ここは給与とセットで考えたいところです。
仮に収入が下がったとしても、働く時間が減り、その時間を副業や学び、健康、家族との時間に使えるなら、再雇用の価値は変わります。
一方で、仕事内容も勤務時間もほとんど変わらないのに、給与だけが大きく下がるのであれば、自分がその条件に納得できるかを考える必要があります。
50代以降は、
「いくらもらえるか」だけではなく、「自分の時間をどのくらい会社に使うのか」
という視点も大切になってきます。
再雇用で得られるものと、会社に使う時間。
その両方を見て判断したいところです。
3|再雇用の数年間で「次の仕事」を育てられるか
そして、もう一つ確認しておきたいのが、副業や兼業ができるかどうかです。
再雇用を選んでも、その会社でいつまでも働けるとは限りません。
だから、再雇用期間を単なる「定年の延長」と考えるのではなく、その先の働き方を準備する時間として使う方法もあります。
会社で一定の収入を得ながら、会社の外で小さな仕事を育てる。興味のある分野を学ぶ。社外の人との接点を増やす。
数年間かけて準備できれば、その後に、
「さて、次はどうしよう」
とゼロから考える必要がなくなります。
再雇用制度を見るときには、給与や勤務条件だけでなく、副業・兼業の可否や、会社外の活動に使える時間があるかまで確認しておくと、その後の選択肢が大きく変わります。
再雇用は「制度」ではなく、「その数年間をどう使うか」で考える
再雇用には大きなメリットがあります。
慣れた会社で働きながら、一定の収入を得られる。
だから、再雇用を選ぶこと自体が良い、悪いという話ではありません。
大切なのは、
「再雇用できるから、とりあえず続ける」だけで決めないこと。
実際に再雇用で働いている人は、どう感じているのか。
自分の時間は、どのくらい残るのか。
その数年間を使って、次の仕事を準備できるのか。
ここまで確認してから給与を見ると、自分にとっての再雇用の価値が、かなり具体的に見えてくると思います。
もし自社の再雇用制度について詳しく知らないなら、まず制度資料を確認する。
そして、その次にぜひ一度、実際に再雇用を選んだ先輩に話を聞いてみる。
聞くのに少し勇気が必要かもしれません。
でも、その会話をしたかどうかで、これからの人生の選択が変わることもあると思います。
再雇用を選ぶ前に必要なのは、条件を見ることだけではありません。
「その働き方を選んだ自分が、数年後にどう感じているか」を、できるだけ具体的に想像してみること。
そのための材料を、今のうちから集めておく。
50代からの働き方を、自分で選ぶために大切な準備のひとつだと思います。
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