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dongmu
小説 図書館物語ー死ぬな、生きろ!
真夏の午後。
事務室の外は40度近い気温。
「それじゃ、行ってきます。」
副館長が会議の資料を抱えて立ち上がる。
今日は館外での会議。
副館長は暑さにも日差しにも弱い。
夏の外出は、それだけで一仕事だ。
日傘を持ち、水筒を確認し、首元を整え、深呼吸をひとつ。
「さあ、出かけるわよ……。」
そう言いながらも、二の足を踏んでいる。
その様子を見て、陶子は思わず声をかけた。
「副館長!」
副館長が振り返る。
陶子は胸の前で手を組み、もののけ姫のアシタカを思い浮かべながら、凛とした声で言った。
「死ぬな、・・・生きろ!」
図書館の事務所はオタクの巣窟である。
次の瞬間。
どっと笑い声が上がった。
副館長も吹き出しながら、
「行ってきます!!」
と元気よく返事をする。
そして笑顔で手を振り、灼けつくような夏の日差しの中へ歩いていった。
その背中を見送りながら、陶子は小さくつぶやく。
「……ご武運を。」
すると、事務室にいたオタクたちは、示し合わせたわけでもないのに、それぞれ胸に拳を当て、副館長の出陣を静かに見送った。
つづく
