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【刃牙・音速拳】物理学で分析したら、腕の温度が100℃まで一気に上昇していた件

『刃牙』の愚地克巳が放つ「マッハ突き」は、全身の関節をイメージで多関節にし、それをバネのように連動させ、拳の先端速度を音速まで引き上げるという技です。単なる「速い突き」の究極とも言えます。今回は、これまでの試算で出てきた数字をできる限り拾いながら、この技を改めて本気で検証してみます。

愚地克巳の体格

公式プロフィールによると、愚地克巳の身長は186.5cm、体重は116kgとされています。

116kgという数字は、成人男性ふたり分です。そして、186.5cmという長身は、拳が描く「回転半径」を大きく取れることを意味します。自転車のクランクが長いほど同じ力でも大きな仕事ができるのと同じ原理で、この長いリーチが最終的な拳の速度を底上げする土台になっています。

音速の拳を出すのに何が必要か

お風呂の湯船でお湯をかき混ぜるとき、手をゆっくり動かしても水はあまり動きませんが、勢いよく振ると水しぶきが飛び散ります。マッハ突きは、この原理を足先から拳まで全身の関節を使って連続的に増幅させていく技だと考えられます。

拳の到達速度は、音速(時速にするとおよそ1,235km)に相当すると仮定されます。新幹線どころか、旅客機の巡航速度すら追い抜くスピードが、人間の拳の先端で再現されるということです。

このとき実際に動いているのは腕全体ではなく、体重のごく一部(体重の約5%、5.8kgほど)が連動して加速したものだと仮定されています。お米5キロの袋がそのまま音速で飛んでくるところを想像してみてください。

この一撃が生み出す運動エネルギーは、およそ34万ジュールに相当すると見積もられます。これは手榴弾ひとつ分の爆薬とほぼ同じ規模のエネルギーが、拳の一点に閉じ込められているのと同じです。

さらに恐ろしいのは、この数値が体重116kgという設定を反映させただけで、一般的な体格を想定した試算のおよそ10倍にまで膨れ上がる点です。体格ひとつで爆発力が桁違いに変わってしまう、ということになります。

一撃にどれだけの体力を使っているのか

スマホを急速充電すると本体が熱くなりますよね。大きなエネルギーを短時間でやり取りすると、必ず「熱」という形でロスが生まれるからです。マッハ突きも同じで、これほどの運動エネルギーを一瞬で生み出すには、その裏側で莫大な熱エネルギーが発生します。

人体の運動効率から逆算すると、拳を打ち出すために腕一本へ集中する熱量はおよそ1,000キロジュール、カロリーに換算すると240キロカロリーほどになります。これはご飯茶碗一杯分のエネルギーが、腕の筋肉と骨に一瞬で流れ込むようなものです。

この熱は、腕の温度を瞬時に100℃以上も跳ね上げる規模だと見積もられます。やかんのお湯が沸騰する温度まで、自分の腕が一瞬で持っていかれるようなものです。

もうひとつ見逃せないのが、脳から拳への「指令の速さ」です。人間の神経が信号を伝える速さは秒速120メートルほどとされていますが、音速(秒速343メートル)はそれをはるかに超えています。つまり克巳の脳は、突きを出す前の段階で動きをあらかじめプログラムし切っておき、実行中は考えずに体を走らせる状態になっていると考えられます。

この技をくらった人体はどうなるのか

まず起きるのは、骨格層への衝撃です。パァンという破裂音とともに、標的の体はハンマーでコンクリートを叩いたように内側から陥没します。人間の骨が耐えられる圧縮の限界を、この一撃はおよそ240%も超過すると見積もられており、受けた側は声を出す間もなく膝から崩れ落ちるでしょう。

そしてもうひとつ、怖いのは体液層への衝撃です。ペットボトルを勢いよく踏みつけると中の水が一瞬で噴き出すことがありますが、あれと似た現象が体の中で起こります。標的の体内では瞬間的におよそ5,600気圧という圧力波が走り抜けると見積もられ、これは深海1万メートル以上の水圧すら軽く超える数値です。皮膚や筋肉といった柔らかい組織が耐えられる強さに対しては、この圧力は数万パーセント規模の過負荷になるとされ、外傷が目立たなくても体の内側から破壊が進んでいる可能性があります。

【評価スコア】定量化してみた

・威力:85点/100点 骨格・内部組織の両方に致命的な損傷を与える規模です。
・速度:99点/100点 拳の到達速度が音速域に達するため、視認・回避はほぼ不可能です。
・精度:70点/100点 全身連動の性質上、狙いを一点に絞る繊細さはやや犠牲になります。
・射程:30点/100点 接近戦専用の技であり、有効距離は拳の届く範囲に限られます。
・リスク:98点/100点 反作用による自傷(腕の損傷)がほぼ確実に発生する諸刃の剣です。
・習得難度:98点/100点 全身の関節連動を意識で制御する領域を超えた、特異な身体能力が前提です。

※スコアはすべて作中描写に基づく、個人的な定性的評価です。

【結論】この技を一言で定義すると?

マッハ突きとは、「わずか5.8キロの質量を音速まで加速させ、手榴弾一発分のエネルギーと5,600気圧の衝撃波を標的に叩き込みながら、自分の腕にも100℃超の熱と限界超えの応力を強いる、自己犠牲型の運動エネルギー弾」だと言えるでしょう。放つ側も無傷では済まない、まさに諸刃の一撃です。

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