【円安の犯人は誰だ?】
〜白川元日銀総裁が語った「日本が静かに貧しくなった本当の理由」〜
はじがき
1ドル360円。
若い世代には想像もつかない数字だろう。
昭和の日本。
まだ豊かとは言えなかった時代だ。
ところが今、円の実力を示す「実質実効為替レート」は、その1970年水準を下回った。
私はこの数字を見た時、正直ゾッとした。
なぜならこれは単なる円安ではない。
日本そのものの価値が下がったことを意味しているからだ。
そんな中、元日銀総裁の白川方明氏が興味深い発言をしている。
彼は言う。
「問題は金融政策だけではない」
では本当の原因は何なのか。
STEP1 みんな円安ばかり見ている
ニュースは毎日こう言う。
円安だ。
円高だ。
為替がどうだ。
しかしそれは体温計を見ているだけだ。
本当の病気は別にある。
白川氏が見ているのはもっと深い部分だ。
日本経済そのものの体力である。
STEP2 1970年より円の実力が低い衝撃
実質実効為替レート。
聞き慣れない言葉かもしれない。
簡単に言えば、「円で世界の商品をどれだけ買えるか」という指標だ。
この数字が2023年、1970年の水準を下回った。
固定相場制だった時代よりも低い。
これは歴史的な出来事だった。
STEP3 円安で誰が得をしたのか
もちろん恩恵を受けた人たちもいる。
輸出企業だ。
自動車。
機械。
電子部品。
円安は利益を押し上げる。
しかし問題はそこで止まらなかった。
企業利益は増えた。
ところが賃金は思うほど増えなかった。
ここに日本経済の歪みがある。
STEP4 失われたのは円ではなく賃金
日本人は勘違いしている。
貧しくなったのは円のせいだと。
違う。
本当に失われたのは賃金だ。
アメリカの平均賃金は大きく伸びた。
ドイツも伸びた。
韓国も伸びた。
だが日本は30年間ほぼ横ばい。
だから海外旅行が高く感じる。
輸入品が高く感じる。
円が弱くなったのではない。
日本人の購買力が弱くなったのだ。
STEP5 白川氏が語る「稼ぐ力」
ここが今回の記事の核心だ。
白川氏は金融政策を否定していない。
だが金融政策だけでは国は豊かにならないと言う。
生産性。
技術革新。
新産業。
人材投資。
これらがなければ、いくらお金を刷っても成長しない。
稼ぐ力がなければ円も強くならない。
極めてシンプルな話だ。
STEP6 超金融緩和が生んだ副作用
超低金利は苦しい企業を救った。
住宅ローンも助けた。
景気も支えた。
しかし副作用もあった。
本来なら退出すべき企業が残る。
改革が先送りされる。
新しい産業への資源移動が遅れる。
白川氏はそこを懸念している。
延命治療が長すぎたのではないか。
という問題提起だ。
STEP7 問われているのは円高ではない
ここを間違えてはいけない。
目指すべきは円高ではない。
目指すべきは、
生産性向上
賃金上昇
付加価値創出
である。
強い経済が先。
強い円は後。
順番を間違えると議論は迷子になる。
おわりに
円安は結果だ。
原因ではない。
白川方明元総裁の言葉を要約すると、「為替相場より先に、日本の稼ぐ力を見よ」ということになる。
私たちはついドル円チャートを見てしまう。
しかし本当に見るべきは、
賃金
生産性
投資
技術力
なのかもしれない。
円安を嘆く前に、日本は何で稼ぐ国なのか。
そこから問い直す時代に入った。
全体総括
・実質実効為替レートは1970年水準以下まで低下
・白川氏は金融政策だけで円安は説明できないと指摘
・本質は日本経済の「稼ぐ力」の低下
・輸出企業利益と家計所得の格差が拡大
・30年間の賃金停滞が購買力低下を招いた
・超金融緩和は構造改革を遅らせた側面もある
・重要なのは円高ではなく生産性向上と賃金上昇
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