Vol.430 低学年(小1・2)の日常トレーニングメニューと「育成」の考え方
今回は「普段どんなトレーニングをしているのか?」という具体的なメニューの流れについて書いてみます。
以前「小学生も高校生も基本内容は同じ」と触れましたが、当然ながら運動強度や指導の落とし込み方は年代によって大きく異なります。今回は、私が日々向き合っている小学生(低学年)のトレーニングを例に挙げます。
練習の全体像はシンプルで、「ウォーミングアップ ➔ スキルトレーニング ➔ ゲーム」という構成です。
1. ウォーミングアップ 鬼ごっこを取り入れる日もあれば、試合前にも自分たちで再現できるセルフウォーミングアップを行う日もあります。例えば、腕を回しながらのジョグや各種ステップワーク(サイド、クロス、バック走など)。運動神経系を刺激するコーディネーションやアジリティの要素をしっかり組み込んでいます。
2. スキルトレーニング ドリブルひとつ取っても、真っ直ぐ運ぶだけの時もあれば、狭く限定されたグリッド内で「周りとぶつからないように運ぶ・探す」判断を伴うトレーニングも行います。 また、2人一組での対面パス、3人での三角形パス、4人での四角形パスなど形を変えながら、パスとボールコントロールのディテールを細かく指導しています。
3. ゲーム前のロンド〜ゲーム ゲームの直前には必ずロンド(4v1や4v2などのパス回し)を挟み、判断とサポートの意識を高めます。その後のゲームは、判断の選択肢を広げる4ゴールゲーム(フニーニョ)を行うこともあれば、一般的な2ゴールで行うこともあります。
これだけで、1時間半という時間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。
練習内容はチームのカラーによって千差万別です。 私自身、指導者として歩み始めた最初のチームでは、当時の監督からライバルチームの影響で「ドリブルメインでいけ」と指示され、来る日も来る日もドリブルと1v1ばかりをやらせて試合をする日々でした。
今振り返れば、個の打開力を磨くという意味では「あれはあれで一つの正解」だったのかもしれません。ただ、仲間と協調してスペースを突くような「本当のフットボール」にはなっていなかったな、とも感じます。
私にとっての育成とは、「できること・得意なプレーを一つでも増やしてあげること」です。
自分の得意なプレーが増えて自信が持てれば、それが成功体験となり、次への挑戦や「もっとこうしてみよう」という自発的な工夫へと繋がっていきます。
目先のトレンドや極端な偏りに流されず、子どもたちが将来どんなサッカーにも適応できる豊かな土台を、これからも丁寧に作っていきたいと思います。
