題名読書感想文:153 本の世界は泥棒だらけ
長い動画に耐えられなくなって、ショート動画をメインに見る人がいるらしい。そんな話を聞きました。中には批判的な意見もあるようですが、私、まったく人のこと言えません。何なら、動画の題名だけ見て満足するような行為をnoteで150回以上も繰り広げているからです。それが、題名だけ読んで読書と言い張り、感想を書いて読書感想文ということにする「題名読書感想文」です。
今回のテーマは「泥棒」です。以前、ミステリー小説という、やたらと殺人事件が起きる治安の悪い世界で「殺人事件」と名のつく題名の書籍を集めたことがありました。
それからしばらくして思ったんです。「泥棒も結構いるな」と。しかも、いろんな種類の泥棒が、いろんなジャンルの書籍に題名として採用されている。それこそ、子どもが読む絵本にだって、泥棒は普通に現れる。これは殺人事件との大きな違いです。
また、殺人事件はいろんな作品が趣向を凝らしているとは言え、「人を殺す」という点においては共通しています。泥棒だって「盗む」点においては共通しているんですが、盗むものが多彩なんです。人殺しより泥棒のほうが多様化は進んでいる。
というわけで、今回は題名に潜む様々な泥棒を選んでみました。結構な数の泥棒が検挙できたので、適当にジャンル分けしています。では、参ります。
1.ありがちなものを盗む泥棒
泥棒本もたくさん集めると、「ありがちな泥棒」というものが分かってくるわけです。書籍の題名によく出てくるものとしては、まず「宝石泥棒」があります。
確かに、泥棒と言うと何はともあれ宝石を盗むイメージがあります。理由は簡単で、小さいのに高いからでしょう。持ち運びが簡単な割に高価である。だから、泥棒のターゲットにされやすいんです。
だったら、現金だってよく盗むだろう、とは思うんです。現実の泥棒はむしろそちらがメインかもしれません。でも、書籍の題名では「カネ泥棒」とか「現金泥棒」なんて題名はほとんどありませんでした。どうしてでしょう。やはり宝石みたいなビジュアルのいいものを颯爽と持って行くからいいんでしょうか。宝石はセキュリティがしっかりしたところに保管されがちのため、それを突破してゲットする怪盗みたいな、映える光景が作りやすいのかもしれません。
他に多い泥棒としては、「恋泥棒」と「時間泥棒」があります。
恋泥棒は比喩的な意味合いメインで使われ、時間泥棒もまた比喩的な表現になり得る泥棒です。誰かを好きにさせたり、誰かの時間を消耗させたりする行為を指すわけですね。例えとして使い勝手がいいのか、それなりの数が確認できました。
盗むものを冠した泥棒ではありませんが、「大泥棒」や「泥棒猫」も多く見られました。
考えてみれば、「大泥棒」なんてフィクションでしか聞かない肩書きですね。「怪盗」と双璧を成す、創作物のほうでやたら出てくる窃盗犯です。逆を言うと、現実で窃盗で名を馳せるのは難しいとも言えます。
そして、「泥棒猫」です。確かに泥棒と言えば猫みたいなイメージがあります。どうして猫は泥棒とセットになってしまったのか。軽く検索したところ、猫は古来から人の家に入り込んで食べ物を盗み食いしてきたようなんです。そんな猫の地道な窃盗活動が積み重なり、「泥棒猫」という単語が生まれ、今日でも書籍の題名として使われるほどメジャーであり続けていると、そういうことのようです。
ここまでは、古来より活動してきた伝統的な泥棒たちでございます。近年、この伝統的な泥棒に割って入る新興勢力が現れています。それが「パンどろぼう」です。
出版は2020年とかなり最近ですが、日本国内で記録的なヒットを叩き出したこともあって、パンどろぼうシリーズがグッと勢力を伸ばしています。泥棒業界でこんな地殻変動が起きているなんて。何でも調べてみるものです。
2.盗めそうなものを盗む泥棒
冒頭でも書きました通り、泥棒は作品内でいろんなものを盗んでおり、あまつさえ書籍の題名にもしています。
「パンどろぼう」の例でも推測される通り、食べ物を盗む泥棒が多く出てきます。例えば、「プリン」「飴」「りんご」「いちご」「ウリ」「にんじん」「チーズ」「さかな」など。「おかし」や「おやつ」、「ごちそう」、「缶詰」といった、守備範囲広めの泥棒もいました。泥棒の中でも可愛らしい印象を与えやすいためか、食べ物泥棒は絵本でよく見られます。
珍しいところでは、「白米泥棒」がありました。
米屋に忍び込んで俵を担ぎ出すタイプの泥棒ではなく、「ご飯が進むおかず」の比喩表現として使っています。食べ物系の泥棒では非常に珍しいです。
食べ物以外も当然、盗んでいます。何なら、「本泥棒」がいます。
書店は万引き犯に悩まされていると言いますけど、書籍の題名にもなっているとは。当然ですが、「本泥棒」を盗んだ人は「本泥棒泥棒」になります。いや、「本泥棒本泥棒」でしょうか。
地味に嫌なのが「合鍵泥棒」です。
これは勘弁してもらいたい。何重にも迷惑が乗っかった泥棒となっています。まず鍵の付け替えをしなければなりません。面倒な泥棒です。
そうかと思えば、イマイチよく分からない泥棒もいます。「壮絶! マイク泥棒」です。
マイクを盗んでどうするのでしょう。換金するにしたって、他に売れるものはいくらでもあるというのに。しかも、「壮絶!」なんです。そこまでして盗みたいものなんでしょうか。
軽く調べたところ、ラジオ番組に関する書籍のため、比喩表現である可能性が高そうです。
豪快なものとしては「そば屋幻庵 驚嘆! 屋台泥棒」がありました。
屋台ごと蕎麦屋を盗む。なかなかに大がかりな泥棒です。仮に茹でているタイミングで盗んだ場合、伸びゆく蕎麦にどう対処するかが腕の見せどころとなるでしょう。
こんなものもありました。
「パジャマどろぼう パン大作戦!」です。この流れだとパンどろぼうに寄せているようにも見えかねませんが、こちらのほうがパンどろぼうより先に出版されており、2005年の発売です。ちょっと珍しい泥棒だって、よそと被ってしまったり、被らないまでもニアミスしてしまう可能性は充分にあるわけです。
何らかの生き物を盗む泥棒もいました。具体的には、「牛」「馬」「豚」「羊」といった家畜の他に、「猫」「犬」といった愛玩用、「白鳥」のような鳥類もいました。
珍しいところでは「もぐらどろぼう」がいました。
「もぐらを盗んでどうするのか」とも思いましたが、世の中、いろんな生き物が売買されているわけです。マニア垂涎ものの珍しい生き物ともなれば、高値で売れる。当然、盗む人も現れるんです。高値で取引される激レアもぐらとなれば、盗む輩も現れる。
と思ったんですが、書籍の表紙を見ると思いっきり人です。「もぐら」は何らかの比喩表現か、もしくは泥棒のニックネームである可能性もありそうですね。
何とも言えないものを盗む泥棒もいました。
「げんこつどろぼう」です。はて面妖な、げんこつって盗めるものでしたっけ。とりあえず、子ども向けの書籍ですので、比喩的な意味かもしれません。何らかの形でげんこつができなくなるよう仕向けるとか。
比喩表現として身体の一部を出すパターンは他にもあります。例えば、「makiの胃袋泥棒レシピ」です。
表現としては「白米泥棒」と似た方向性でございます。料理で相手を魅了する行為を「胃袋を掴む」なんて表現を使いますが、この場合の「胃袋」も似た用法だと思われます。
身体の一部が出てくるものだと、「おしりどろぼう」もありました。
どうやって盗むつもりなのか疑問ですが、こちらも子ども向けの書籍でございます。だから、きっとポップに盗むんでしょうし、比喩表現の可能性も充分に考えられます。なんか「痴漢」という単語が目の前をチラつきますが、何しろ子ども向けですから、例え痴漢だったとしても表現をポップに抑えてあると思います。
風向きが変わってくるのはここからです。
「耳泥棒」です。なんか耳なし芳一に出てくる平家の亡霊を思い出させる泥棒です。大丈夫ですよね、比喩表現とか、そういう痛くないほうの耳泥棒ですよね。
そう懇願したところに出てきたのがこれです。
いよいよ「目ん玉どろぼう」が現れてしまいました。これは恐ろしすぎます。しかも、表紙を見ると、どうもテイスト的に子ども用なんです。怪談にしたって相当ポップにしないと読んだ子どもの精神をズタズタにしてしまいそうですけれども、実際のところどうなんでしょうか。
これでは「げんこつどろぼう」も印象が変わってきます。げんこつをする部分、すなわち手首を盗んでしまおうという猟奇的な泥棒かもしれないんです。恐ろしい。こちらに来るなと言わざるを得ません。
ちなみに、ミイラ泥棒や死体泥棒もふつうに存在していました。
なんかもう、「目ん玉どろぼう」を見た後では、こちらのほうがむしろポップに見えます。「五体満足なんだからこっちのほうがいいでしょ?」とか、訳の分からない妥協を迫ってしまいそうになります。それだけ混乱しているとも言えます。
もちろん、「うんちどろぼう」も完備しています。
ここまでポップな泥棒だともう安心します。「目ん玉泥棒」に比べればウエルカムもウエルカムです。まさか、うんち泥棒にホッとさせれるとは思いませんでした。
3.盗むというかさらう泥棒
「花嫁泥棒」は泥棒とは言っておりますが、盗む対象が人であるため、正確には誘拐です。「盗む」じゃなくて「さらう」です。でも、「花嫁誘拐」とか「花嫁さらい」とかでは、シャレのならなさが泥棒と格段に違います。「花嫁泥棒」のほうがイメージ的にポップなんです。同じ犯罪なのに不思議ですね。
「泥棒」は時に犯罪をポップにさせるからなのか、人を盗むタイプの泥棒もそれなりにいました。例えば、「こどもどろぼう」です。
子どもの誘拐なんてシャレになっておりませんけれども、「泥棒」だから題名として何とかなっているように見えます。深刻さが軽減されている気がするんです。表紙でも、唐草模様の風呂敷包みで子どもを背負うというポップな表現になっており、マジの誘拐っぽさを薄めています。
「ともだちドロボウ」という書籍もありました。
表紙を見ると、子どもを複数人まとめて盗んでいます。やはり風呂敷っぽいもので盗んでおり、幼児誘拐独特の深刻さを軽減させています。とは言え、複数人まとめて盗んでいる辺り、「こどもどろぼう」より深刻な感じがします。
更に深刻なものですと「電波兄弟の赤ちゃん泥棒」がありました。
「赤ちゃん泥棒」もなかなかヤバげですが、「電波兄弟」というのが、よりヤバさを感じさせます。さすがに「泥棒」のポップさでは補い切れておりません。表紙を見る限り、「こども」や「ともだち」に比べて深刻な感じになっているため、ポップさを狙っていないのかもしれません。
そうかと思えば、こんな泥棒もいました。
「警視泥棒」です。警察の中でも、なぜか警視を狙い撃ちする泥棒でございます。目的がかなり謎です。警視が泥棒をやっている可能性もありますけれども、個人的には是非とも都道府県警察の警視を重点的にパクっていく泥棒であってほしいです。全都道府県をコンプしたらどうするつもりなんでしょうか。そこのところも聞いてみたいです。
更にはこんな泥棒もいました。
「王ドロボウJING」です。とうとう王様を盗んでしまいました。王様専門の泥棒なんて、相当に大変そうです。盗むのも大変ですし、盗んだ後も大変です。何しろ、王様は国を治めていたりしますから、一筋縄ではいかないと思うんです。宝石のように箱の中で黙って大人しくしてはくれないでしょう。更に、配下の者たちが命を懸けて取り戻しに来るでしょうし。
4.多分盗めるものを盗む泥棒
盗みの対象としてはちょっと変わっていますけれども、まあ盗めなくはないと思われるものをターゲットにする泥棒もチラホラ確認できました。
そこそこいたのが恋愛関係の泥棒です。いわゆる「恋泥棒」方面の泥棒ですね。例えば、「南海キャンディーズのハート泥棒」です。
時代を反映してか、「キュン泥棒」というものもあります。
珍しいものとしては「初恋泥棒」がいました。
初恋専門なんです。こういう方面の泥棒でも専門性を高めるあまりターゲットの幅を狭めるタイプがいるんですね。
具体的な行為を盗む泥棒もいまして、例えば「キス泥棒」「唇泥棒」が確認できています。
意味はどちらも同じだと思われます。唇をはぎ取る猟奇的な泥棒では断じてありません。
恋愛以外では、皆さんお馴染み、こんな泥棒もいました。
「NO MORE映画泥棒写真集」です。まあ、こちらは泥棒を取り締まる側がメインではあるんですけれども、それはともかく写真集を出していたんですね。やっぱり、水着グラビアとかあるんでしょうか。
他にも「映画泥棒」のような知的財産を盗むタイプの泥棒が意外といました。例えば、「名文どろぼう」「名セリフどろぼう」「画風泥棒」「字幕泥棒」「レシピ泥棒」などが該当します。
「名前泥棒」なんてものもいました。
誰かの名前を勝手に使う行為を指すのでしょうか。それとも、「千と千尋の神隠し」の湯婆婆みたいに、マジで名前を奪うタイプの泥棒なんでしょうか。いずれにしろ、いろいろ想像をかきたてられます。
変わり種としてはこんなものがありました。
「女表具師技術泥棒攻防記」でございます。
「表具師」は襖や荘司、屏風などの修復をすることで生計を立てる方を指します。
そんな表具師でも、女性限定の技術を盗む泥棒が出てくるみたいなんです。知的財産がらみの泥棒でも相当にニッチです。盗んでどうするの、という、今までいろんな泥棒に抱いてきた疑問を改めて抱いてしまいます。
そうかと思えば、こんな泥棒もいました。
「新ナニワ金融道」という漫画なんですけれども、副題が「VS.借金泥棒!」なんです。借金を盗むとは一体どういうことなんでしょう。人の借金を勝手に肩代わりするのか。それとも、借金をしまくって首が回らなくなり、泥棒に手を染めたのか。もしくは、借金したお金を返さず持ち逃げしたのか。
分かるようで分からない、それが「借金泥棒」です。
5.盗みにくそうなものを盗む泥棒
泥棒の中には、どう考えても盗めなさそうなものをターゲットにしている泥棒がチラホラ見られました。例えば、「宮殿泥棒」です。
宮殿なんてどうやって盗むというのでしょう。背負えもしなければ、引っ張ることもできません。ミニチュアが精々でございます。
ちなみに、建物系泥棒は他にもありまして、軽くあげるだけで「ホテル泥棒」「会社泥棒」「図書館泥棒」「兵舎泥棒」「宿場泥棒」、「街泥棒」や「町泥棒」もありました。みんな建物をどうにかして盗んでいるんでしょうか。それとも、土地の権利を丸ごと盗むタイプの泥棒でしょうか。
もちろん、こういう考え方もできます。宮殿泥棒とは宮殿で盗みを働くタイプの泥棒なんじゃないかと。活動の場を冠したタイプの泥棒でございます。墓泥棒と同じ文法ですね。だったら、納得がいきます。町や街で活動する泥棒を「街泥棒」や「町泥棒」と呼ぶ人なんて見たことありませんけれども、理解できなくはない。
ただ、こんな泥棒もいるんです。
「ニッポン泥棒」です。とうとう国を丸々盗もうとする泥棒が現れました。ここまで来ると、もうどうやって盗むか尋ねるのが野暮というものです。ニッポンを盗むからニッポン泥棒なんです。
何なら、もっと規模のデカい泥棒もいました。
「タイヨウドロボウ」でございまして、天体を盗もうと企む泥棒です。しかし、表面温度は5500~6000℃。超熱いです。人なんて盗もうと近づいたところで蒸発して終わりです。
もっとザックリと「星どろぼう」を名乗っている書籍もありました。
天体ってそんなにホイホイ盗めるものなんでしょうか。そんな巨大な泥棒がいるとすると、地球人の我々もウカウカしてはいられません。こうしている間にも、みんなの地球は星泥棒に盗まれて、どこかへ運ばれている最中かもしれないんです。
星泥棒に関連しているのかは分かりませんが、こんな泥棒もいました。
「星ミツどろぼう」です。知らないものが出てきました。しかも、それを専門に盗む。
「星ミツ」は地球で採れる何らかの蜜の名前かと思いきや、この作品は宇宙へ取りに行く話みたいですので、天体から手に入るようです。あんな星やこんな星をギュッと絞って回収する蜜なのでしょうか。よく分かりません。
ただ、よく考えますと、蜂蜜だって地球という天体で採れた蜜ですから、「星ミツ」の一種かもしれない。他の天体の「星ミツ」だって、そういうようなものである可能性がございます。
物理的に盗みにくそうなものを狙う泥棒もいました。
「影泥棒」です。どうやら写真集の題名のようでございますので、実際に影を盗むわけではなく、比喩表現なのだと考えられます。影をせっせと盗んで転売する人のことではない。
先ほど、行為を関する泥棒として「キス泥棒」がいたと思うんですが、こんな泥棒もいました。「しゃっくりどろぼう」です。
比喩表現にしても意味が分からない泥棒でございます。盗めるかどうか以前に、しゃっくりをどうすれば泥棒認定されるのかもよく分かりません。泥棒もとうとうそんなところまでやってきてしまいました。
更にはこんな泥棒もいました。
「半分どろぼう」です。この場合、全ての半分だけを盗む泥棒なのか、それとも泥棒に片足突っ込んだ状態の、中途半端な窃盗犯を指す言葉でしょうか。それとも「半分」と呼ばれる何かを盗むのか。非常に摩訶不思議な名前の泥棒です。
現実に存在しているのか証明されていないものを盗もうとしている泥棒もいました。例えば、「のんのんばあ おばけどろぼう」です。
いよいよおばけも盗みの対象になって参りました。「のんのんばばあ」でお分かりの方もいらっしゃるかと存じますが、著者は水木しげるさんでございます。どうやって盗むのか、本当に盗めるのか、そもそもどうやって見つけるのかも謎の泥棒です。
「中国近世の霊魂泥棒」という書籍もありました。
中国近世には物凄い泥棒がいたものです。霊魂を片っ端から盗んで、裏で売りさばいている泥棒がいたんですから。どれくらいの量をいくらで、誰に売っていたのか。全てが気になる魅力的な泥棒です。
「妖怪泥棒」も当たり前のようにいました。
むしろこっちのほうが水木しげるさんっぽい気がするんですが、別の方が著者となっています。
6.当然のように概念へ手を出す泥棒
概念みたいな、明らかに盗めなさそうな泥棒も結構いました。比喩表現でもなければ成り立たなさそうなタイプの泥棒です。
何なら、「概念ドロボウ」が普通にありました。
こんな感じの、ぼんやりしたものを盗もうとする泥棒が、まあ後を絶たたないんです。それこそ、ベタな泥棒に「花嫁泥棒」がいると申し上げましたが、こんな泥棒もいるんです。
「結婚泥棒」です。ここまで来ると恋愛絡みなのかどうかも自信がなくなってきます。本当に何を盗んでいるのかも分からない。これまた高確率で不起訴になりそうな泥棒です。
他にも不起訴相当の泥棒がたくさんいます。ベタな泥棒に「時間泥棒」がいると申し上げましたが、他にも時間絡みの泥棒が他にも結構いました。藤子不二雄の「未来ドロボウ」を始めとして、「明日泥棒」「放課後泥棒」「青春泥棒」などがあげられます。
不思議なのがこちらです。
「春泥棒」と「夏泥棒」はあったのに、「秋泥棒」と「冬泥棒」はなかったんです。どうしてなんでしょう。秋は実りの季節でございますし、過ごしやすい時期です。冬はクリスマスや年末年始といった、大きなイベントがある。なのに、誰も盗んでくれない。
試しに「秋泥棒」「冬泥棒」で検索したら、どちらも泥棒の多い季節だと主張する記事が出てきましたし、AIもそう言ってました。泥棒が多い時期を盗む泥棒がいないなんて。なぞなぞみたいな話になってきました。
こんな書籍もありました。
「奇跡泥棒」です。ターゲットの範囲が広くて、何を盗むのかよく分からない泥棒です。仮に奇跡を盗めたとして、どんな奇跡なら盗もうと思えるのでしょう。宝くじで言うなら何等以上になるのか。
そうかと思えば「逆転泥棒」という書籍もありました。
逆転というからにはスポーツを主戦場にしている泥棒でしょうか。はたまた、別の勝負事、例えばギャンブルなどでしょうか。
ちなみに、著者は「逆転美人」など、題名に「逆転」をつけた作品を他にも出版されております。「逆転」がメインであり、「泥棒」は添え物的なポジションのようです。
そうかと思えば、こんな泥棒もいました。
「オハヨウどろぼう」です。ここまで来ると、題名だけで泥棒が何をするのか想像つきません。ワンチャン、泥棒に朝の挨拶をする内容ではないかと思ったんですが、調べたらやはり盗むのは「おはよう」という言葉そのもののようです。とりあえず目の前で盗むところを見てみたいです。何なら、私の「おはよう」を盗んでもらう覚悟すらあります。
「世界泥棒」という書籍もありました。
世界を丸々盗む。豪快にもほどがあります。ここまでいろんな泥棒を紹介して参りましたが、来るところまで来てしまったような気がします。きっと裏世界とか平衡世界とか、そういう世界も平気で盗んでしまうんでしょう。時空をターゲットにする。泥棒の中の泥棒はそんなもんなのかもしれません。
7.盗むものが名前になっていない泥棒
ここまででもちょこちょこ出てきましたが、題名に登場する泥棒全てが盗むものとセットになっているわけではありません。「〇〇泥棒」以外にも気になった題名がいくつかございましたので、最後にそちらをご紹介いたします。
まずはこちら。
「早耳屋お花事件帳 見習い泥棒犬」です。泥棒猫が大量にいるこの世界において、非常に珍しい泥棒犬です。しかし、見習いなんです。やっぱり泥棒界隈は猫が圧倒的なシェアを占めており、犬は新参者なんでしょう。逆を言えば、伸びしろばかりという状況です。泥棒犬の今後に期待です。
続いてはこちら。
「呉圭原詩選集 私の頭の中まで入ってきた泥棒」です。脳内に忍び込むタイプの泥棒がとうとう現れました。何を盗られても怖い泥棒です。住居侵入罪より量刑を重めにしてくれないと割に合わないとすら思っています。
こんな書籍もありました。「どろぼうがっこう」です。
泥棒を養成する学校でございます。恐ろしい学校もあったものです。当然、警察に摘発されないよう、地下深くに潜っているのでしょう。しかも、こういうものは意外と私たちの身近にあったりします。
ちなみに、「どろぼうがっこう」はシリーズになっておりまして、続編の中にはこんな題名もあります。「どろぼうがっこうぜんいんだつごく」です。
そりゃあ、プロの泥棒を養成する教育機関でございますから、当然ながら脱獄の方法も教えているはずです。教わったら一度は練習する必要があるわけで、全員が脱獄してもおかしくはありません。
ただ、この題名ですと、泥棒学校は監獄ということになりかねないんですが、実際はどうなんでしょうか。
「どろぼうは校長先生だった」という題名もありました。
この校長先生は多分、泥棒学校に勤務しているはずです。もしくは、勤務していた。だったら納得もいくというものです。
そうかと思えば意外な肩書の方が泥棒でした
「大どろぼうはハンバーグ大王」です。あのハンバーグ大王もまた、泥棒学校に在籍経験があったんです。まさかのスキャンダルです。王が代替わりするか、国民が革命を起こすレベルの醜聞でございます。
ひとつの王政が消えたところで、今回の最後はこちら。
「泥棒美術学校」です。泥棒学校、まさかの美術とコラボです。果たして、この学校が養成するの泥棒なのか、はたまた美術家なのか。それとも、泥棒学科と美術学科に分かれているタイプなのか。調べたところ、美術家を養成する学校のようです。「プロの技法を盗む」というところから、「美術学校」の前に「泥棒」という単語をくっつけたようです。
広い意味で、知的財産を盗む系の泥棒に分類できそうです。もちろん、合法の範囲でやられているでしょう。とりあえず、美術品を盗む泥棒を養成する学校ではなかったようで安心しました。
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