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見えない夫婦はどうやって旅をする?|視覚障害のある私たちの旅行準備・移動編

いつも私とはっぴーお嬢のnoteを読んでくださりありがとうございます。
ナツコ@視覚障害の相談支援専門員です。

先日、今年予定している旅行について、どこへ行こうかな、何をしようかなと考えている様子を記事にしました。

旅行って、行っている時間はもちろん楽しいのですが、その前の準備も楽しいですよね。

「ここに行きたい!」
「これ食べたい!」
「こんなことしてみたい!」

そんなことを考えながら予定を組んでいる時間も、私は大好きです☺️

ただ、私たち夫婦は2人とも視覚障害があります。

そのため、行きたい場所を決めたら、

「よし、ここに行こう!」

だけでは、なかなか終わりません。

知らない土地を、見えない・見えにくい夫婦2人で移動する。

これが、なかなか大変なんですよね。

もちろん、私たち2人だけで旅行をすることもあります。

タクシーを使ったり、人に尋ねたり、ナビアプリを使ったり。
事前にしっかり下調べをして、「これなら2人でも行けそう」と思える場所なら、自分たちだけで移動することもあります。

でも、そのためにはいろいろな準備が必要です。

そして、ただ目的地までたどり着くだけではなく、せっかくの旅行だから観光もしたいし、おいしいものも食べたいし、買い物だって楽しみたい。

そのためには、移動の方法を考えるだけでなく、必要に応じて一緒に歩いてくれる人を探すことも大切な旅行準備のひとつになります。

では、見えない・見えにくい私たちは、旅行に行く前にどんな準備をしているのでしょうか。

今回は、私たち夫婦の旅行準備の中から、まずは「移動編」。

これまでいろいろな場所へ旅行してきた私たちが、知らない土地をできるだけ安心して、そして思いっきり楽しむためにしている準備について、お話ししてみたいと思います☺️

🗺️知らない場所だからこそ、できるだけ細かく調べておく


私たちが旅行前にまずすること。

それは、とにかく移動についてできるだけ細かく調べておくことです。

例えば電車で目的地へ向かうなら、何線に乗るのか、どこの駅で乗り換えるのか、乗り換えにはどのくらい時間がかかるのか、駅に着いたら何番出口から出ればいいのか、その出口から目的地まではどのくらいあるのか。

そんなところまで、分かる範囲でできるだけ調べておきます。

特に見えない状態で歩いていると、「駅に着いた。その次はどうする?」という、移動と移動の間が結構大事なんですよね。

駅を出たらタクシー乗り場はどこにあるのか。
バスに乗り換えるなら、バス乗り場はどこなのか。
そこまでどうやって行けばいいのか。

さらに、

「ホテルへ行く前に夕ご飯を買って帰りたい」

となれば、ホテルの近くにコンビニやスーパーがあるのか、駅で買っておいたほうがいいのか、途中に立ち寄れそうなお店があるのか。

そんなところまで調べます。

見えていれば、駅を出て、

「あ、コンビニあるやん」

で済むことも、見えないと、そのコンビニがそこにあること自体に気づけないことがあります。

だからこそ、事前に分かることはできるだけ調べて、頭の中にざっくりとでも地図を作っておく。

そしてもう一つ。

私たちは時々、潔く「ここは2人だけで移動するのはやめよう」と諦めます(笑)

これも、とても大切な方法だと思っています。

例えば旅館までの最後の道のりが難しそうなら、

「ここまでは自分たちで行けるのですが、ここまで迎えに来てもらうことはできますか?」

と事前に聞いてみる。

すると案外、「いいですよ」と言ってもらえることが多いんです。

特に旅館などでは最寄り駅まで送迎してくださるところもありますし、何かの体験を予約した時にも、

「このバス停までは行けるんですが、そこからが難しくて……」

と相談すると、

「それならバス停まで迎えに行きますよ」

と言ってくださることもあります。

もちろん、すべての施設で対応してもらえるわけではありません。

だからこそ、旅行前に、

「どこまでなら迎えに来てもらえるのか」
「どんなサポートならお願いできるのか」
「帰りも送ってもらえるのか」

など、事前に確認しておくことも大切な準備のひとつです。

当日になって初めてお願いするのではなく、こちらが困りそうなところをあらかじめ伝えて、お互いにできることを確認しておく。

そうすれば、迎えてくださる側にも準備をしてもらえますし、私たちも「ここまでは自分たちで行けば大丈夫」と安心して予定を立てることができます。

それでも難しいところは、タクシーを使います。

そして、駅の改札までは行けるけれど、そこからバス乗り場やタクシー乗り場までが分からないという時には、駅員さんに誘導をお願いすることもあります。

もちろん、とても忙しい時間帯はできるだけ避けたり、すぐに対応してもらうことが難しそうなら少し待ったり。

お願いする私たちの側にも、そんな配慮は必要だと思っています。

全部を誰か一人にお願いするのではなく、

ここまでは自分たちで行く。
ここからは駅員さんに少し助けてもらう。
次は送迎をお願いする。
難しいところだけタクシーを使う。

そんなふうに、いろいろな方法を少しずつつないでいく。

そうすると、見えない・見えにくい2人だけでは「ここは難しいかな」と思っていた場所にも、案外行けたりするんですよね。

旅先でも、これまで本当にたくさんの方に少しずつ手を貸していただいてきました。

そのたびに、

「ありがたいなぁ」

と思います。

全部自分たちだけでできなくてもいい。

どこまで自分たちでできて、どこから人の力を借りればいいのか。それを事前に考え、必要なところにはあらかじめ相談しておく。

そうやっていろいろな人の力を少しずつ借りながら、自分たちなりの方法で目的地までたどり着く。

これも、私たちが安心して旅を楽しむための大切な準備のひとつです。

🦯旅先でも同行援護は使えるんです


そして、もう一つ大切なのが、

「一緒に移動してくれる人をどうするか」

ということです。

私たち夫婦は、2人とも視覚障害があります。

先ほど書いたように、下調べをしっかりして、周りの人の力も借りながら2人だけで移動することもあります。

でも、「目的地までたどり着くこと」と「旅行を思いっきり楽しむこと」は、少し違うんですよね。

知らない街を歩きながら、周りにどんなものがあるのか教えてもらう。
観光地の様子を説明してもらう。
気になるお店に立ち寄る。
お土産屋さんで、どんな商品が並んでいるのか教えてもらいながら買い物を楽しむ。

そんなふうに、観光や買い物までしっかり楽しみたいと思ったら、やっぱりガイドしてくれる人の存在はとても大きいです。

そこで私たちがよく利用しているのが、「同行援護」です。

でも、この話をすると、

「旅行の時にも同行援護って使えるの?」

と聞かれることが結構あります。

同行援護は、自宅の近所で買い物や通院をするときなど、普段の生活の中でしか使えないと思っている方も多いのかもしれません。

でも実は、旅行先でも同行援護を利用することができます。

もちろん、普段利用しているヘルパーさんに自宅から一緒に来てもらうという方法もあります。

ただ、遠方への旅行となると、ヘルパーさんの交通費や宿泊をどうするのか、勤務時間をどうするのかなど、いろいろ考えなければならないことも出てきます。

そこで私たちがよく使っているのが、旅行先にある同行援護事業所と事前に契約して、現地でヘルパーさんと待ち合わせる方法です。

例えば東京へ旅行するなら、東京の同行援護事業所とあらかじめ契約しておき、

「朝、東京駅で待ち合わせをして、そこから一緒に観光。買い物や食事も楽しんで、夕方ホテルまで送ってもらう」

なんて使い方をします。

私たちはこれまで、東京や仙台、福井など、いろいろな旅行先でこの方法を使ってきました。

「県外の事業所と契約してもいいの?」

と思われるかもしれませんが、同行援護は障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスです。普段住んでいる地域の事業所しか利用できないというものではなく、旅行先の指定同行援護事業所と契約して利用することができます。

ただし、旅行者との契約に対応してもらえるか、希望する日にヘルパーさんを確保できるかなどは事業所によって違うので、早めに探し始めるのがおすすめです。

私たちの場合は、まず旅行先の同行援護事業所を探して、

「○月○日から○日まで旅行に行く予定です。この日に、こういうところを観光したいのですが、同行援護をお願いできますか?」

と相談します。

利用できることになったら、旅行前に契約。

遠方なので、受給者証を確認してもらったり、契約書を送ってもらったりと、郵送などで必要な書類のやり取りをして、契約を済ませておきます。

そして旅行当日は、あらかじめ決めておいた駅やホテルなどでヘルパーさんと待ち合わせ。

これなら、知らない土地でも安心して観光や買い物を楽しむことができます。

また、計画相談を利用している方なら、

「旅行先で同行援護を利用したいけれど、自分では事業所を探すのが難しい」

と相談支援専門員に相談して、一緒に探してもらうのも一つの方法です。

最近では一部の事業所で、マッチングの仕組みを使い、利用したい日時や内容を伝えて、対応できるヘルパーさんを探したり選んだりできるところもあります。

そして、旅行となると普段より同行援護を利用する時間が増えることもありますよね。

自治体によって対応は異なりますが、旅行などで一時的にいつもより多くの時間が必要になる場合には、事前に市区町村へ相談することで、支給時間について対応を検討してもらえる場合もあります。

だから、旅行が決まったら、

「今の受給時間で足りるかな?」

というところも、早めに確認しておくと安心です。

旅行先で同行援護を使う。

それを知っているだけでも、旅の選択肢ってぐっと広がると思うんです。

「見えないから、知らない土地を観光するのは難しい」

ではなく、

「じゃあ、その土地で一緒に歩いてくれる人を探してみよう」

そんな方法もあることを、ぜひ知ってもらえたらと思います。

🤝自分で探すのが難しいときは、ユニバーサルツーリズムセンターに相談するという方法も


旅行先でも同行援護を利用できる。

それが分かっても、次に出てくるのが、

「じゃあ、知らない土地の同行援護事業所をどうやって探したらいいの?」

という問題です。

インターネットで検索して、旅行先の同行援護事業所を探して、一つずつ問い合わせる。

私たちはこれまでそんなふうに探してきましたが、慣れていないとなかなか大変ですよね。

そもそも、どんな言葉で検索したらいいのか分からない。
見つけても旅行者の利用を受けてもらえるのか分からない。
電話をしても希望する日にヘルパーさんが見つからない。

そんなこともあります。

そこで、ぜひ知っておいてほしい相談先の一つが「ユニバーサルツーリズムセンター」です。

全国各地には、障害のある人や高齢者など、誰もが安心して旅行を楽しめるようにサポートするユニバーサルツーリズムの相談窓口があります。

そして、私が住んでいる神戸にも「神戸ユニバーサルツーリズムセンター」があります。

実は私も、以前こちらにお世話になったことがあります。

長崎へ旅行して、ハウステンボスへ遊びに行った時のこと。

見えない・見えにくい私たち夫婦だけでハウステンボスを一日楽しむのはなかなか難しいので、現地で一緒に回ってくれるガイドさんをお願いしたいと思い、神戸のUTさんに相談しました。

すると、神戸から長崎の窓口へつないでくださり、現地で一緒に回ってくださる有償ボランティアさんを手配してもらうことができました。

その時は旅行までの日数があまりなかったので、

「今から同行援護事業所を探して、契約まで済ませるのは難しいかもしれない」

ということで、有償ボランティアさんをお願いしました。

でも、同行援護事業所を探してもらうこともできるということは、その時に確認しています。

これって、とても心強いですよね。

しかも、相談できるのはガイドさん探しだけではありません。

「視覚障害があっても楽しめるところへ行きたいんですが、どこかありませんか?」

「ここへ行ってみたいんだけど、どうやって移動するのがいいですか?」

「こんな旅行をしたいんですが、どんなプランなら楽しめそうですか?」

そんなところから一緒に考えてもらうこともできます。

つまり、

「旅行したい。でも、どうしたらいいのか分からない」

という段階から相談していいんです。

そして、ユニバーサルツーリズムの活動は、私たち旅行者を直接サポートすることだけではありません。

神戸のUTさんでは、ホテルや観光に関わる方たちなど、旅行者を迎える側に向けた研修や啓発活動も行っています。

例えば、

「視覚障害のある人が旅行に来た時、どんなことに困るのか」

「どんなふうに声をかけたらいいのか」

「どんなサポートがあると安心して観光や宿泊を楽しめるのか」

そんなことを、迎える側の人たちにも知ってもらう。

障害のある人に、

「旅行できるように頑張ってね」

と求めるだけではなく、旅行者を迎える街や人たちの側にも、誰もが旅行を楽しめる環境を一緒につくってもらう。

そこまで含めて「ユニバーサルツーリズム」なんですよね。

そして、こうした相談窓口は神戸だけではなく、全国各地にあります。

だから、自分の住んでいる地域の窓口に相談して、そこから旅行先の地域へつないでもらうという方法もあります。

私自身が長崎へ行った時も、まさにその形でした。

自分一人で全部調べて、全部手配しなくてもいい。

「こんな旅行がしたいんです」
「ここに行ってみたいんです」
「でも、こんなところに困っています」

そんなところから相談できる場所がある。

旅行の準備をするときに、こういう場所を一つ知っているだけでも、とても心強いと思います。

🧳行ける方法を一つずつ見つけながら


そして実は、今回予定している旅行でも、

「現地の同行援護事業所探し、UTさんに相談しようかな」

と考えていました。

以前の私だったら、最初からお願いしていたかもしれません。

でも、私たちはこれまでいろいろな場所へ旅行して、そのたびに現地の同行援護事業所を探して、問い合わせをして、契約をして、実際に利用するという経験を重ねてきました。

そして今は、私自身が相談支援専門員として仕事をしていることもあり、以前に比べると事業所を探したり、問い合わせたり、利用までの調整をしたりすることにもずいぶん慣れました。

なので今回は、

「まずは自分たちで探してみよう」

と思っています。

それでもなかなか見つからなかったり、日程が合わなかったりしたら、その時にはUTさんに相談するつもりです。

同行援護事業所だけではなく、有償ボランティアさんなども含めて、

「この日に一緒に動いてくれる人を探したいんです」

と相談してみる。

私にとってUTさんは、そんなふうに困った時に頼れる場所の一つになっています。

ここまで私たちの旅行準備について書いてきましたが、改めて考えてみると、見えない・見えにくい私たちの旅行って、いろいろな方法を少しずつ組み合わせて成り立っているんですよね。

行けそうなところは、事前にできるだけ細かく調べて自分たちで行ってみる。

難しそうなところは、送迎をお願いしてみる。

駅の中や乗り換えでは、駅員さんの力を借りる。

必要ならタクシーを使う。

そして、観光や買い物を思いっきり楽しみたい時には、同行援護のヘルパーさんやガイドさんと一緒に歩く。

自分たちだけで方法が見つからなければ、UTさんのような相談できる場所の力を借りる。

最初から最後まで、全部を自分たちだけでできなくてもいいんです。

大切なのは、

「見えないから行けない」

で終わらせるのではなく、

「じゃあ、どうしたら行けるかな?」

と、その方法を一つずつ探していくことなのかなと思っています。

もちろん、見える人の旅行より準備することは多いのかもしれません。

何番出口から出るのかまで調べたり、送迎してもらえるか問い合わせたり、旅行先の同行援護事業所を探して事前に契約したり。

「旅行に行くだけなのに、やることいっぱいあるなぁ」

と思うこともあります(笑)

それでも、その準備の先には、

「行きたかった場所に行けた」
「やってみたかったことができた」
「おいしいものを食べられた」
「知らない街を歩けた」

そんな旅の楽しさが待っています。

そして何より、これまでいろいろな場所へ旅行してきて感じるのは、案外、何とかなることも多いということ。

もちろん自分たちで準備することも大切ですが、旅先では本当にたくさんの方が少しずつ力を貸してくださいます。

だからこそ、私たちも「できない」と決めてしまう前に、まずはできる方法を探してみたい。

誰かの力を借りながらでも、自分たちらしい方法で旅を楽しめたら、それでいいんじゃないかなと思っています。

今回ご紹介した方法も、あくまで私たち夫婦がこれまでの旅行の中で見つけてきたやり方の一つです。

同じように、

「見えない、見えにくいけれど旅行に行きたい」

と思っている方に、

「こんな方法もあるんだ」
「だったら私も行けるかもしれない」

と思ってもらえるものが一つでもあったら、とてもうれしいです。

そして、これから旅行へ出かける私たち自身も、また新しい方法を見つけたり、いろいろな方の力を借りたりしながら、今回の旅を思いっきり楽しんできたいと思います☺️

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

今回は、「見えない私たちの旅行準備・移動編」として、知らない土地を移動するためにどんな下調べをしているのか、そして同行援護やユニバーサルツーリズムセンターなど、人の力をどう借りながら旅行しているのかについて書いてみました。

でも、旅行の準備って、もちろん移動だけではありません。

せっかく旅行に行くなら、

「ここに行ってみたい!」
「こんな体験をしてみたい!」
「これは絶対食べたい!」
「お土産にこれを買って帰りたい!」

そんな楽しみもいっぱい考えたいですよね☺️

でも私たちの場合は、行きたい場所を見つけたら、

「視覚障害があっても楽しめるかな?」
「お嬢も一緒に行けるかな?」
「どんな体験なら私たちにもできそう?」
「どうしたらもっと楽しめるかな?」

なんてことも調べながら、少しずつ旅行の中身を作っていきます。

そして今は、インターネットやSNS、YouTube、AIなど、旅行の情報を集める方法も本当にたくさんあります。

見えない・見えにくい私たちが、そんなたくさんの情報の中から、どうやって「行きたい」「やってみたい」「食べたい」を見つけて、実際の旅行プランにしているのか。

次回は「情報収集・旅行プラン編」として、そんな私たちなりの旅行の作り方について書いてみようかなと思っています☺️

見えない夫婦とお嬢の旅行準備は、まだまだ続きます。

次回もぜひ、楽しみにしていただけたらうれしいです。

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