キッチンはピカピカ
家に帰ると、コンロがピカピカになっていた。
大掃除の気分?
いえいえ、朝、鍋いっぱい作った味噌汁がすっからかん。
焦がしたのだ。
ちちが認知症になって、超怖いことの一つが火事だった。
隣の家は、子供たち家族が住んでもいいよう、二世帯住宅を新築したばかり。
火を出した日にはもう〜
だからといって、オール電化などにはできない。
新しい操作は覚えられないのだ。昔ながらのタイプなら自分で温めなおすことができるのだけど。
とはいえ、祈っていてもしょうがないので、当時の片方のコンロにしか安全装置がついてない通常のガスコンロを廃棄して、二口両方にセンサー安全装置のついたガスコンロを探して買った。当時はまだグリル対応じゃなかったのでは魚やナスは焼けないけど、それは諦めてもらって〜
その日、温め直していて、鍋いっぱいの味噌汁の水分が全部飛んでしまって、具がジリジリと焦げ付くかな〜ってくらいで消えてくれたんだろう。
その鍋は「アルミタワシでめっちゃこすってピカピカにしました」という状態で置いてあり、
たわし握ったついでにガスコンロもピカピカになっており、
ついでに流し台もピカピカになっている。
最初に がくーーーーーーっと脱力し、
そして予定外に早く汁物をまた作らなきゃいけないことにイラつき、
無事安全装置が働いたことに安堵し、
一所懸命磨く様を想像して吹き出し、
「さ、また作るか〜」
と野菜を刻むのだった。
