僕は一人のヒーローを見た
「新幹線が止まったんですよ…どうしよう」
急遽始まった配信。
以前仲良くなった、配信者の放送にかけつけた。
年齢は同い年。若い人が多いこのアプリで、話の波長が合うので、
最近、お邪魔する事が多い。
二児のお父さんだという。
時々、息子さんの話をされるけど、心が少しだけ、ギュっとする。
昨日は、名古屋に来るとの事で、ウキウキで僕にどこへ行ったらいいですか?と聞かれたので、お店を紹介した。
だが、結果は大雨で。仕事を終えたら、もう移動手段もなく。大変だったと話されていた。
会社からは、「名古屋で一泊して来てもいいよ」と言われたが、それでも関東の自宅まで帰る事を選んでいた。
新幹線が動くまでの間、配信しますと。
アオサギ君ごめん、名古屋楽しめなかったけど、また来るから。
こんな気遣いも嬉しい。
配信の途中…
俺、誕生日なんだよね…と。
でも、散々だったと笑って話す配信者さん。
「おめでとうございます」と送ると。
「ありがとうね」と返してくれる。
新幹線が動き出すことが決まり、放送を終えようとした時。
名古屋で一泊しても良かったのでは?
と僕は聞いた。
「息子たちがね、待っててくれるから。お祝いされてきます」
約束なんで。
かっこいいな…
心がじーんとした。
「お父さん、もう少しだけ頑張ります。ありがとうございました!」
こうして配信は終わった。
誕生日の人から、プレゼントをもらうとは…。
スマホの電源を消して、眠りについた。
