スーパー歌舞伎『もののけ姫』を観た
若きプリンス市川團子ちゃんの
大にわかファンとして()
ずっと楽しみにしてきたこのスーパー歌舞伎。
筆舌に尽くし難い、それはそれは素晴らしい
スーパー歌舞伎版もののけ姫だった。
五代目市川團子
長い手足が舞台に映える。
瑞々しくエネルギー漲る立ち回り、
花道を駆け出してくる登場シーンの凛々しさに早くも涙。
天性のジャスティスみとでも言うべきか、
團子ちゃんが持つ【ニン】が
アシタカの強さや真っ直ぐさと見事にシンクロしていた。
若さ云々ではなく、彼がやるべき役だったし
こういう役をやるために生まれて来たのだと思わざるを得ない説得力。
話は逸れるが、
今年の大河ドラマ「豊臣兄弟」で、
小栗旬演じる織田信長が
どうしても物足りなく感じてしまい、
役者の力量や年齢云々ではなく、
その人が生まれ持つ骨格や空気感が
キャラクターと共鳴するか、
役の適正について考えていたところだった。
同じく、池松壮亮の秀吉も、
やっぱりどこか品が良すぎるよなと。
ここからの闇落ち時代が池松秀吉の本領発揮なのかもしれないけれど。。
逆にうちの殿(岡田准一さんの話をしています)が
三成をやったときも、
ちょっとさすがに武力みが強くて
殿ver.三成がすぎるな..と思った記憶がある。
それはそれの良さがある、ということはもちろん大前提で言っていますよ。
来週はいよいよ本能寺の変が来てしまう..!
森乱の最期をしかと見届けよう。
https://www.nhk.jp/g/ts/P52L88MYXY/blog/bl/pVlWNnaEeQ/bp/pYjAlPvX6k/
セリフの言い回しやテンポ感も
かなり原作に忠実だったので
違和感なく観ることができた。
その上で単なる原作の再現にとどまらず、
アシタカの中に確かに市川團子を感じたし、
市川團子自身の魅力がアシタカというキャラクターを通じて炸裂していた。
まさに芸は人なり。
本当に本当に美しくてかっこよかった。
六代目中村時蔵
そして今回何より感激し魅了されたのが
時蔵さんのエボシ御前。
まずその御声の良さに一聞き惚れ。
男共を率いて勇ましく出陣する姿、
タタラバで見せる慈しむような穏やかな顔。
すべてを失ったラストシーンでは、
自分の宿命を受け入れる覚悟とも取れるような
なんとも言えない表情に胸打たれ、涙。
この人はどれほどの悲しみを胸に
修羅の道を歩いて来たのだろうかと。
ほんの少し目線を落とす、ほんの少し振り返る、
そんな一挙手一投足の麗しさたるや。
「色気」なんて言葉にまとめるには
あまりに陳腐すぎるくらい、
気高くて美しかった。
魅力的な時蔵エボシの存在感が、
この作品を何倍も素晴らしいものに引き上げていたと思う。
いや〜〜しかし良かったな。。
近いうちに古典も観に行こう。
登場人物ごとの所感
サン:中村壱太郎
キレッキレで俊敏。タイトルロールを背負う気概を感じた。あれだけ力強い立ち回りをしながら、芝居では少女のあどけなさも見えるからすごい。
モロの君:市川笑三郎
いやあ、、素晴らしかった。
めでたくてありがたい気持ちにさせられるほどの神々しさ。モロが背負っている大きな哀しみや覚悟が重たい空気感となって、そこに居るだけで舞台が引き締まる。
ジコ坊:市川猿弥
一本歯の高下駄で走り回る姿に目を疑った。凄すぎ。
「人はいずれ死ぬ。遅いか早いかだけだ。
肝心なことは死に 食われぬことだ。」
自分が大人になったからか、または猿弥さんを通して見たからなのか。憎たらしいけれど、一番人間臭くて、そして頭が良い。こんなに味わい深いキャラクターだったのかと感動。
乙事主:市川中車
香川節というか、もっと味濃くてくどいのを覚悟していったら、決して役の範疇を超えず、その中で確かな存在感があって流石だった。鬼気迫る躍動感、アシタカVSタタリ神の親子立ち回りも見事。
以下、その他雑多な感想
・歌舞伎ならではという点では、お衣装と舞台美術の豪華さ!
・シシ神の森、タタラバの再現率すごい。
・真っ白でふわっふわな山犬たちの妖しい美しさ、アシタカの青、烏帽子の赤が映える。
・ヤックルも馬も出てくるよ。
・こだまのキッズたちも出てくるよ。
お尻ぷりぷりさせながら歩いて舞うの可愛すぎて悶えた。
・ジャニーズくらい落下物あるし、客降りもあるし、堂本光一くらいフライング(宙乗り)の時間もある。最高。
・演出の横内さんいつもお世話になっております。その節は、はしみずを宙乗りさせてくれてありがとうございました。(2024年の劇走江戸鴉より)
・闘いのシーンはこれでもかと大立ち回り見せてくれて最高。
・サンVSエボシの女形同士の立ち回りでは
躍動的なサンと麗しいエボシの対比が面白い。
・イノシシ軍団の舞、キャッチーで楽しい。
最後に
「私はタタラバで、サンは森で、共に生きよう。」の名シーン、
子供の頃はただただアシタカにメロついていたけど(笑)
きっと争いはこれからも続くのだろうし
分かり合うことはできないのだろうし...
この世の真理が詰まった、
かなりビターな結末なんだよなあ。
己の正しさと義を問われる時間でもあり、
改めて作品自体の普遍的な素晴らしさを
しみじみと感じた。
私は感情移入型お節介タイプの阿呆なので
(そんな日本語は無い)、
カーテンコールでは團子ちゃんを見つめる中車さんを見て、
おたくの息子さん、たいへんご立派に育ちましたね..😭
となり、泣いてしまいました。何の話ですか。
今日時点ではまだ残席があるみたいだけど、
それも口コミですぐ売り切れるのでしょう。
ジブリファンにも歌舞伎ファンにも薦めたい作品になった。
團子ちゃんあっぱれでした。
澤瀉屋!日本一🪭

