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「短く説明しろ」の前に考えたいこと

「作品は短く説明できた方がいい」。

そんな議論を眺めていて、少し気になったことがありました。

創作論なのか、編集論なのか、あるいは企画や経営の話なのか。
同じ言葉を使いながら、それぞれ少し違う場所を見ているように感じたのです。

整理してみると、その先にはひとつの共通点がありました。

それは、「この作品の何が面白いのか」という問いです。


1. 「短く説明する」の違和感

Xの漫画関係者の投稿で、
「作品は短く説明できた方がいい」という話を見かけた。

なるほどと思う反面、少し引っかかる部分もあった。

短くすると、作品の魅力を取りこぼしてしまうこともあるからだ。

議論を追っていくと、創作論、編集論、企画通過術、経営論が同じ話として語られているように見えた。

ただ、読んでいて気になったのは、それぞれが見ている場所の違いだった。

企画を通すための短さなのか。

宣伝で届かせるための短さなのか。

作者自身が作品を掴むための短さなのか。

同じ「短く説明する」でも、目的が違えば必要な言葉も変わってくる。

そのうえで、例として挙げられている作品説明を見ると、設定やプロットの説明で止まっているものも多いように感じた。

本当に強い作品は、設定ではなく「何を面白がっている作品なのか」という核の部分まで短く表現できるのではないか。

そんなことを考えているうちに、昔のことを思い出した。


2. キャッチコピーは宣伝文句ではなかった

少年マガジンで担当についてもらっていた頃、作品のキャッチコピーを考えろと言われたことがある。

当時の僕は、それを宣伝文句を作る話だと思っていた。

読者の興味を引くための言葉選び。

その程度の認識だった。

けれど今振り返ると、あれは違ったのかもしれない。

「この作品の何が面白いのか」

そこを見つけろという訓練だったのではないだろうか。


3. 何を削り、何を残すのか

考えてみれば、ポスターも同じだ。

作品を知らない人が前を通る。

そこで使える言葉は1行か2行。

あらすじを全部書くことはできない。

だから何を削り、何を残すのかを考える。

設定なのか。

キャラクターなのか。

テーマなのか。

作者自身が一番面白いと思っている部分なのか。

その選択の中で、作品の核が浮かび上がってくる。

面白かったのは、この話をXに投稿しようとしている自分自身も、まったく同じことをしていたことだ。

文字数が足りない。

この段落は必要か。

この例は本質なのか。

削っていくたびに、自分が何を言いたいのかが少しずつ見えてくる。


4. 短くすることは、核を見つけること

短く伝えるとは、文章を削ることではなかった。

何を残すかを決めることだった。

そしてそれは、作品の本質を探す作業とよく似ている。

キャッチコピーを作ることも。

ポスターを作ることも。

あるいはXに投稿するために文章を削ることも。

結局は同じ場所につながっているのかもしれない。

「この作品の何が面白いのか」

短く伝える技術とは、
その問いに向き合うための方法のひとつなのだと思う。


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