かなりヤバいよ!これってありうる?
専業トレーダーになって半年がたった。
「なって半年」というのは、なんとなくひとつの節目に聞こえる。
半年もやれば、少しは軌道に乗っているはずだ。
だって専業なんだから。
プロを目指しているはずなんだから。
毎月、きちんと稼いでいるはずだ。
……はずだった。
現実は「なかなか順風満帆とはいかない」という、ものすごく柔らかい表現でしか言いようのない状況が続いている。
相場というやつは、こちらの都合など一切考えてくれない。
「あなた、専業になったばかりなんですよ、少し優しくしてくださいよ」とお願いしたいところだが、もちろんそんな制度などはない。
そしてついに、やってしまった。
11連敗・・・。
11連敗、という数字を文字にしてみると、なんだか別の意味で誇らしい(?)気持ちになってくるから不思議だ。
「偉業」とか「記録」とか、そういう言葉が頭に浮かぶ。
オリンピック選手が金メダルを首にかけてもらうときの顔を、思い浮かべてしまう・・・。
違う違う。
これは喜ぶべきことではない。
でも、ちょっと待ってほしい。
11連敗って、本当に起こりうることなのか。
せっかくだから、確率を計算してみた。
損切りは口座の1.5%、利食いは損切りの2倍という設定で、まあ標準的な手法を使っていたとして、勝率は60%くらいは欲しいところだ。
勝率60%、つまり負ける確率は40%。
3連敗の確率:0.4³ = 6.4%
5連敗の確率:0.4⁵ = 約1%
10連敗の確率:0.4¹⁰ = 約0.01%
11連敗の確率:0.4¹¹ = 約0.004%
…0.004%。
なんと、10万回やって、4回しか起きない確率だ。
宝くじよりはマシだが、そう大差ない。
「隕石が頭に当たるよりはマシ」という慰め方もできるが、あまり慰めになっていない。
しかし、ここで大事な事実に気づいた。
確率が低いことと、起こらないことは、まったく別の話だ。
サイコロを何万回も振れば、理論上あらゆる目が偏って出る瞬間がある。
コインを投げ続ければ、100回連続で表が出る瞬間が(理論上は)ある。
そしてFXの相場には、もう一つの要因がある。
相場の「偏り」だ。
相場には、レンジが延々と続く期間と、トレンドが強烈に出る期間がある。
自分の手法がトレンドフォロー系であれば、レンジ相場が続くと条件が揃いそうで揃わない日が続き、やっと揃ったと思ってエントリーしたら即逆行、ということが連続して起きることがある。
つまり11連敗は、「ものすごく運が悪かった」のか「相場環境と手法がまったく合っていなかった」のか、このどちらか(またはその両方)なのだ。
どちらにせよ、自分は今、その11連敗という現実の真っ只中にいる。
さすがに「ちょっと休もう」と思った。
そして、今週は休業することにした。
トレーダーが休業する、というのも妙な話だが、要するに「今週はトレードをしない」という宣言だ。
この決断、実はかなり重要だということに気づかされた。
連敗中にトレードを続けるのは、熱を出しているのに「気合で走れ」と言うようなものだ。
身体が万全でないときに無理をすると、もっと大きな怪我をする。
トレードでいえば、感情的になった状態でエントリーを続けると、本来ありえない判断ミスをする可能性がある。
自分の場合、AIを利用して、ルール通りにトレードすることに慣れているため、仮に見落としはあったとしても、感情的になることはない、はず。
また、「取り返したい」という気持ちは、本来連敗中のトレーダーにとって最も危険な感情だ。
この気持ちに引きずられると、
ロットが上がる。
根拠が薄くなる。
損切りを躊躇する。
そして負ける。
さらに取り返したくなる。
この無限ループに入ったら、口座が溶けるのは時間の問題だ。
だからというわけではないが、とにかく今週は休む。
休むといっても、何もしないわけではない。
今週やること、それは11連敗の検証だ。
負けたトレードを全部見直す。
記録を開いて、一件ずつ
「これはルール通りだったか」
「エントリー根拠は揃っていたか」
「損切りラインは適切だったか」
を確認する。
これをやると、たいてい二つのどちらかになる。
一つは「ルール通りだったが、相場環境が合っていなかった」という結論。
この場合は、手法そのものの問題というより、相場の環境認識に問題があった可能性がある。
「今はこの手法が機能しない相場だ」と判断できれば、エントリーを見送るという選択肢が生まれるはずだ。
もう一つは「途中からルールが少しずつ崩れていた」という結論。
これはよくあるパターンで、連敗が続くうちに「少しぐらいいいか」という感覚で条件の解釈が甘くなっていくことがある。
自覚がないまま、少しずつルールが変質しているということだが、自分の場合、これはまずないと思う。
どちらの結論が出るにせよ、検証することで「なぜ負けたか」の輪郭が見えてくる。
輪郭が見えれば、次の対策が立てられる。
さて、果たしてうまくいくのかどうか。
正直に言うと、わからない。
ルールを見直して、検証をして、相場環境の認識を改善して、次の週から再開する。
そこで勝てるかどうかは、やってみないとわからない。
相場に「ちゃんとやり直しましたよ」と伝えても、相場は「そうか、じゃあ勝たせてやろう」とは言ってくれない。
でも、一つだけ確信していることがある。
何もしないより、検証する方がマシだ。
11連敗の原因が「確率の偏り」なら、いずれ勝率は平均に戻る。
11連敗の原因が「ルールの崩れ」なら、見直すことで改善できる。
11連敗の原因が「相場環境の読み違い」なら、環境認識を直すことで対応できる。
いずれにしても、立ち止まって振り返ることは、前に進むためのスタート地点だ。
そして来週、また相場に向かう。
11連敗の後に何が来るのか。
12連敗なのか、はたまた10連勝なのか。
どちらの可能性もゼロではない。
相場は正直だ。
いいトレードをすれば、長期的には結果がついてくる。
今はそれを信じて、続けるしかない。
今回は、「エッセイしりとり」という企画で、tu-tsu(つっつ)さんから
「か」から始まるエッセイを書いてほしいと言われて、ちょうどいい(?)ネタがあったのでこれにしました。
読んでくれた方、ありがとうございます。
次は「る」から始まるエッセイを書く方へ、バトンをお渡しします。
さとこさん
次のバトンを「さとこさん」にお願いします。
もし、難しければやらなくて結構です。
やらないという選択肢もありますので。
でも、「る」といえば…なんだろう。
「ルール」でも「ルーティン」でもなんでも構いません。
でも「ルーザー(losser)」だけは勘弁してほしいです。
もうたくさんです(笑)
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