余白ノート|コメント欄から円都へ 『スワロウテイル』30周年と、もうひとつの「My Way」
※この記事には、プロモーションが含まれています。※記事の作成・構成には生成AIを使用しています。内容は筆者が確認し、加筆・編集しています。
少し前に、「マイ・ウェイ」という曲について記事を書いた。
フランク・シナトラ、エルヴィス・プレスリー、ジプシー・キングス。
同じ曲であっても、歌う人が変われば、その風景も温度も変わる。そんなことを書いた記事に、ひとつのコメントをいただいた。
私はスワロウテイルの劇中で流れたシナトラのマイウェイと、シド・ヴィシャスですね。
そこに書かれていた、懐かしい映画のタイトル。
『スワロウテイル』。
そういえば、Charaが出演していた映画だった。
架空の街「円都(イェンタウン)」を舞台に、移民たちが生きる姿を描いた岩井俊二監督の作品。
そして劇中から生まれた架空のバンドが、YEN TOWN BANDだった。
僕の記憶に強く残っているのは、やはり、
「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」である。
あの少しかすれたCharaの声と、小林武史による浮遊するようなサウンド。
現実の東京とは少しだけ違う場所で鳴っている音楽のようで、1990年代の空気を閉じ込めた曲でもあった。
コメントをきっかけに改めて調べてみると、驚いた。
映画『スワロウテイル』は、2026年で公開30周年を迎えるという。
30年前に生まれた「円都」が、4Kで帰ってくる
『スワロウテイル』が日本で初公開されたのは、1996年9月14日。
今年、その公開30周年を記念して、岩井俊二監督の完全監修による4Kリマスター版が制作された。
映像の4K化に加え、音響もDolby Atmos化され、2026年9月4日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開される。
30年前の作品が、単に昔の映画として上映されるのではない。
映像と音を磨き直し、現在の映画館で、もう一度体験する作品として帰ってくる。
『スワロウテイル』は、国籍も言葉も文化も入り交じる架空の街を描いていた。
当時は少し遠い未来、あるいは別世界の物語にも見えた。
けれど30年を経た今、あの雑多で不安定な世界は、むしろ現代に近づいているようにも思える。
映画が古くなったのではなく、時代のほうが映画へ追いついたのかもしれない。
映画の中から、現実世界へ飛び出したバンド
YEN TOWN BANDは、映画の中に登場する架空のバンドとして生まれた。
ボーカルは、Charaが演じるグリコ。
音楽を手がけたのは、小林武史。
しかし、その音楽は映画の中だけには収まらなかった。
1996年7月に発売されたシングル「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」は大ヒットし、オリコンチャート1位を獲得。
同年9月に発売されたアルバム『MONTAGE』も、2週連続で1位となった。
架空のバンドが、現実のヒットチャートを駆け上がったのである。
映画の世界と現実の音楽市場との境界線が、ゆっくり溶けていく。
それは、いま考えても面白い仕掛けだった。
映画を観た人にとって、YEN TOWN BANDは単なるサウンドトラックの演奏者ではない。
映画が終わったあとも、円都のどこかで演奏を続けている存在だったのだと思う。
『MONTAGE』が、再びアナログ盤になる
映画の4Kリマスター公開に合わせ、YEN TOWN BANDのアルバム『MONTAGE』もアナログ盤で再発される。
発売日は、2026年12月23日。
今回のアナログ盤では、英国Metropolis Studiosのスチュアート・ホークスによるハーフスピード・カッティングが採用される。
レコードを通常の半分の速度でカッティングすることで、細かな音の情報を、より丁寧に盤面へ刻む方法だ。
音楽を配信で手軽に聴ける時代に、30年前の架空の街の音楽を、わざわざ針を落として聴く。
この組み合わせが、なんとも『スワロウテイル』らしい。
未来のようでいて、どこか古い。
デジタルで再生された映画を観たあと、アナログレコードに針を落とす。
そんな時間のねじれも、この作品には似合っている。
通常のアナログ盤に加え、LPサイズのオリジナルBOXに、JOURNAL STANDARD製のTシャツを収めた完全受注生産の限定スペシャルBOX盤も発売される。
価格は、通常盤が6,600円。
Tシャツ付き限定BOX盤が16,500円。
予約期間は、2026年9月16日23時59分までとなっている。
「あいのうた」だけではなかった
『MONTAGE』には、「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」だけでなく、全部で8曲が収録されている。
そしてSIDE:Bの最後に収められているのが、
「My way」
である。
今回、コメントをいただかなければ、僕はこのアルバムの中に「My way」が収録されていることを、改めて意識しなかったかもしれない。
僕の中では、『スワロウテイル』といえば「あいのうた」だった。
けれど、別の誰かの記憶には、映画の中で流れた「My Way」が強く残っている。
同じ映画を観ても、どの場面を持ち帰るかは人によって違う。
同じ歌でも、歌う人、アレンジ、聴いた場所、そのときの年齢によって、まったく別の記憶になる。
音楽は、作品として発表されたあと、一人ひとりの人生の中で別々の枝を伸ばしていく。
だから面白いのだと思う。
コメント欄から、30年前の映画へ
ひとつのコメントから、懐かしい映画のタイトルを思い出した。
そして調べてみたら、その映画は公開30周年を迎え、4Kで劇場へ戻り、劇中から生まれたアルバムもアナログ盤として再発されるところだった。
偶然とは、不思議なものである。
コメントがなければ、僕はこの30周年に気づかなかったかもしれない。
記事を書き、誰かが読んでくれ、そこに自分の記憶を書き残してくれる。
その言葉が、また次の記事の扉を開く。
今回は、その扉の向こうに「円都」があった。
30年前、蝶は映画の中から飛び立った。
そして2026年。
映像は4Kになり、音楽は再びレコードの溝へ刻まれる。
僕も久しぶりに、あの街へ戻ってみたくなった。
今度は「あいのうた」だけではなく、アルバムの最後に置かれた「My way」にも耳を澄ませながら。
✽ ✽ ✽ ✽ ✽
映画を久しぶりに見返したい人には『スワロウテイル』の映像作品を、音楽から円都へ戻りたい人にはYEN TOWN BANDの『MONTAGE』を。
「あいのうた」だけでなく、アルバムの最後に置かれた「My way」まで聴くと、この映画が残した世界の広がりを、あらためて感じられるかもしれません。
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