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クヌート・ラスムッセン「見えない仕切り」|家にいるのに休まらない人へ

日曜の午後、ソファに深く腰を下ろしても、視界の端の洗濯物と机の書類がずっと呼びかけてきます。家が休まらないのは、片づけが足りないからではありません。仕切りが足りないからです。

どんな気づきも、日常の忙しさに流されると人は少しずつ忘れてしまいます。だからこそ、思考は「毎日」読んで定着させる必要があります。同調圧力に負けない自分を維持するため、このNoteを毎日の習慣にしてください。

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【翻訳】クヌート・ラスムッセン

日曜の夕方になって、まだ何も休まっていないことに気づく。

朝からずっと家にいたはずです。誰にも会わず、どこへも出かけず、時間だけはたっぷりあった。それなのに、体のどこかが張りつめたままで、夜になっても抜けない。片づけが足りないのだろうと思い、来週こそはと決意する。そして来週も、同じ夕方が来ます。

私は北の海に近い土地を歩くたびに、ある分厚い報告書のことを思い出します。書いたのは、家に壁を立てられない場所で暮らす人々のもとを、3年をかけて訪ね歩いた男でした。

壁のない家に引かれていた仕切り

クヌート・ラスムッセンは、1879年にグリーンランドで生まれた人です。父はデンマークから渡ってきた宣教師で、母はイヌイットの血を引いていました。彼はカラーリット語を母語のように話し、子どものころから犬ぞりを走らせ、狩りを覚えて育っています。のちに極北研究の父と呼ばれることになる人物ですが、その足場は書斎ではなく、氷と犬と生肉のほうにありました。

1921年から1924年にかけて、彼はグリーンランドを発ち、カナダ北極圏を横切って、アラスカまで犬ぞりで旅をします。第5次チューレ探検と呼ばれる旅です。彼は急ぎませんでした。行き会った集団のもとに、数日から半年ちかくまで腰を落ち着け、歌を聞き、物語を書き取り、暮らしの手順をひとつずつ記録していきました。

その記録のなかで、私がいちばん長く立ち止まったのが、家のつくりについての箇所です。

彼らの冬の住まいは、雪で築いた家であれ、石と芝土で組んだ家であれ、部屋が分かれていません。寝る場所も、食べる場所も、道具を直す場所も、同じ空間のなかにあります。木のない土地ですから、間仕切りを立てようがない。しかも季節ごとに住まいを移す暮らしです。「この部屋は仕事用」という発想そのものが成り立ちません。

ところが、その分かれていない空間のなかに、驚くほど細かい分けかたがありました。

海の獣と陸の獣を、同じ日には扱わない。セイウチの肉とカリブーの肉を、同じ日には口にしない。氷の上へアザラシを狩りに出る前には、武器を海藻の火で燻して、陸の匂いを落とす。カリブーの毛皮を縫う仕事は、海の猟が始まる前の決められた日で、いったん手を止める。

壁はどこにも立っていません。それでも、そこには仕切りがありました。物ではなく、手続きでできた仕切りです。この記事では、これを「見えない仕切り」と呼ぶことにします。

「なぜ守るのか」に、彼は答えなかった

1922年の冬、ハドソン湾の北にあたる入江のあたりで、ラスムッセンはアウアという名の男に出会います。イグルーリクの人々のあいだで、病を診たり、獣が獲れなくなったときに交渉へ出向いたりする役目を負う、アンガコックと呼ばれる人でした。

ラスムッセンは尋ねました。なぜ、これほど多くの決まりを守るのか。何を信じているのか。

アウアは、説明で答えませんでした。彼が語ったのは、おおよそこういう話です。我々は説明しない、我々は恐れているのだ。そして彼は、恐れの中身を並べていきました。天候をつかさどるもの。雪の家のなかに訪れる飢え。海の底にいて獣たちを手元へ留めてしまうもの。日々すぐそばにある病の、死そのものではなく苦しみのほう。

ここで断っておきたいことがあります。この記録が残されたのは、すでにキリスト教の宣教師が北極圏へ入り込んでいた時期でした。アウア自身も後年に改宗しています。彼の言葉をイヌイットの世界観そのものの要約として読んでよいのかについては、研究者のあいだで議論が続いています。私たちが手にしているのは、外から来た記録者が、変わりつつある時期に、ひとりの人物から聞き取った言葉です。

それでも、この場面には動かしがたいものが残ります。彼は決まりの理由を説明しませんでした。にもかかわらず、決まりのほうは働いていた。

あなたの家に足りていないのも、おそらく理由ではありません。

ここから先は、この「見えない仕切り」を、雪も海藻もない現代の部屋にどう引くかという、極めて実践的なハッキングについて、より深く翻訳していきます。日曜の夕方に張りつめたまま残るあの感じを、片づけの不足や意志の弱さとして扱うのをやめるための、具体的な手順です。


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